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HTCの新しいDNAを注入して完成した“フルメタルボディ”と“HTC BlinkFeed™”「HTC J One」の開発思想を聞く(1)(1/2 ページ)

海外で発売された「HTC One」のデザインや機能の特徴はそのままに、日本向けのカスタマイズを施した「HTC J One」。本機はこれまでのスマートフォンとは何が違うのか。商品企画部門の伊藤泰氏に話を聞きながら、開発思想をひもといていく。今回はデザインとUIに焦点を当てた。

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 KDDIから発売予定のスマートフォン「HTC J One」は、海外でも発売されている「HTC One」の日本市場向けモデルだ。2012年に発売された「HTC J」と「HTC J butterfly」は、HTCが初めて特定の市場(日本)とオペレーター(KDDI)のために開発したモデルであり、日本人が好むデザインや機能を採用して人気を集めた。HTC J Oneもauのサービス、おサイフケータイ、赤外線通信、ワンセグを搭載するなど“J”の系譜を受け継いでいるが、外観はHTC Oneからほとんど手を加えておらず、どちらかというとグローバルの色が強い。

「HTC One」のau向けモデル「HTC J One」。ボディカラーは写真のホワイトメタルのほか、ブラックメタルも用意する

 そんなHTC J Oneのキャッチコピーは「こんなの、はじめて」。HTC J butterflyの「ひとめ惚れの予感です。気持ちよすぎるHTC」と同様に、ちょっとドキッとするフレーズで端末の特長を端的に表現した。「はじめて」という言葉のとおり、HTC J Oneには新しい要素がふんだんに盛り込まれている。本物のアルミを用いたフルメタルボディ、カメラの画素サイズを大きくしてより多くの光を取り込める「Ultra Pixel」、静止画と動画を同時に撮影できる「HTC Zoe™」、内蔵スピーカーでも迫力のあるサウンドを楽しめる「HTC BoomSound™」、ニュースやSNSの情報をホーム画面に集約させた「HTC BlinkFeed」――。いずれもこれまでのスマートフォンの“常識”を見直し、まったく新しい思想で開発したものだ。

 さまざまな面で革新を起こすべく完成したHTC J Oneに込めた想いとは? HTC Corporation グローバル商品企画部門担当 バイスプレジデントの伊藤泰(いとうたい)氏に、デザイン、UI(ユーザーインタフェース)、カメラ、オーディオにまつわる開発思想をひもといていく。今回はHTC J One全体のコンセプトやデザイン、UIに焦点を当てた。

HTC Oneは新たなユーザー体験を提案するスマートフォン


HTCの商品企画を担当する伊藤泰氏

 日本ではHTC J Oneとして投入されるHTC Oneだが、HTC J/HTC J butterflyとはどのような違いがあるのだろうか。「HTC J butterflyは、最新スペックを求める層に加えて、ケータイからスマホへ乗り換える層にアプローチし、より幅広い層をターゲットとしていました。ケータイでよく使うインカメラ機能や、コンテンツを大きく美しい画面で見られる5インチのフルHDディスプレイを訴求しています。一方で、HTC J Oneは、スマホからスマホに乗り替えるような、イノベーターやアーリーアダプターを対象にしています。スマホは使い慣れていて、新しい楽しみ方を求めている層です」と伊藤氏は説明する。「HTC OneはHTCブランドを世界に広め、HTCのDNAをしっかり詰め込んだ新しいスマートフォン」と伊藤氏が話すように、KDDI色の強いHTC J/HTC J butterflyよりも、HTC J Oneの方がHTCの思想がより色濃く反映されている。

 HTC Oneシリーズは2012年初頭に発表され、「HTC One X」「HTC One S」「HTC One V」などのモデルが発売された。その1年後に発表されたHTC Oneは、HTC Oneシリーズの最新作(HTC One Xの後継機)であり、グローバル版での正式名称は「The New HTC One」。まさに生まれ変わった“新しいHTC One”というわけだ。伊藤氏はHTC Oneの特長について「今日望まれる使い方に最適化した、新たなユーザー体験を提案するスマートフォン」と説明する。

HTC J butterflyと比較。ディスプレイサイズの差(0.3インチ)に比例して、HTC J Oneの方が本体サイズは小さい

HTCだから実現できたフルメタルボディ

 HTC J One(HTC One)の新しさの1つは、一目見て、触るだけで感じられる。それが“フルメタルボディ”だ。HTCのスマートフォンといえば、これまでもボディにアルミの削り出しを用いたモデルがあり、他機種とはひと味違う存在感を放っていた。一方で全面に金属を用いるのは難しい、アルミ/プラスチックの切れ目ができてしまう……など、まだ改善の余地があった。HTC J One(HTC One)ではこれらの課題を一気に解消し、ワンランク上のデザインに到達した。まず、アルミを用いながらも厚さは10.5ミリに抑え、握りやすいラウンドフォルムを作り上げた。そして特筆すべきが、背面パネル全体をアルミとしたこと。従来のアルミ/プラスチックが混在していたパネルよりもいっそう高級感が増しており、手にするだけで、思わずニヤッとしてしまう。言葉だけ質感を伝えるのは難しいので、ぜひ一度触ってほしい。

アルミを用いていることはもちろん、持ちやすさに貢献する丸みを帯びたボディも特長だ
背面もフラットな形状だ(写真=左)。側面には、スピン加工を施したボリュームキーがある(写真=右)

 伊藤氏はボディにアルミを採用した意図を「HTCのデザインバリューを最大限に引き出すため」と話す。そのためには、生の素材をそのまま使うのがベストだと考えました」と伊藤氏は話す。

 ボディに金属を使う中で特にこだわったのが、先述のフルメタルボディだ。筐体の一部に金属を使ったスマートフォンはこれまでも見られたが、背面パネル全面に金属を使ったモデルは「世界で初めてだと思う」と伊藤氏が言うほどレアなケースだ。HTC端末にしても、例えば2010年に発売された「HTC Desire HD」は背面パネルにアルミを使いながらも、下部にはプラスチックを用いた。「このプラスチックの部分にアルミを入れるのは、今回が初めて。これが一番大きな成功だと思っています」と伊藤氏は胸を張る。

 一方で懸念されるのが通信との相性だ。スマートフォンにはモバイル通信、無線LAN、Bluetoothなどのさまざまなアンテナが埋め込まれているが、近くに金属があると電波が干渉してしまい、通信に悪影響が出やすい。伊藤氏も「どの周波数帯で、ユーザーがどのようにスマホを握っても、十分なアンテナパフォーマンスを確保することが最も苦労した点でした」と話すが、「HTC独自のアンテナ技術の開発により、グローバルの事業者様の要求を十分に満たすことができた」そうなので、金属ボディでも安心して通信ができる。

 フルメタルボディは現場の開発スタッフだけでなく、HTC CEOのピーター・チョウ氏も相当こだわっていたという。「CEOのピーターは、毎日・毎週のように、直接現場の担当者と詳細にわたってレビューをしてきました」と伊藤氏は振り返る。「一部が樹脂のメタルボディ」と「全面メタルのボディ」では、手にしたときに質感はもちろん、満足感も大きく異なる。HTC J Oneのフルメタルボディは、トップと現場スタッフが一丸となって取り組んだ証と言えるだろう。

提供:HTC Corporation
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia Mobile 編集部/掲載内容有効期限:2013年6月30日

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