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努力しなくてもきれいな写真が撮れる――「UltraPixel」「HTC Zoe™」搭載の狙い「HTC J One」の開発思想を聞く(2)(2/2 ページ)

HTC J Oneのキャッチコピーである「こんなの、はじめて」――。これを体現する機能の1つが、画素サイズを大きくした「UltraPixel」と、新たな撮影、編集、閲覧方法を提案する「HTC Zoe」だ。HTC J Oneのカメラは何が違うのだろうか。

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“生き生きとした瞬間”を残せる「HTC Zoe」

 HTC Zoeは、これまでのスマートフォンにはない新しいカメラ機能で、何も知らない人が触れると「?」と思うかもしれないが、使っていくうちにその面白さに気付くはずだ。

 HTC J Oneのカメラには、「通常」と「Zoe」の2モードが用意されており、それぞれをワンタッチで切り替えられる。通常モードでは静止画と動画を個別に撮影できるが、Zoeモードでは、シャッターボタンを押した1秒前から4秒間20枚の写真と3秒間の動画を撮影できる。Zoeで撮影した動画はギャラリーの「イベント」から再生でき、任意の部分を編集して静止画として保存することも可能だ。つまり3秒の中から好きなシーンを切り取れるので、「瞬きをしてしまった」「顔がブレてしまった」というありがちなミスが防ぎやすくなる。

Zoeモード設定中は、画面下に「Zoe」のマークが表示される(写真=左)。Zoeで撮った写真の編集画面。複数人が写っている写真の中からベストな表情や笑顔にそろえられる「スマイルレタッチ」、邪魔なものを写真上から消せる「オブジェクトの消去」など、便利な編集機能もある(写真=右)

 そしてZoeでは保存した写真の見せ方にもこだわった。Androidスマートフォンでは、撮影した写真を見るための「ギャラリー」アプリがプリセットされているが、このギャラリーアプリにメーカー独自の特徴を加えたケースはあまり見られない。伊藤氏も「スマートフォンのカメラ機能で取り残されているのが、ギャラリーの部分だと思います」と話す。「写真のサムネイルが並んでいる様子はきれいだとは思いますが、画面に触れるまで何も動きません。ギャラリーをもっとインタラクティブにしたいという想いがありました」

 そこで採用したのが、「リビングギャラリー」と呼ばれるフォトビュワーだ。Zoeモードで撮影した動画の一覧をギャラリーから見ると、サムネイル上にも動画として再生される。これは、「ギャラリーが自動的に話しかけてくれる様子」をイメージしたという。

 このリビングギャラリーをもう一歩進めたのが「ビデオハイライト」だ。撮影日ごとにまとめられた写真を、30秒のダイジェストムービーとしてエフェクト+BGM付きで再生してくれる。再生する写真を事前に選ぶ必要もないし、再生するごとに異なる写真が選ばれるのも、飽きなくて面白い。「クラウドで編集して再生してくれるサービスはありますが、ビデオハイライトはそれをローカル(端末側)かつリアルタイムで行います。必ずしもネットワークがつながる環境にいるわけではないし、例えば5秒も待たせると、ユーザーは2度と使ってくれないと思います。瞬間的にできないと意味がありません」(伊藤氏)

 ハイライト動画の狙いは「周りも自分も楽しめること」だと伊藤氏。「サムネイルをスクロールして写真を見るだけではなくて、ストーリーを作ってくれるので、感情が高まります。写真の見方が変わるのではないでしょうか。僕も周りの人に見せていますが、けっこう受けていますよ」

 写真の共有については新たなクラウドサービスを用意した。「Zoe Share」を利用すれば、ビデオハイライトのダイジェストムービーをHTCのサーバにアップロードし、生成されたURLを共有すれば、ほかの機器でも再生できる。このように、Zoeカメラは、撮る、編集する、見る、共有する……といった、スマホカメラに求められるすべての要素で新しい体験を得られる。


通称“リビングギャラリー”と呼ばれるサムネイル。Zoeモードで撮った動画がサムネイル上に再生される(写真=左)。「ビデオハイライト」では、その日に撮った写真がダイジェストで流れる(写真=右上と右下)

 Zoeという名前は、静止画を素早く入れ替えて動いているかのように見せる器具「Zoetrope(ゾエトロープ)」に由来するという。Zoetropeはギリシア語の 「zoe(生命)」「trope(回転)」を組み合わせた言葉で、「生命の輪」や「生きている輪」といった意味がある。「HTC Zoeは、このZoetropeのコンセプトがベースになっています。より“生き生きとした瞬間”を残すことにこだわりました」(伊藤氏)

簡単にプロ並みに撮影・編集できるかが重要

 伊藤氏は、スマートフォンのカメラに最も必要なのは「いかに楽に撮れるか」だと話す。「努力しないできれいに撮影できて、楽しく見られるか。いろいろな設定を最初にする時点でダメだと思います。携帯電話を使いこなしていない人が、プロ並みに撮れて、編集をできるかが、1つのキーだと思います」

 UltraPixelとZoeを実現すべく、HTC J Oneでは、HTCが独自に開発したカメラモジュールを使っている。もちろん、HTC J butterflyでもおなじみの高速起動、動画撮影中の静止画キャプチャ、ワイドで明るいインカメラ(カウントダウン機能付き)は継承している。最大99枚の連写機能は1秒間に8枚を撮れるようになった。HTC J Oneには、HTCが提案するカメラのDNAが凝縮されている。中でもUltraPixelとZoeは、スマホのカメラを使うモチベーションをさらに上げる要素といえるだろう。

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提供:HTC Corporation
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia Mobile 編集部/掲載内容有効期限:2013年6月30日

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