第4回 ケータイ、スマホの2台持ちでどこまで節約できるか:誰でも簡単! LTE対応スマホ初心者の料金節約術(4/4 ページ)
LTEスマホを使いたい、しかしケータイ(フィーチャーフォン)もまだ使いたい……。そんなときに誰もが思い浮かべるのが「2台持ち」です。ちょうどウィルコムが新しい料金プランを発表したばかりなので、今回は通話とネットを2台で使い分けるさまざまなパターンを考えてみましょう。
一方、この想定ではウィルコムの「だれとでも定額」の無料通話の回数が少ないため、30秒あたりの通話料が高く、「だれとでも定額パス」を使っても安くはできません。
では1日60分の通話のうち、同じケータイ会社、他社、固定電話へそれぞれ20分の連続通話をした場合を計算してみましょう。「だれとでも定額パス」はそれぞれ10分を無料とします。これは1台持ちの安い4パターンと、2台持ちの安い2パターン「ウィルコムスマホ+ソフトバンクケータイ」と「ドコモスマホ+ウィルコムだれとでも定額パス」で比べてみました。
項目 | 会社(機種名) | イー・モバイル(STREAM X) | ウィルコム(DIGNO DUAL2) | ドコモ+SMART | ドコモ+050 plus | ウィルコムスマホ+ソフトバンクケータイ | ドコモスマホ+ウィルコムだれとでも定額パス |
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契約プラン | 料金プラン名 | LTE電話プラン(にねん) | ウィルコムプランLite | タイプXiにねん | タイプXiにねん | ウィルコムプランLite+LLプランバリュー+家族割引MAX50など | タイプXiにねん+パス専用プラン |
インターネット接続名 | データ定額5 | ウィルコムプランLite | spモード | spモード | ウィルコムプランLite | spモード | |
パケット定額サービス名 | データ定額5+LTEスマホ割 | ウィルコムプランLite | Xiパケ・ホーダイ ライト | Xiパケ・ホーダイ ライト | ウィルコムプランLite | Xiパケ・ホーダイ ライト | |
割引サービス(無料通話サービス) | 通話定額オプション | だれとでも定額 | Xiカケ・ホーダイ+SMART | Xiカケ・ホーダイ+050plus | なし | だれとでも定額 | |
料金内訳 | 基本使用料 | 980円 | 980円 | 780円 | 780円 | 980円+6720円 | 780円+490円 |
無料通話分(ケータイのみ) | なし | なし | なし | なし | -1万1550円 | なし | |
30秒あたりの通話料 | 18.9円(10分超過後) | 21円(10分超過後) | 8.4円 | 1分16.8円(携帯電話)/3分8.4円(固定電話) | 7.35円 | 21円(10分超過後) | |
インターネット接続料 | なし | 315円 | 315円 | 315円 | 315円 | 315円 | |
パケット定額サービス | 2900円 | 2980円(1980円/6カ月) | 4935円 | 4935円 | 2980円(1980円/6カ月) | 4935円 | |
割引サービス料金 | 1400円 | 980円 | 700円 | 1015円(700+315円) | 0円 | 980円 | |
同社通話料1日20分×30日 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 8820円 | 0円 | |
他社通話料1日20分×30日 | 1万1340円 | 1万2600円 | 1万80円 | 1万80円 | 8820円 | 1万2600円 | |
固定通話料1日20分×30日 | 1万1340円 | 1万2600円 | 1万80円 | 1680円 | 8820円 | 1万2600円 | |
合計 | 30日後の合計料金 | 2万7960円 | 3万455円/2万9455円 | 2万6890円 | 1万8805円 | 2万5905円/2万4905円 | 3万2700円 |
1台持ち、2台持ちともにかなりの接戦です。ただし最も安いのは、ここでも1台持ちでスマホと「050 plus」の組み合わせ。固定電話との通話が安いのが大きいですね。仕事で固定電話宛てに通話することが多いビジネスパーソンには、LTEスマホで「050 plus」を使うというのが、2台持ちより節約できそうです。やはり1台持ちの最安パターンには2台持ちは敵いません。
しかし2台持ちも健闘はしています。とくに「ウィルコムスマホ+ソフトバンクケータイ」の組み合わせは、2番目に安い。通話料が高いスマホを1台持つよりも、スマホと無料通話分があり通話料が安いケータイを2台持ちしたほうが得だと分かります。
「ドコモスマホ+ウィルコムだれとでも定額パス」の組み合わせも、1回の通話を「10分以内に終了」できればさらに安くできるでしょう。2台持ちもうまく使い分ければ、1台持ちより安い場合もあるのです。
仕事で長電話することを想定してまとめると、
- LTEスマホはそのままで長電話をしてはいけない。
- LTEスマホで長電話をするのなら無料通話サービスの「050plus」や「SMART」などを使う。
- 2台持ちしているのなら通話はケータイで行う。
- 短い通話が多い人はウィルコムの「だれとでも定額」やイー・モバイルの「通話定額オプション」を利用する。
となります。
LTEスマホでは何も考えずにたくさん通話をしていると毎月5万円、6万円といった料金になってしまいますが、通話の仕方を工夫すれば、たくさん通話をしても料金を抑えられます。2台持ちの場合は、使い分けも難しくないので、簡単にできる通話料の節約方法と言えそうです。
著者プロフィール:小林誠
釣りと猫を愛する1982年生まれのフリーライター。宮城県出身。神奈川大学卒業後、編集プロダクション「ゴーズ」に入社。携帯電話の記事に携わり後に独立。雑誌、Web媒体でスマートフォン、タブレット、家電周辺の記事を細々と執筆している。ケータイライターを自称しているが「電話が苦手」「人見知りする」というコミュニケーションとは正反対の側にいる人物。30歳で糖尿病と判明し、ダイエットをしてはリバウンドする日々を送る。著書に「初めてでも絶対わかるiCloud&iTunes」(ソフトバンク クリエイティブ、共著)など。
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