NTTドコモの5G、現在17万契約、年間で250万契約を目指す――吉澤社長「今年後半に普及モデル。あとはアップル次第」:石川温のスマホ業界新聞
3月下旬、楽天モバイルを除く各キャリアがスタートした5G通信サービス。新型コロナウイルスに出鼻をくじかれたものの、NTTドコモは比較的順調な推移を見せている。しかし、本格的な普及に向けては「iPhone」の5G対応が非常に重要なキーとなりそうだ。
3月下旬にスタートした5G。コロナの影響によって、出鼻を挫かれた感があるものの、5Gに対する期待値は上がっている。外出自粛要請によって、在宅勤務を経験したことで、通信で人と繋がる重要性が再認識されたのではないか。
NTTドコモとしても5Gへの期待を抱いているようだ。
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この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2020年7月11日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額税別500円)の申し込みはこちらから。
吉澤和弘社長は「リモート型社会へシフトしていく中で、5Gが持っている力を発揮し、社会に貢献できるのではないか。リモートワーク、教育、医療、制御、遠隔運転など、皆さんから要望されている」と語る。
そんな中、5Gスマホの普及といえば、4月末に開催された決算会見では4万台という数字であったが、直近では17万台にまで増えている。NTTドコモでは年間250万台という計画を出している。
吉澤社長は「端末の販売台数やエリア展開は計画よりも上を言っている。今年後半には他社のようにエントリーモデルを出していきたい。あとはアップルがどういう動きになるかわからないが、そこを加味している。後半、伸びてくるのではないか」という。
やはり、毎年9月に登場しているアップル・iPhoneが5Gに対応するかどうかが、鍵となってきそうだ。
NTTドコモの5Gで気になるのが料金プランだ。「5Gギガホ」はデータ容量が100GBという制限があるが、キャンペーンということで無制限となっている。今後も無制限を続けられるのか、いきなりキャンペーンが終わってしまわないか心配なところだ。
吉澤社長によれば「トラフィックなどを注視しているが、現在17万人で、もうちょっとお客さんが増えてくると、利用の傾向が見えてくるのではないか。今のところはゲームやアニメが中心で、5Gならではのコンテンツがあるわけではない。ただ、今まで状況であれば、ネットワーク設備的にはいけるはず。完全無制限も含めて考えていきたい」という。
直近では、コロナによる外出自粛で遠隔授業を余儀なくされた大学生に向けて50GBを付与する施策を展開した。NTTドコモ側の予想に反して、大学生は意外と使いきれていないようだった。
吉澤社長は「映像による遠隔授業となると、1コマ90分で0.7GBぐらい消化する。それで50GBでいけると見積もっていた。しかし、学生さんは真面目なのか、YouTubeなど他では消費しておらず、なかなか使いきれていないようだ」。
現状、4Gがほとんどのネットワークにも関わらず、無制限のプランを提供できていることを考えると、5Gエリアの広がりとともに、しばらくは無制限プランでいけるのかも知れない。
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