ケータイの進化はとどまるところを知らず、今や音楽機能が充実しているだけでなく、動画再生機能を持ち、ワンセグも標準搭載になりつつある。高音質や高画質を実現するための技術がふんだんに盛り込まれたケータイは、ポータブルメディアプレーヤーの代わりになりうるのだろうか。
最近のケータイは音楽機能が充実していて、多くの機種にワンセグが搭載されているって聞いた。今はケータイのほかにもう1台、ポータブルオーディオプレーヤーを持ち歩いているけど、次に買い換えるときは携帯に一本化してみるのもいいかも、と思ってる。ケータイのワンセグや音楽って、ポータブルオーディオプレーヤー並みに臨場感あふれるサウンドで楽しめる?
携帯電話を持っていながら、ポータブルオーディオプレーヤーも一緒に持ち歩いているという人は、おそらく結構な数に上るのではないだろうか。都心部では、電車の中で音楽を聴いている人をよく見かけるが、イヤフォンは手に持っている携帯電話ではなく、ポケットやカバンの中につながっていることの方が多い。
しかし携帯電話の音楽機能は年々強化されており、最近のドコモ端末であれば、その多くがAACファイルやSDオーディオ、着うた、着うたフルの再生に対応している。また、Windows Media Audio(WMA)の再生が可能で、定額料金で好きなだけ楽曲をダウンロードして聴ける「うた・ホーダイ」サービスを利用できる機種もあるなど、幅広い選択肢が提供されている。
さらに905iシリーズでは、全機種がHSDPAに対応したことから、夜間に最長1時間の番組をダウンロードできる「Music & Videoチャネル」が利用でき、動画や音楽番組が月額315円で楽しめる環境まで整っている。またワンセグも標準装備しており、下手なポータブルオーディオプレーヤーよりよほど高機能だ。
そのため、すでにポータブルオーディオプレーヤーを持っているユーザーの中には、“次”の買い換えのタイミングくらいで、携帯で音楽を聴いてみようかな、と考える人もいることだろう。
一方携帯電話の側から見ても、今や音楽機能は欠かせない機能の1つであり、端末メーカー各社は機能強化にしのぎを削っている。高音質化回路を搭載したり、さまざまな効果をソースに合わせて、あるいはユーザーの好みに合わせて設定できる機能を用意するなど、その高機能化には目を見張る。
そんな中で、シャープが新たにSH905iで提案するのが、ドルビーの携帯端末向け音響技術「ドルビーモバイル」だ。“ドルビー”や“D”を2つ組み合わせたドルビーのロゴマーク、“DOLBY DIGITAL”といった表記は、映画館やDVDなどで目にしたり聞いたりしたことがあるだろう。ドルビーの技術は、コンシューマーからプロフェッショナルまでの幅広い範囲で、音を再生する場面や録音するシーンでより美しい音を実現するために使われている。
SH905iが世界で初めて(※1)搭載したドルビーモバイルは、そのドルビーが携帯端末で豊かな臨場感を演出し、美しい音声が楽しめることを目指して開発した技術だ。イヤフォンや端末のスピーカーで音楽やワンセグの音声を楽しむときに、音質を高め、臨場感を演出する。
ドルビーモバイルが採用する技術は、細かく分けると5つある。
この5つの効果を、音楽や映像のジャンルにあわせて最適に組み合わせ、より高音質な音での再生を可能にする。
もう少し細かく説明すると、「サウンド スペースforヘッドホン」は、イヤフォンで聴く音声を、まるで目の前で実際にスピーカーが鳴っているかのような広がりのある音にするもので、長時間の視聴でも疲れにくい自然な音を再現する。「サウンド スペース エクスパンダー」は、距離を離して配置することが難しい携帯電話のような機器のステレオスピーカーでも、コンテンツに含まれるステレオ成分を拡大してワイドなステレオ音場を実現するもの。「ナチュラル ベース」は、単純な低音強調ではなく、スピーカーやイヤフォンの性能を最大限に引き出し、音のゆがみを抑えつつ迫力あるサウンドを出力する。「サウンド・レベルコントローラー」では、アクション映画やクラシックコンサートのような、急激に音量が変化するコンテンツなどで、常に快適な音量を維持する。また「モノラル→ステレオクリエイター」では、昔の映画や2カ国語放送など、音声がモノラルのものでも、音源を分析して広がりのあるステレオ音声を作り出す。
ちなみにドルビーモバイルの効果は、スピーカーでも違いが分かるが、イヤフォンでの聴取を中心に考えてチューニングされているので、イヤフォンを使ったときの方がより臨場感のある音を楽しめる。
SH905iに採用されているドルビーモバイルは、ワンセグはもちろん、ワンセグの録画データを再生する際にも適用可能なほか、WMA(Windows Media Auido)や着うたフルを再生する「ミュージック」やSDオーディオの音楽再生時、Music&Videoチャネルの再生時に利用できる。
ドルビーモバイルの効果はてきめんだ。文字で表現するには限界があるため、可能であれば販売店の店頭などで実際にその効果を体験してほしいが、スポーツ中継などはスタジアムで観戦しているかのような臨場感があり、映画の音声も迫力が増す。音楽再生中はより広がりのある音になり、イヤフォンで聞いていても音の定位がはっきりする。
ドルビーモバイルの設定は、ワンセグ視聴時は、初期設定が「ジャンル連動」になっており、番組のジャンルに合わせて自動で最適なサウンドモードを設定してくれるので、そのまま“ドルビーモバイルの音”が楽しめる。モードは「ノーマル」「ニュース」「スポーツ」「ドラマ」「バラエティ」「ミュージック」「映画」「オリジナル」が用意されているので、好みに合わせてユーザーが自分で設定を選んでもいい。
モード | 効果 |
---|---|
ジャンル連動 | ワンセグ放送のジャンルに合わせて自動で最適なサウンドモードで再生 |
ノーマル | ドルビーモバイルをオフにする |
ニュース | アナウンサーの声に厚みを持たせ、小音量でも聞き取りやすくする |
スポーツ | 解説の声を中央に定位させ、歓声や場内の声に臨場感を持たせる |
ドラマ | 大きな音を抑え、男性の小声のセリフなどを小音量でも聞き取りやすくする |
バラエティ | 司会者や出演者の声を聞き取りやすくし、歓声や場内の声に広がりを持たせる |
ミュージック | 低音レベルを強調し、ボーカルや楽器の音がよく聞こえるように調整。大きい音は穏やかに、弱い音は大きく聞き取りやすい音量にする。さらに音場感を広げ、ワイドで広がりのある音にする |
映画 | 低音を強調するとともに、迫力ある臨場感を持たせる |
オリジナル | サウンドスペース、ナチュラルベース、サウンドレベルコントローラ、モノラル→ステレオのオン/オフを個別に設定 |
音楽再生時の初期設定は、ドルビーモバイルを適用しない「ノーマル」になっているので、適宜音楽の種類に合わせて設定したい。設定は効果を適用しない「ノーマル」のほか、「ロック」「ポップス」「クラシック」「ジャズ」「オリジナル」が用意されている。
モード | 効果 |
---|---|
ノーマル | ドルビーモバイルをオフにする |
ロック | 低音を強調し、迫力を持たせる |
ポップス | 低音をカットし、ボーカルを強調する |
クラシック | 高音を強調して音場を広げ、コンサートホールのような広がりを持たせる |
ジャズ | 高音を強調しつつ音場の広がりを抑え、目の前で聴いているような効果を持たせる |
オリジナル | サウンドスペース、ナチュラルベース、サウンドレベルコントローラ、モノラル→ステレオのオン/オフを個別に設定 |
さすがにここまでの機能を備えたポータブルオーディオプレーヤーはなかなかないのではないだろうか。こと音楽やワンセグを高音質で楽しむという点において、SH905iがポータブルオーディオプレーヤーに勝るとも劣らないのはもちろん、他の端末と比べても非常に魅力的であることは間違いない。そろそろポータブルオーディオプレーヤーを買い換えたいと思っているなら、次の選択肢にSH905iも入れてみてはいかがだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
提供:シャープ株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年12月31日