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» 2007年12月25日 20時00分 公開

進化を続けるモバイルASV液晶:まったく新しい“携帯のための液晶”──シャープ端末の液晶がきれいな理由

シャープ端末の液晶はきれいだとよく言われるが、それにはしっかりとした理由がある。シャープの液晶に対するこだわりと、そこから生まれた“新しい液晶パネル”の秘密に迫る。

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 「シャープの端末は液晶がきれい」

 ドコモ、ソフトバンク、auの各キャリアに端末を供給するシャープ。そのシャープ製端末に共通する特徴の1つとして、多くのユーザーが口にするのが「液晶がきれい」という言葉だ。

 ユーザーが実感する液晶のきれいさとは何か。それは、どんな状況でも見やすいこと、と言い換えることができるだろう。シャープ製端末が搭載する液晶ディスプレイには、これを裏付けるさまざまな技術が搭載されている。

 携帯電話は、就寝前の暗闇の中から直射日光の当たる屋外まで、ありとあらゆる場所で使われることが想定される。シャープでは、“いかなるシーンでもきれいに見えること”を重要視して、さまざまな条件下で最適な表示ができる自社製の液晶パネル「モバイルASV液晶」を採用する。屋内で使用することを前提に、単純に液晶の美しさだけを追求するなら、全透過型液晶を採用することで今よりさらにきれいなディスプレイにすることは可能だという。しかし、いくら屋内できれいに見えても、屋外では見にくいディスプレイでは、携帯電話の使い勝手を考えたとき、ユーザーはけっして「この液晶はきれいだ」とは思わないだろう。

 モバイルASV液晶は、液晶テレビ“AQUOS”などで定評のあるASV(Advanced Super View)液晶に、半透過型のアドバンスト液晶の技術を組み合わせたモバイル機器向けの微反射型ディスプレイだ。開発当初から、屋内での表示だけでなく、屋外での視認性の高さを意識しており、バックライトを利用する透過型液晶の利点と、太陽など明るい光の下でも鮮やかな表示が可能な反射型液晶の利点を組み合わせた。モバイルASV液晶は、暗いところでも明るいところでも、美しく見やすい表示を実現している、まさに携帯電話にぴったりの特性を持つデバイスだ。

携帯の液晶を革新する「リフレクトバリアパネル」

 この見やすくて美しいモバイルASV液晶が、この秋に発表されたNTTドコモの「SH905i」やソフトバンクモバイルの「920SH」といった最新モデルでは、さらに大きな進化を遂げている。「リフレクトバリアパネル」という新しい機構を採用して、モバイルASV液晶の見やすさを極限まで高めたのだ。リフレクトバリアパネルは、「まったく新しい液晶と言っても過言ではない」とシャープの技術陣も胸を張る自信作である。

 リフレクトバリアパネルの特徴を一言で表現すると、“空気層をなくして余分な反射を抑えたパネル”ということになる。従来の液晶ディスプレイでは、液晶パネルの上に、少しすき間を空けてアクリル製の保護板を配していたが、シャープのリフレクトバリアパネルでは、液晶パネルの表面に特殊な溶剤を塗布して、強化ガラス製の保護板を液晶パネルに密着させている。液晶パネルと保護板の間の空気層をなくして光が透過する際の反射や光量ロスを抑え、さらに保護板をアクリルから強化ガラスに変えることで、よりコントラストが高く、鮮やかな表示を実現した。

 百聞は一見にしかず。今回、シャープから特別にモバイルASV液晶の一部に独自の溶剤を流し込んだデモ機を入手したので、写真を見てほしい。表面の保護板が液晶パネルと密着しているリフレクトバリアパネルと、空気層がある従来の液晶との違いは一目瞭然だ。

Photo モバイルASV液晶の一部に独自開発の特殊な溶剤を塗って保護パネルと密着させたデモ用の機材。下部の丸くくりぬいたように見えるのが密着部、少し白っぽく、光を反射しているのが空気層のある部分(写真をクリックすると拡大)

 中央の、穴が空いたように見える円形の部分が密着部分で、その周囲は従来どおりの空気層がある機構となっている。正面から見るとそれほど大きな違いはないが、端末を少し傾け、保護板に外光を写り込ませると、光の反射のしかたが大きく異なる。

PhotoPhoto 左は直射日光が当たった状態のデモ機に写真を表示し、正面から見たところ。反射のない状態では、ほとんど差は出ない。右が端末を少し傾け、空などが写り込んだ状態。リフレクトバリアパネルの部分だけ、外光の反射が大きく抑えられているのが分かる(写真をクリックすると拡大)
PhotoPhoto 左は屋内で写り込みが全くない状態で撮影したデモ機、右は上の写真と同様、屋外で外光を写り込ませた状態の写真。屋外では、暗い色の締まりがよくなる(画面はISO JIS-SCID No.5 自転車。写真をクリックすると拡大)
PhotoPhoto 左が従来の構造を採用しているモバイルASV液晶で、右がリフレクトバリアパネル機構のNewモバイルASV液晶。リフレクトバリアパネルにより反射が抑えられ、NewモバイルASV液晶により、発色や解像感が高くなっている(写真をクリックすると拡大)

 屋外で携帯を使う場合には、ディスプレイに太陽光や空が写り込むことは多々あり、リフレクトバリアパネルによって写り込みの反射が低減されるメリットは大きい。屋内では、液晶ディスプレイより明るい光源は少ないため、明るい画面を表示している状態では、従来の液晶でも十分きれいに見える。しかし影などの黒い部分が多い画面では、黒の深さに大きな違いがあるのが分かるだろう。蛍光灯などによる反射も低減できる。もともと視野角の広いモバイルASV液晶にリフレクトバリアパネル機構を採用することで、あらゆる角度からの視認性がさらに向上する。

美しさの秘密は独自開発の溶剤と強化ガラス

 液晶本来の美しさを、そのままの形で出すことはできないか──。シャープの技術陣がリフレクトバリアパネルを開発した背景には、そんな思いがあった。

 そのために必要だったのが、液晶パネルと保護板の間にある空気層をなくすことだ。液晶パネルや保護板と空気では、光の屈折率が異なるため、光が空気層を通過する際に、液晶パネルや保護板の表面で反射が発生し、光量が減って明るさが落ちたり、外光の反射が大きくなったりしていた。そこでリフレクトバリアパネルでは、空気層の替わりに液晶パネルや保護板と同じ屈折率を持つ特殊な溶剤を開発し、液晶パネルと保護板を、その溶剤を使って密着させた。これによって、液晶から保護板までがほぼ同一の屈折率を持つことになり、無駄な反射を抑えている。

 また、保護板をアクリルよりも光の透過率が高い強化ガラスに変え、発色の良さや明るさを向上。保護板の薄型化と空気層の削減により、ディスプレイユニットの一層の薄型化も実現した。

ImageImage 左が従来の液晶のイメージ図、右がリフレクトバリアパネルのイメージ図。空気層があると、反射光や透過光が液晶パネルの表面や保護板の内側の面で反射され、減衰してしまう。リフレクトバリアパネルでは、液晶パネルと保護板の間に接着層を用意して反射を抑え、光量のロスを防ぐ(画像をクリックすると拡大)

 このリフレクトバリアパネルの利点は、屋外などの外光が強い場所での使い勝手が向上する点にある。日向などでは、携帯のディスプレイを傾けて日が当たる角度を変えてみたり、手で日光を遮って画面を見たりすることもあるかもしれないが、リフレクトバリアパネルならほとんどその必要がないのだ。

 従来離れていた液晶パネルと保護板を密着させるのは、溶剤の開発も含め、技術的に容易なことではなかったという。しかし、携帯電話の利用シーンにマッチした形で液晶の美しさを向上させるために、あえて挑戦した。その結果、コントラストの高い、より美しいディスプレイが生まれた。

1677万色表示に対応した「NewモバイルASV液晶」

 液晶ディスプレイにリフレクトバリアパネル機構を採用すると同時に、液晶パネルが「NewモバイルASV液晶」に変わった点も見逃せない。“New”モバイルASV液晶は、カラー表示が26万色から1677万色になり、より幅広い色域の再現が可能になった。画像や映像を高画質化する「SVエンジン」も、新回路を搭載した「SVエンジン+」へと進化し、赤や緑の色再現性を向上させたほか、より鮮やかでくっきりした映像を実現している。

 SVエンジン+では、映像の画質を細かく調整する機能なども用意しており、ワンセグ視聴時や動画再生時などに、映像の内容に合わせて好みの画質を設定するといったことも可能になった。設定によっては最大コントラスト比が2000:1に上り、より色鮮やかな映像が楽しめる。

 もちろん動画再生時の残像感を抑える高速道が応答技術を搭載していて、スポーツ中継やアクションシーンの多い番組などもスムーズに再生可能。明るさセンサーにより、バックライトの輝度なども同時に制御する機能を搭載しており、バックライトが必要な液晶ならではの、視聴環境に合わせた見やすい画面を表示する。

 またNewモバイルASV液晶は高解像度化にも対応し、16:9のフルワイドVGA(480×854ピクセル)表示が可能なパネルをラインアップしたのも特徴だ。高解像度化によって、ワイドQVGA(240×400ピクセル)のディスプレイと比べ、1つ1つの画素が約4分の1に小型化しているが、反射光と透過光でそれぞれ最適な色再現を実現する6色カラーフィルターを搭載しつつ、従来パネルを上回る開口率を確保。フォントも液晶パネルの特性に合わせて常に最適なデザインのものを採用している。

PhotoPhotoPhotoPhoto フルワイドVGA対応ディスプレイでは、SH平成明朝体のフォントを利用した美しい画面表示も可能だ。左の2つの写真は、従来のワイドQVGAディスプレイとフルワイドVGAディスプレイで、標準サイズのフォント設定でメールを表示した様子。右の2つの写真は、それぞれフォントサイズを最小にしてメールを表示した様子。フルワイドVGAディスプレイでは、十分判読できる文字で細かな表示が可能だ(写真をクリックすると拡大)

 このように、あらゆる面で大幅な進歩を遂げたシャープ製端末の液晶ディスプレイだが、もちろん進化はこれで終わりではない。昨今は有機ELディスプレイを搭載するモバイルデバイスも増えており、自発光タイプの有機ELならではの発色の良さなどをウリにするケースも出てきた。しかし、液晶には液晶の良さがあり、屋外での視認性や技術の成熟度という点では一日の長もある。シャープでは「まだまだ液晶はよくなる」と考えており、これからも“見やすく美しい液晶”の実現に向けて、開発を進めていく。

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