約6.1ミリの薄型化を成し遂げた男たち──「AQUOSケータイ SH905iTV」誕生の裏側“厚い”“遅い”の不満を解消(2/3 ページ)

» 2008年02月14日 10時00分 公開
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ソフトウェアのチューニングでパフォーマンスをさらに改善

Photo ソフトウェアの開発を担当した清水純一氏

 薄型化と合わせて、SH905iTVの課題の1つだったパフォーマンスの向上は、最新プロセッサの採用とソフトウェアのチューニングで改善を図った。

 きせかえツールやマチキャラ、そのほかユーザーインタフェース全般の開発に携わった清水純一氏は、「数十ミリ秒単位の積み重ねで遅延を改善しています」という。

 例えばカメラの起動時間は、SH903iTV比で約20%高速化している。メールの新規作成画面が立ち上がるまでの時間も20%ほど速くなっているという。さらに、データBOX内の画像データを一覧表示する場合などでは、待ち時間を50%以上削減した。

 メニュー画面の動作も、コンテンツ側をチューニングし、SH905i比でも10%以上の高速化を実現。新搭載のマチキャラも、デコード処理などのロジックを最適化したり、プリインストールのマチキャラコンテンツにおいては、データの中に組み込まれている画像を最適化するなど、さまざまな方法でパフォーマンスを追求している。

 「コンテンツは、作り方によって最初に画像を速く表示したりすることも可能です。これまでに蓄積したノウハウを動員して、可能な限りの高速化をしています」(清水氏)

 またSH905iTVでは、他社の端末にはない機能として、マチキャラときせかえツールがセットで変更できる機能を備えているが、これは清水氏の努力のたまものだという。プリインストールされているきせかえツールにはマチキャラをセットで変更できるデータが用意されていないが、シャープのメーカーサイト「SH-MODE」では、「utata-neco(マチキャラ付き版)」が配信されているので、ぜひ入手して試してみてほしい。

PhotoPhoto (C)鳥山明・バードスタジオ/集英社
SH905iTVの出荷時の状態ではマチキャラにドラゴンボールの孫悟空がセットされている。マチキャラはきせかえツールとセットで変更することも可能で、シャープのメーカーサイト「SH-MODE」ではマチキャラ付きのきせかえツールデータ「utata-neco(マチキャラ付き版)」が配信されている

 そのほか細かな操作性の改善ポイントとして、録画したデータの再生中に「30秒スキップ」「10秒バック」ができる便利な機能も搭載されているが、これはソフト開発部からの提案で実装されたものだ。AQUOS HDDレコーダーなどと同様の操作性をAQUOSケータイでも実現するもので、ユーザーの利便性を向上させる機能として搭載された。

“AQUOSケータイの進化”に欠かせなかった3つの要素

Photo 「AQUOSケータイの進化版であるSH905iTVには、携帯電話としての進化、ワンセグ機能の進化、サイクロイドスタイルの進化という3つは欠かせない要素でした」(宮田氏)

 このような薄型化や高速化と同時に、開発陣はSH905iTVに「携帯電話としての進化」「ワンセグ端末としての進化」そして「サイクロイドスタイルの進化」も盛り込んだ。宮田氏は「AQUOSケータイの進化の流れとして、この3点の進化は欠かせないものでした」と話す。

 携帯電話としての進化は、液晶ディスプレイの高精細化によって実現した。もともとディスプレイの美しさには定評があったシャープ製端末だが、SH905iTVではSH905iと同様、NewモバイルASV液晶とリフレクトバリアパネルを採用し、SH903iTVと比べさらに美しい表示が可能になっている。NewモバイルASV液晶は、最大1677万色のフルカラーで、フルワイドVGA(854×480ピクセル)表示に対応。表面を保護するパネルは強化ガラスに変更し、液晶パネルと強化ガラスを密着させ、余分な光の反射をなくしてコントラストを向上させるリフレクトバリアパネルを搭載して、クリアな発色を実現した。さらに高演色バックライトを採用することで、赤や緑、黄色などの色再現性も向上させている。

PhotoPhoto 左が高演色バックライトを採用したSH905iTVのディスプレイ、右が従来のバックライトを搭載するSH905i(左)。赤や黄色、緑色の発色がよりきれいになっているのが分かるだろうか。ディスプレイの中央部のみ円形に保護パネルと液晶パネルを密着させ、リフレクトバリアパネルの効果を分かりやすくしたデモ機(右)。光の反射が少なく、クリアに見える

 ワンセグ端末としての進化は、映像と音にとことんこだわることで達成している。映像は、SV(Super Vivid)エンジン+による高画質化だけでなく、シャープ端末として初めて、ワンセグの番組情報を元に最適な画質を自動設定する機能を装備。例えばスポーツ番組なら、色のメリハリを調整し、野球やサッカーで緑の芝生がきれいに見えるようにし、映画や音楽番組では暗いシーンや独特の雰囲気をきれいに再現できるよう調整してくれる。人の顔をきれいに出したり、エッジを強調したり、激しい動きをスムーズに見せたりといった最適化もシーンに合わせて行う。

 音へのこだわりは、SH905iと同じくドルビーモバイルを搭載することで対応した。ドルビーとの協力は、液晶テレビAQUOSやデジタルオーディオシステムなどでドルビーの技術を採用していたこともあって実現したという。AQUOSケータイを名乗るにふさわしい高画質と高音質を、液晶テレビの開発チームなどとも相談しながら調整した。FMトランスミッターを搭載したのも、開発陣の音へのこだわりの現れだ。ドルビーモバイルによる美しい音を、端末のスピーカーやイヤフォンだけでなく、カーステレオやオーディオコンポのスピーカーで楽しんでもらうため、搭載に踏み切った。

 3つめのサイクロイドスタイルの進化は、ワンセグ視聴時以外のシーンでも横画面を活用できるよう、対応機能や対応コンテンツを増やすことで表現した。

 「サイクロイドスタイルの魅力は、画面を横にしてもキー操作ができる点にあります。しかし、SH903iTVではこの横画面の活用が十分ではなかった。そこでSH905iTVでは、マンガ・ブックリーダーやiアプリ、インターネットムービープレーヤーなどの横表示対応機能を増やしたほか、フルブラウザなども横向きの全画面で利用できるようにして、サイクロイドの魅力をアピールできるようにしました。フルブラウザはTOUCH CRUISERとの組み合わせで、PCのような操作性を実現しています」(宮田氏)

 特にフルブラウザと独自のポインティングデバイス「TOUCH CRUISER」の組み合わせは、今までの携帯電話にはない、独自の使い勝手を実現しており、特筆に値する。横長のディスプレイと横長のTOUCH CRUISERの相性はとてもよく、操作もしやすい。PC並みの操作が可能なSH905iTVのフルブラウザは、PC向けコンテンツの視聴も十分に可能だ。

 またサイクロイドスタイルには、SH903iTVの印象から“大きい”というイメージを持っているユーザーも多いそうだが、宮田氏は「SH905iTVでそのイメージを改善できればと思っています」と期待をにじませた。

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提供:シャープ株式会社
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2008年2月29日