見て、聴いて、触ってそのよさが実感できる──シャープ初のスライドFOMA「SH706i」(2/3 ページ)

» 2008年07月15日 10時00分 公開
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0.25秒で実現した“スライドならでは”の表情

Photo オンリーワン商品企画推進本部 総合デザインセンター ソフトデザイン室 主事の鈴木恭一氏。「スライドの開閉と連動するグラフィックはぜひ見ていただきたい」

 画面のグラフィックやユーザーインタフェース(UI)のデザインを担当したオンリーワン商品企画推進本部 総合デザインセンター ソフトデザイン室 主事の鈴木恭一氏も、「“スライドならではの操作性”は、UIのデザインにも強く影響を及ぼしました」と振り返る。

 SH706iの画面デザインのグランドコンセプトは“光”だという。待受画面なども含め、すべて光をモチーフにしたデザインを採用している。待受画面は、Black、Aqua Green、Pinkのボディカラーに合わせて、同名のパターンが用意されており、それぞれ光の「面」「線」「点」として表現した。また、端末を閉じた状態で画面を横向きに持ち、光TOUCH CRUISERで各種操作が行える横UIも搭載しており、こちらは縦モードとはまた異なる表情を持たせている。

 「今回は、フルワイドVGAという高精細な液晶を搭載しましたので、精細な線で液晶のきれいさを表現しました。若い男性がメインターゲットということもあり、どちらかというとソリッドな、鋭さを持った表情にしています。待受の状態から目を引く、細かい描画力を持った画面を作り、高精細であることが分かるデザインを目指しています」(鈴木氏)

 さらに、スライドの開閉に連動したアニメーションを組み込んだ。使い勝手の面と技術的な条件から、アニメーションを「約0.25秒」で表現することになったが、瞬間的に印象に残る光の表現として考えついたのが、光の筋とあとに少し残るパーティクルの組み合わせで表現したグラフィックだ。

 最初は画面上を線だけがスッと走るグラフィックなども検討したが、液晶に線が走ると、ユーザーが画面にトラブルが起きたのではないかと誤解する可能性もあった。しかし、画面全体に何かを描くのは、容量の制限があって難しい。そこで最初に速い線を描いて、あとに光跡がぱらぱらと残る2つのパーツに分けたらいけるのではないか、と考えたそうだ。

 「ソフトウェアの開発担当からすると、どうしてもピクセル数やコマ数に制限があるため、デザイン部門からの要望を満たすことは最初は無理ではないかとも思っていました。しかしデザイン部門と相談を重ね、なんとか工夫して実装することができました」(梅田氏)

 冒頭で商品企画部の坂口氏が、SH906iと同等の高速なCPUを使って高い描画力を実現したことを紹介したが、梅田氏いわく「SH706iでもいたるところでこのCPUをパワー全開で動かしています」。ユーザーからすると一瞬の何気ない端末の表情だが、そこにも相当の時間と労力が費やされている。

高性能な液晶を際立たせるボディデザイン

 SH706iのボディデザインは、やはりスライド型ということで「高精細な液晶ディスプレイが際立つよう配慮した」とデザインセンターの担当者が話してくれた。

 「やはりドコモ向けとしては初のスライド型である上、3インチのフルワイドVGA液晶を搭載していますから、画面の美しさを形にも表現したいと思いました。特にこだわったのが、側面の造形とディスプレイの周囲に配したテクスチャーです」(デザイン担当者)

 側面は、よく見ると緩やかなS字のカーブを描いている。これは、端末を持ったときの持ちやすさを考え、ダイヤルキー側の下ケースを柔らかいイメージに仕上げる一方、ディスプレイ側の上ケースは逆カーブで上質なクリスタルガラスの印象を持たせるためだ。下ケースの柔らかい形状と上ケースのクリスタルのような形状の組み合わせで、ディスプレイ面を強調している。

 さらに、ディスプレイの周囲にクロスローレット加工のテクスチャーを配置することで、液晶画面そのものを際立たせた。クロスローレット加工は、時計では文字盤や竜頭(りゅうず)などに用いられる高品位かつエレガンスなファッション性を持ったデザインだ。SH706iのディスプレイ面でも、同様のイメージを狙った。

 「クロスローレット加工は、見る角度によって反射が変わるのが特徴です。前面の両サイドは表側に、ディスプレイ面では裏側にこの加工を施して、立体的な表現にしました。またAqua GreenとPinkの十字キーにはUV印刷によって立体感のある小さなドットを表現し、表面のローレットと雰囲気を合わせています」(デザイン担当者)

 一方、機構設計を担当した第2技術部 主事の筒井光敏氏は、このクロスローレット加工に相当頭を悩ませたという。

 「このテクスチャー部分の色は、テクスチャーが美しく見えるよう微妙な色合いになっています。単純にテクスチャー部分に黒を配しただけでは、テクスチャーがまったく見えなくなってしまうんです。テクスチャーを見せながら、ディスプレイ面の色に近い黒を出すのに時間がかかりました」(筒井氏)

 余談だが、メニューなどを表示した際に画面の上下に表示されるグラフィックも、このクロスローレット加工を模したイメージが取り入れられている。鈴木氏が「外観との一体感を持たせるために小技を効かせたところ」として教えてくれたので、ぜひ実機で見てみてほしい。

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提供:シャープ株式会社
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2008年8月20日