3D写真撮影機能が、これまでにない写真体験をさせてくれる点はLYNX 3D SH-03Cの魅力の1つだが、通常のカメラ機能も、国内のハイエンドケータイに引けをとらない高機能なものになっている。有効約960万画素のCCDカメラは、シーン自動認識機能を備え、周囲の環境や被写体に応じて人物や夜景、料理、風景、文字などを自動判別し、最適な設定をしてくれる。構えて撮ればカメラ任せできれいな写真が撮影できるわけだ。本体の右側面には大きめのシャッターキーも用意されており、撮影時に押しやすい。
夜景など全体が暗いシーンや、動きの速い被写体も、しっかりと写真に収められるCCDセンサーはシャープ製端末ならでは。さらにISO12800相当の高感度撮影機能と相まって、さまざまなシーンで明るくブレのない写真が撮影できる。顔検出機能やチェイスフォーカス機能、笑顔フォーカスシャッター、振り向きシャッター、6軸手ブレ補正に被写体ブレ補正など、ハイエンドケータイAQUOS SHOT譲りの機能も搭載。カメラ機能に注力して開発されたケータイからの乗り換えでも十分満足できる実力を備える。
シャープのケータイではお馴染みの名刺リーダーや情報リーダー、テキストリーダーもアプリとして搭載しており、名刺情報を電話帳に登録する際などに活用すればとても快適だ。バーコードリーダーも標準搭載しているので、別途Android Marketからダウンロードする必要はない。
前回のレビューでも紹介したとおり、LYNX 3D SH-03Cは720p(1280×720ピクセル)のハイビジョン(HD)動画も撮影可能で、静止画だけでなく映像も手軽に撮影できる。映像のフレームレートは24fpsで、滑らかな再生が可能だ。製品には試供品として2Gバイトのmicro SDが同梱(端末のmicroSDHCカードスロットに挿入)されているので、メモリ残量を気にせず動画の撮影が楽しめる。
3.8インチの大画面をファインダーにして撮影できるので、撮影に集中していても、写し撮れた映像をしっかり確認できるのがいい。設定の変更も分かりやすいタッチパネル操作で行えるため、初めて使う人でも迷うことはないだろう。
画質はコンパクトデジタルカメラに匹敵すると言っても過言ではなく、写真も映像も高い解像度できれいに撮れる。とっさに子どものかわいいしぐさを映像でとらえたい、あるいは日常的なスナップ写真の撮影に使いたいといった用途には、LYNX 3D SH-03Cだけでも対応できるくらい十分高いクオリティがある。
Android搭載スマートフォンには、映像周りの機能としてYouTubeのプレーヤーが用意されている点が特徴として挙げられる。LYNX 3D SH-03Cにもこのプレーヤーが搭載されており、高画質モードでのYouTube視聴がいつでもどこでも簡単に行える。
それに加えてワンセグも搭載しており、気になるスポーツの試合の中継や移動中のニュースのチェックなどに活用できる。ワンセグ機能はAndroid搭載スマートフォン向けに簡易的なものが用意されているのではなく、録画予約や視聴予約、高画質化機能なども含め、従来のケータイと遜色ない機能を備えているので、ケータイからの機種変更でも違和感なく利用できるのがポイントだ。
一般的なケータイよりも大きな3.8インチディスプレイにワンセグを映すと、かなりの迫力になる。あらかじめ録画しておいた映像を再生することもできるので、朝、自宅で情報番組を録画しておき、移動中に視聴することもできる。
なおAQUOSブルーレイ「BD-HDW700」などの対応Blu-rayディスクレコーダーと組み合わせれば、レコーダー側で録画したデジタル放送の番組データをUSB経由でLYNX 3D SH-03Cに転送し、高画質な映像を持ち出せる。対応機種はドコモのWebサイト(ブルーレイディスクレコーダー連携)で確認可能だ。
この連携機能を利用すると、ワンセグよりも解像度の高い高画質な、滑らかで美しい映像がLYNX 3D SH-03Cで視聴できる。Blu-rayディスクレコーダーで撮りだめた映像を、移動時間や空き時間に効率よく視聴できるので、時間を有効利用にもなるだろう。データの転送は簡単で、パッケージに同梱されるmicroUSBケーブルの試供品を用いてBlu-rayディスクレコーダーとLYNX 3D SH-03Cを接続するだけでいい。
これまで、ケータイからスマートフォンに機種変更する際の1つの障壁となっていたおサイフケータイも、LYNX 3D SH-03Cではしっかりと対応を果たした。おサイフケータイ機能は、よく使うようになると手放せなくなるもの。これでスマートフォンにも心置きなく移行できるというユーザーも多いことだろう。
現状ではまだすべてのおサイフケータイサービスがAndroid用のアプリをリリースしているわけではないので、今日からすぐにAndroidに移行できるわけではない点には注意が必要だが、EdyやiD、モバイルSuicaなど、主要な決済サービスが対応を表明しており、ゆくゆくはAndroid搭載スマートフォンで普通におサイフケータイ機能が利用できるようになる。
現在利用できるのはモバイルWAON、ANA旅達(SKiPサービス対応)、ビックポイント機能付きケータイ、ヨドバシカメラのゴールドポイントカード、インデックス・ホールディングスのTouch Friends、トルカなど。また現状明らかになっている対応状況としては、マクドナルドトクするアプリが2010年12月以降対応予定、Edyが2011年1月対応予定、iDが2011年2月以降対応予定、QUICPayが2011年3月以降対応予定、モバイルSuicaが2011年度上期対応予定などが発表されている。
主要なサービスがそろう2011年前半には、心置きなくおサイフケータイ対応ケータイからおサイフケータイ対応スマートフォンへ、すんなり移行できるようになっていることだろう。
あまり大きく取り上げられることはないものの、赤外線通信機能をサポートした点も実は見逃せないポイントだ。若い世代を中心に、メールアドレスや写真などをケータイ同士で交換する際に、赤外線通信機能はよく利用されている。LYNX 3D SH-03CはIrDAやIrSimple/IrSSといった、ケータイで一般的な赤外線通信に対応しており、ケータイとのデータ交換に困ることがない。
IrSimple/IrSSのような高速データ通信を利用すれば、プリンタなどにデータを送信することも可能なので、BluetoothやWi-Fi(無線LAN)と合わせ、多様な機種・製品とのデータ交換や通信ができる点は魅力といえるだろう。
他社製品とは一線を画す大きな魅力である、シャープ独自の3D液晶と、従来のケータイに搭載されていたおサイフケータイやワンセグ、赤外線通信といった、日本のユーザーが“必須”と感じている機能をAndroid搭載スマートフォンという新しいプラットフォームに融合したLYNX 3D SH-03C。日本のユーザーのために、日本のメーカーが知恵を絞って開発した本機は、世界標準のAndroidプラットフォームを生かしつつ、日本のユーザーに使いやすい端末として、高い支持を集めることは間違いない。
これまでのケータイの使い勝手のよさは極力そのままに、スマートフォンの世界に足を踏み入れることができる端末がほしい――。そんな人には、ぜひLYNX 3D SH-03Cを手にとってもらいたい。
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提供:シャープ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2010年12月28日