次に、カメラ機能について見ていこう。AQUOS CRYSTALは、フレームレスのデザイン性を最重視して開発されたモデルなので、ワンセグやおサイフケータイ、赤外線通信などの日本特有の機能には対応していない。カメラも従来モデルと比べると画素数はやや少なく、800万画素CMOSとなっている。だが、カメラ機能は従来機と比べても大きな遜色はない。代表的な機能をいくつか紹介しよう。
「NightCatch II」は、人物と夜景を一緒に撮る際に便利な機能。人物はフォトライトオン、背景はフォトライトオフで複数枚撮影し、それらを明るく合成することで、通常では難しい人物と背景の両方を明るく撮影できる。
シャッターを押している間、最大999枚の連続撮影が可能な「押しっぱなし連写」にも対応。動いている被写体など、1枚ずつだとうまく撮影しにくいシーンの撮影に適している。早めにシャッターボタンを押しておくことで、貴重なシャッターチャンスを逃さずものにできる。
カメラが苦手な人でも写真を上手に撮影できる「フレーミングアドバイザー」にも対応する。この機能では、撮影シーンに合わせて撮影ガイドやアドバイスを表示する。画面上に表示されるラインに合わせることで、バランスの取れた写真が撮れる。構図が決まらずに迷うことが多い人でも絶妙な構図の写真が気軽に撮れるだろう。
カメラを生かした機能にも対応している。「検索ファインダー」は雑誌などにカメラをかざして気になる言葉をなぞって検索できる機能。画面上に浮遊する検索結果のサムネイルをタップすることで、そのページを参照できる。検索キーワードを入力する手間をかけずに、情報を収集できる実用性に優れた機能だ。
また、海外旅行などに出かけた際に便利なのが「翻訳ファインダー」だ。カメラをかざすだけで、リアルタイムで翻訳してくれる。街の案内板やレストランのメニューなどが読めないときに役立つだろう。
最大の特徴といえるフレームレスを生かしたユニークな機能にも対応する。
今回新たに追加された「Clip Now」(クリップナウ)は、スクリーンショットを簡単に撮影できる独自機能だ。本体上部の縁を左から右、または右から左になぞることで、スクリーンショットを撮影できる。Androidの標準機能として、電源キーとボリュームキー(下)を同時に押しても撮影できるが、この方法よりもスマートだ。
この機能が秀逸なのは、Webページを撮影した場合、そのページのURLも同時に記録される点。通常のスクリーンショットでは、表示している画面を画像として保存するので、URLまでは記録できないので、ブラウザを立ち上げる手間が省けて便利だ。また、マナーモードに設定していれば、撮影時の音が出ないのも気が利いている。
撮影した画像は専用アプリ「Clip Now」で確認できる。フレームレスの画面を生かしたレイアウトで、サムネイルが画面いっぱいに表示されるので、目的の画像を簡単に選べる。ゲームのハイスコア画面をSNSに投稿したり、乗換案内の検索結果を撮影してあとから確認しやすくしたりと、さまざまな活用の仕方が考えられる。なお、Androidの標準機能でスクリーンショットを撮影すると、上部のステータスバーや下部のホームボタンなどの領域も撮影されるが、Clip Nowではこれらはカットされる。不要な部分をトリミングせずに済むので便利だ。
従来モデルから引き続き、「ワンハンドアシスト(画面縮小モード)」にも対応。ワンタッチで全画面をコンパクトスマホ並みのサイズに縮小できる。AQUOS CRYSTALは、5インチの大画面を備えているが、この機能を活用することで、指が届きにくい画面上部のアイコンなども快適に操作できるようになる。また、縮小表示は右寄せ・左寄せのどちらにも対応するので、利き手に合わせて変更できる。
また、アプリの使用履歴やお気に入り、ミニアプリなどに素早くアクセスできる「クイックランチャー」も継承されている。右下のアイコンをタップすると、「履歴」「お気に入り」「ミニアプリ」を選択できるメニューが表示される。一見、地味な機能ではあるが、使い勝手を高める細かい配慮がなされているのもシャープ製スマホならではといえる。
AQUOS CRYSTALは、画面周囲のフレームがほぼないクリスタルディスプレイと、harman/kadon社のハイクオリティな音響技術を備えた先進的なスマートフォンだ。そして、北米市場での本格展開も見込んだチャレンジングなモデルでもある。防水やおサイフケータイなど一部の機能には非対応ではあるが、日本メーカーらしい確かな技術力に裏打ちされた完成度の高さを感じる一台だ。先鋭的なデザインがもたらす斬新な操作感と、洗練された音楽機能の妙味を、ぜひ実際に体験してみてほしい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
提供:シャープ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia Mobile 編集部/掲載内容有効期限:2014年9月28日