総合ナビゲーションアプリの「NAVITIME」がこの春、大きくバージョンアップ。iOS版、Android版ともに、さらに使いやすいアプリにリニューアルを果たした。新しいNAVITIMEはどこが変わったのか? その詳細を徹底リポートしたい。
春は新生活が始まるシーズン。就職・入学での引っ越しはもちろんのこと、さまざまな理由で新しい街や場所に行くことが増えるはずだ。そんな移動をサポートしてくれるのが、今やスマートフォンアプリの定番となった「NAVITIME」である。
スマートフォンの地図アプリというと、iOSやAndroidが標準機能として搭載しているほか、アプリストアをのぞけば多くのナビアプリがラインアップしている。NAVITIMEは、“世界初のクラウド型ナビゲーションサービス”として2001年12月に登場し、その後もこの分野をリードしてきた。とりわけ複数の交通手段を組み合わせた最適なルートが検索できる「トータルナビ」に関しては、他社の追随を許さない高機能・高精度を誇っている。
そのNAVITIMEがこの春、大きくバージョンアップ。iOS版、Android版ともに、さらに使いやすいアプリにリニューアルを果たした。そこで前回の基本機能紹介に続いて、新バージョンの変化と魅力について紹介したい。iOS版の対応はiOS 8以上。Android版の対応は4x系以上となる。
今回のバージョンアップは、1年に一度の大規模なもの。NAVITIMEの開発陣からそう聞いてはいたものの、アプリを起動してもそれほど変わった印象は受けない。初期画面の「トータルナビ」は今までどおり、シンプルかつ直感的で分かりやすいデザインだ。しかしひとたび地図を表示させたら、思わず膝を叩いた。今までの地図をベースに、さらに進化しているのだ。
NAVITIMEの地図はこれまでも2Dの見やすいものだったが、今回のバージョンアップで「3D地図表示」に対応。地図の2D/3D切り替えボタンで表示を切り替えられるようになった。実際の3D地図画面を見てもらえば分かるとおり、建物の特徴をしっかりと表現しつつ、自分の位置や進むべき道路を見失わないように建物の表示角度や透過処理がうまく調整されている。施設名やランドマークアイコン、道路と区画との色分けも配慮が行き届いており、3D地図にありがちな「ごちゃごちゃしていて、かえって見にくい」ということがない。他方で、2Dから3Dになったことで自分が向いている方向や周囲の様子が把握しやすくなった。これなら地図を読むのが苦手な人にも使いやすいだろう。
また、この3D地図によって歩行者ナビゲーションもすこぶる使いやすいものになった。進むべきルートの方角はこれまでの2D地図でもかなり分かりやすく案内されていたが、3Dでは進行方向の建物がどのようなものか・景色がどう変わっていくのかというのが視覚的に把握できるため、「自分が歩いている方向が正しいか」が直感的に理解できる。また地図が斜め上から見下ろしたスカイビューになるので、2D地図に比べて進行方向の先まで見通せるのもメリットだ。
正直にいえば筆者は、これまで3D地図でのナビゲーションには懐疑的であった。確かに見栄えはいいものの、ビル街などでは立体表示された建物が邪魔になってかえってナビでは使いにくい。そう考えていたのだが、今回のNAVITIMEの3D地図には素直に感動した。地図を読むのが苦手な人はもちろん、むしろ3Dより2Dの地図の方が見やすいと思っている人にもぜひ試してもらいたい部分である。
今回のバージョンアップでは、3D地図以外の部分もいろいろと進化している。例えば地図上にリアルタイム降雨情報を重ね合わせて表示する「降雨レーダー」は、この先に控える梅雨の季節や夏のゲリラ豪雨などの時に重宝しそうだ。
屋内地図情報の利便性も向上した。これまでは、検索したルートに屋内移動を含む場合にのみ屋内地図を表示していたが、リニューアル後は、「More」→「駅構内/屋内地図」ボタンから、ルート検索を利用していない時にも屋内地図を一覧で確認できるようになった。地図の回転やクォータービューも可能になり、進行方向や自分の位置がさらに把握しやすくなった。駅構内、地下街、屋内の地図は、全国30エリアに対応している。
地図の部分だけ見ても、新しいNAVITIMEは大きく進化し、使いやすくなったと言っていいだろう。
トータルナビの基本UIも刷新されている。出発地と目的地を入力すると、徒歩、電車、車、バスなど複数の異なる交通機関を網羅的に検索し、最適な移動手段でのルートを提案してくれる。この基本コンセプト自体はこれまで通りだが、その検索結果のルート表示のUIが大きく変わった。具体的には、検索結果を選択した画面に「ルート地図」というボタンがあり、それを押すと出発地から目的地までのルートを地図上で一覧できるようになった。
画面下部のインフォメーションエリアを上にスワイプすると詳細情報が表示され、ルート上で使用する鉄道・バスなどの交通機関を左右にスワイプするとそれぞれの詳細情報が出てくるなど、スマホらしいフリック&スワイプを活用したUIデザインになり、とてもスマートだ。
さらにこのルート地図の確認画面で、「地図の選択」ボタンを押すと、通常地図から渋滞情報地図や降雨レーダーに表示を切り替えることができる。例えば、ルートを検索してから目的地まで「電車を使うか、タクシーを使うか」迷っている時の渋滞確認や、移動開始をする前に「ゲリラ豪雨がないか周辺の降雨情報を確認したい」という時に、地図をパッと切り替えて確認できるのはとても便利だろう。
現在地や目的地の時間ごとの天気・降水量・気温・風向/風速などの情報や、週間天気予報を無料で確認できるようになったのもうれしいポイントだ。
地図と基本UI以外にも、今回のNAVITIMEでは使いやすさに直結する機能進化が施された。
まず、検索キーワード入力での「オートコンプリート機能」への対応だ。これはGoogleなど検索サイトでなじみのあるサジェスト機能に近いもので、検索欄にキーワードを入れていくと、よく検索されるスポット名やカテゴリー名が候補として自動的に表示される。これにより、検索時間が短縮され、出発地や目的地の情報をより早く表示できるようになった。有名なランドマークや大規模商業施設はもちろん、オフィスビルや飲食店名でもかなり正確な候補がでるため、実用性はすこぶる高い。
次にAndroid版「NAVITIME」や「乗換NAVITIME」で好評だった「乗降アラーム」への対応だ。これは乗換駅や降車駅の到着時刻に近づくと、バイブレーションで知らせてくれるというもの。電車の中で読書に夢中になったり、音楽を聴いたりしながらウトウトしたりする……といった人には欠かせない機能になること請け合いである。
最後に、これはバージョンアップした新アプリによるものではないが、NAVITIMEでは2014年から2015年にかけて「トータルナビゲーションの処理速度向上」に取り組み、現在では検索開始から結果表示までの速度が平均2秒程度※になっているという。NAVITIMEは電車の乗り換えだけでなく、バスやタクシーといった自動車交通、そして徒歩ルートの部分まで含めて膨大なルート演算を行っているのだが、その処理速度自体が高速化したのだ。こういった基本的で最も重要な部分でも進化を怠らないことが、NAVITIMEの魅力であり、強みといえるだろう。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia Mobile 編集部/掲載内容有効期限:2015年6月30日