使い道を指定したうえで、好きなタイミングで任意の自治体に寄附できる「ふるさと納税」。今回はiPad mini+独自アプリを入手できる小田原市にスポットを当てたい。小田原といえば小田原城やかまぼこがおなじみだが、他にも知られざる魅力があるのだ。
駅のホームに降り立つと、済んだ空気が迎えてくれた。汗ばむほどの晴天にもかかわらず、頬をなでていくのはひんやりとした爽やかな風。にぎやかな商店街を通り抜けていくと、ショーウィンドウにおいしそうなかまぼこが。新鮮なおしょうゆをちょっとつけたらたまらないだろうな。こんな日は、キリッと冷やしたお酒と一緒にいただきたい!
そんなことを考えながら歩いていると、青空の中に城の天守閣が見えてきた。そう、ここは神奈川県小田原市。見えてきたのは小田原城だ。
「天守閣の階段前で」と指定されてやってきたのである。仕事でもプライベートでも、待ち合わせ場所として天守閣を指定されたのは初めてだ。小田原城は小田原駅から徒歩10分ほどという、徒歩圏内の場所にある。
「なんかさわやかですねぇ」というと「そうなんですよ。都心から1時間くらいなのに、空気が違うって言っていただくことも多いんです」「みなさんに小田原のよさを知っていただけたらうれしいです」
そう語るのは、小田原市役所 企画部 広報広聴課 都市セールス係の飯田英次氏と、勝俣沙耶香氏だ。
小田原城の脇にNHKの中継車が停まっており、大勢の観光客が天守閣に通じる階段に並んでいる。「5月に天守閣がリニューアルされて、中の展示室も全部新しくなったんです。その取材のための中継車ですね」と飯田氏。
と、この時点で、なぜITmedia Mobileでいきなり小田原? と不思議に思われている方も多いはずだ。実は小田原は「ふるさと納税」でさまざまな返礼品を提供しているが、その中に小田原の魅力がつまった都市セールスアプリ「小田原のチカラ」(iPad付き)も含まれているのである。美しい景色とガジェットを愛する本誌読者におすすめしたいふるさと納税の1つというわけ。
ちなみに、小田原市では、移住レポートや、自然・街の写真などを紹介する小田原発信Webマガジン「オダワラボ」というサイトもあるので、チェックしてほしい。
ふるさと納税は、使い道を指定したうえで、好きなタイミングで任意の自治体に寄附できるというもの。税収の減少に悩む自治体に対して、格差を是正するために2008年から導入された制度だ。被災地支援、恩返しなど、個人の意志で寄附できるというメリットがある。
中でも注目されているのが、寄附のお礼にと自治体から届く返礼品だ。全国の自治体がどんな返礼品を用意しているかは、ふるさと納税のポータルサイト「楽天ふるさと納税」を見ると分かる。全国の特産品を専門に扱う通販サイトかと思うくらいの品数で驚いてしまうが、肉、米、果物、魚介類、野菜、お酒と種類も豊富で、PCやタブレットといった電子機器も扱われている。金額次第でこれらがお礼として届く。さらに、楽天ふるさと納税での寄附申込も、通常の買い物と同様にポイント付与の対象になるほか、寄附金の支払いにポイントを使用することもできる。
もう1つ、ふるさと納税が注目される理由が負担金の額だ。所得や家族構成といったある条件のもと、一定額の所得税が還付、住民税が控除という形で戻ってくるのである。個人なら、負担金が2000円で済むケースもあるというのが大きな特徴となっている。この最終的な負担金の額と返礼品とを比べると、とっても得した気分になれることが多い。「応援するつもりで寄附したら、とてもすばらしい返礼品がもらえて、とっても得した気分!」というのが「ふるさと納税」の人気の秘密なのである。
2000円以上の寄附で、住民税の約2割程度が控除されるが、控除の上限金額は年収や所得、家族構成や住宅ローンの有無などで変わってくる。そのため、実際の還付額や控除額は個人で大きく違う。
自分の還付・控除額の上限がどれくらいになるかは、前述の「楽天ふるさと納税」の中でシミュレーションできる。
ちなみに確定申告についてだが、通常、確定申告をしない給与所得者は、1年のうち5件までの寄附なら確定申告が不要になるという「ワンストップ特例制度」が利用できる。寄附時に「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を申請し、寄附先の自治体に送り返すのだ。同じ自治体でも寄附した回数分、都度送付する必要はあるが、確定申告の手間は省けるのでぜひ活用しよう。
話を小田原に戻そう。
「小田原というと、みなさん“お城とかまぼこ”っておっしゃるんですが、もっといろんな特徴があるんですよ」(勝俣氏)
そんな小田原の歴史は、1417年(応永24年)、大森氏が小田原周辺を領地とした頃までさかのぼる。戦国時代は北条5代100年の拠点となり、城下町として栄えた。江戸時代は東海道屈指の宿場町だったという。
「現在の東京の地名のルーツが、実は小田原というところも結構あるんです。徳川が江戸に入るとき、小田原の部下や職人を江戸に連れていったんですね。築地に『小田原町』という旧町名があって、小田原から移り住んだ人が暮らしていたそうです。今も、築地には昔のなごりで『小田原町交番』があるくらいです」(飯田氏)
明治・大正時代には、多くの政財界人や文学者たちの別荘、居住地となり、浪漫主義文学の先駆者である詩人・評論家 北村透谷、福田正夫、牧野信一、尾崎一雄、川崎長太郎などの文学者も小田原に住んだ。北原白秋も小田原をこよなく愛し、生涯生み出した1000編を超える童謡作品のうち、約半数が小田原で生まれたのだそうだ。
小田原を愛する人々が多いのは、やはり居心地がいいからだろう。東京から電車で約1時間、新幹線ならわずか29分という近距離にもかかわらず、相模湾と箱根の山々に囲まれ、海、山、平野がそろった豊かな自然に恵まれている。温泉でおなじみの箱根までは、箱根登山鉄道でわずか15分という距離だ。
そんな環境ゆえに、当然漁業も農業も盛んだ。捕れる魚種は600種以上。「相模湾はちょっと沖に出ると急激に深くなる深湾なんです。そのため深海魚が捕れたりもします。ダイビングに来られる方も多いんです」(飯田氏)。現在メインはアジやサバだが、ノドクロやシラスも捕れるそうだ。そのため地元の店では、捕れた魚を使った新鮮な料理が食べられる。
農業では、みかん、レモン、梅、玉ねぎ、いちごの収穫量が多い。実は梅干しも特産品の1つなのだ。レモンは防カビ剤やワックスを使用していないという、低農薬栽培の国産品という非常に貴重な産物だ。
「市民農園も盛んで、都心から週末だけ農業をしにくる人も大勢いらっしゃいます。着替えだけ持ってくれば、手ぶらで農業ができる環境も整っているんです。やはり都心から気楽に来やすい距離というのがいいみたいですね」(勝俣氏)
「海があって、山があって、高低差がしっかりしてるので、遊べる場所がたくさんあります。みなさん小田原にいらしてリフレッシュして、また都会に戻っていかれるようです。中には、小田原を気に入って、移住される方もいらっしゃいます」(飯田氏)
そんな言葉を裏付けるデータもある。小田原市は、2015年の共働き・子育てしやすい街ランキングでは全国堂々の6位(※1)、第4回日本「住みたい田舎」ベストランキング「首都圏エリア」では5位(※2)に選ばれているのだ。
リニューアルされたばかりという小田原城の天守閣に上がって景色を眺めていると「こんな景色が毎日眺められたら、確かにまた来たくなる気持ちも分かる」と思えるようになった。なんかいいのである。ホッとすると同時に、また頑張ろうと思えるのだ。
小田原市では、そんな美しい風景をもっと多くの人に見てもらいたいと考えている。
「いろいろな小田原の顔を知っていただきたくて、市で小田原ブックという無料冊子を作って配布しています。お越しの際はぜひ手に取っていただきたいです」(勝俣氏)
「ふるさと納税でも都市セールスアプリ『小田原のチカラ』(iPad付き)をご提供しています。小田原に魅力を感じてくださる方に、ぜひ見ていただけたらと思っています。離れていても、見たらきっと明日のチカラになると思います!」(飯田氏)
次回は、そんな「小田原のチカラ」と、ふるさと納税の申し込み方法についてご紹介したいと思う。
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提供:小田原市
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia Mobile 編集部/掲載内容有効期限:2016年7月7日