CCCフロンティアが新ブランド「acroma」を立ち上げ、iPhone 7向けのケースを発売した。acromaのケースは白黒の2色のみで、シリコンとポリカーボネートという2つの素材を組み合わせた。差別化のポイントはどこにあるのだろうか?
雑貨やスマートフォンアクセサリーを企画生産するCCCフロンティアが、主に男性をターゲットにした新しいライフスタイルブランド「acroma(アクロマ)」を立ち上げ、同社が運営するスマホアクセサリー専門店UNiCASEで販売を開始した。
そのacromaブランドの「Texture case」が12月に発売された。Texture caseは、軽さと強さを兼ね備えたポリカーボネートと、しっかりグリップできるシリコンを組み合わせたiPhone 7向けケース。軽くて持ちやすく、光の当たる角度によって印象が変わる立体デザインが好評だ。価格は3000円(税別)。
今回は、acromaのブランドコンセプトから製品のデザインまでトータルに担当している、CCCフロンティアデザインのデザイナー 矢原拓氏に、acromaを立ち上げた経緯や狙い、製品についてのこだわりをうかがった。
CCCフロンティアは、UNiCASEで自社ブランドからコラボレーションモデルまで、さまざまなブランドのスマホケースを取り扱っている。ただ、購入者は比較的女性ユーザーが多く、男性のファンを増やしたいという思いがあったという。
acromaは「無彩色の、彩度のない、白黒の」を意味する「achromatic」がベースになっているが造語だ。acromaのiPhoneケースをブラックとホワイトのみにしたのは「色で見せるよりは、形や用途、使い勝手に注目してもらいたい」という狙いから。男性が好む、機能に裏付けられたシンプルなデザインを意識した。
CCCフロンティアは、UNiCASEで自社ブランドからコラボレーションモデルまで、さまざまなブランドのスマホケースを取り扱っている。ただ、購入者は比較的女性ユーザーが多く、男性のファンを増やしたいという思いがあったという。
acromaでiPhoneケースを企画するに当たり、矢原氏は自身が常々ケースに感じていた不満を解消する工夫を盛り込んだ。
「軽くて丈夫なポリカーボネートで作ったケースは世間にたくさんありますが、机に置いたときにカツンという音が個人的に気になっていました。また、薄くて軽いけれど、手に持ったときに滑りやすい。それをデザインで軽減できないかと考えました」
その解決策が、シリコンとポリカーボネートを融合させることだった。ただ、単純にシリコンの平面なシート貼るだけでは、「クッション性は上がったが、指かかりがいまひとつ」(矢原氏)で、滑りやすさを改善できない。そこで、矢原氏はシリコン部分に凹凸を付けることを決める。
凹凸を付ける場合、ドットなどのパターンはよく見られるが、立体的でデザイン性の高い凹凸を付けられないかといろいろなパターンを作って検証した。その中から生まれたのがTexture caseの「HEXAGON」と「LINE」だ。
HEXAGONの立方体のくぼみは、片手で端末を持ったときに、端末の背面に回った4本の指先がフィットするサイズにして、収まりの良さを狙った。凹凸は方向性がなく縦でも横でも斜めでも滑りにくい。一方のLINEは、持ちやすい線の太さや向きを検証。縦方向のラインで、隆起させることで持ったときに指が引っ掛かるようにしている。どちらもシリコンの存在を感じさせながらも、シンプルで個性を出しすぎないデザインに仕上げた。
また、机に置いたときの音もシリコンが解消する。シリコン部分は0.3mmほど下地のケースより厚いので、机に置いたときはシリコンが当たり、音がしない。カタカタとぐらつくこともなく安定感がある。
シリコンの表面はコーティングされ、汚れや変色を防いでいる。サラサラした触感で心地よく、汚れが付きにくいのもうれしい。また、凹凸デザインは光の当たる角度によって陰影が変わり、模様の見え方が変わって面白い。シリコンのマットな質感と、ポリカーボネートの光沢の対比も個性的だ。
ポリカーボネートのケースも、iPhone 7のスピーカーホールとケースの穴をピッタリ合わせるなど精密に作られている。iPhoneの各種ボタンを押しやすくするため、その部分はケースをカットしているが、これも楽に指が届くように「コンマ数ミリのレベル」で何度も納得するまで調整した。かつ、正面から見たときには額縁が切れずきれいに一周する。iPhone本体のカラーやデザインを損なわない仕上げだ。
矢原氏も「光沢とマットの別素材で、形状から機能性までこだわって作った製品」と胸を張る。
現時点では、Texture caseの模様は紹介した2バターン、ともにブラックとホワイトの2色で、全4製品となる。一番人気はHEXAGONのブラック。iPhone 7のブラックやジェットブラックとの相性の良さで選ぶ人が多いそうだ。また、ホワイトはシンプルなデザインを好む女性にも好評。オンラインショップだけでなく、お店に足を運び、立体デザインの陰影が変化する様子を気に入って購入していく人も多いという。
ブランドコンセプトを大事にし、多色展開は考えていないそうだが、ユーザーの反応をみて、シリコン部分のパターンは増やす予定だ。どんなユニークなパターンが生まれるか、新バージョンにも期待したい。
acromaはライフスタイル全般をカバーするブランドなので、iPhoneケース以外の製品もある。注目は2016年に大ヒットした電子タバコ「iQOS」のケース「iQOS JACKET」だ。価格は3000円(税別)。
実は矢原氏はiQOSユーザー。スマホと同様にiQOSを持ち歩くうち、「iQOSをもっと自分の好きなものにしたいという、スマホと同じような感覚になった」という。当時はiQOSケースがまだどこにもなかったが、「ケースを付けたくなる人は必ずいるはず」と確信して開発を決めた。
acromaブランドなので、iPhoneケースと同じく2色展開のつもりだったが、iQOS自体のカラーバリエがネイビーとホワイトの2色のみ。お店やバーで複数台のiQOSが一緒に置かれ、どれが誰のiQOSか分からなくなることが起こり得ると判断。また、「スマホは個性あるケースで自分らしさを出している。iQOSも同じように個性を出したい」(矢原氏)と考え、多色展開に踏み切った。iQOS JACKETはレッドやピンク、ゴールド、シルバーなども用意する6色展開だ。
iQOS JACKETは3Dスキャンで図面に起こして開発。iQOSをケースに入れたまま充電でき、LEDランプもしっかり見えるように設計されている。iQOSは上部が蓋状になっているが、iQOS JACKETの上下2つのケースのリブを、蓋部分の0.5mmの隙間に差し込むことで、ぴったりと一体化。2度の塗装の上にクリアのコーティングで仕上げた深みのあるカラーもきれいだ。ジャケットは本体全体をぴったりとカバーしているので、iQOSの新カラーが出たと間違える人もいるそうだ。
このiQOS JACKETをアルミの削り出しで作ったバージョンも登場する。素材や製造方法によりこだわった高級ブランドラインの製品だ。6個のアルミパーツを組み立てる構造で、両サイドを挟み込むパーツはサンドブラッシュ、正面はポリッシュで仕上げた。重量感があり、iQOSをガッチリとカバーする。
この高級ブランドからは、スマホケースも登場する予定だ。「今まであまり知られていない金属素材を使って、究極のケースに挑戦したい」と矢原氏は意気込む。春に登場とのことなので、こちらも楽しみにしたいものだ。
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提供:CCCフロンティア株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia Mobile 編集部/掲載内容有効期限:2017年2月16日