ワイヤレスサービスに求める機能は?──米IDC調査

ワイヤレスサービスに求められるのは何か。IDCの調査では,電子メールを利用したマルチメディアデータのやり取りに大きな関心が持たれた。そして位置情報の利用は大きなカギになる可能性がある。

【国内記事】 2001年5月28日更新

 IDCジャパンは5月28日,米IDCのアナリストを招き,ワイヤレスサービス市場における展望と,米国モバイルコマースの現状について「Wireless & Mobile Communicationセミナー」を開催した。

求められるのは電子メール? 位置情報?

 端末で高速なデータ通信ができた場合,ユーザーはどの機能に興味を持つのか? 講演に立った米IDCのWireless & Mobile Communications,シニアアナリストのCharul Vyas氏は,「大きな添付ファイルを付けた電子メールのやり取り,家族や友人に写真やビデオを送ることに大きな関心が見られた」と語る。

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高速なデータ通信ができる端末でユーザーは何がしたいのか? 調査結果であるグラフは,棒が長いほど興味が深い。左から,

  • 別の人の居場所をつきとめる
  • お店を比較する
  • 自分のPCやイントラネット,インターネットから情報を入手する
  • 運転しながらどういった方向に行けばいいのか,情報を入手する
  • 家族や友人に写真やビデオを送る
  • 大きな添付ファイルを付けた電子メールをやり取りする
 ただし,ここでいう“端末”は,携帯電話型とは限らないことには注意が必要だ。この結果には,大きなディスプレイを備えた端末も含んでいる

 ただし,コンシューマー/モバイルプロフェッショナルなどカテゴリーごとに見ると,多少状況が変わる。どのカテゴリーでも共通して興味を抱いているのは,“写真やビデオを送る”こと“運転しながら交通情報を入手する”ことなどだ。

大きく期待がかかる位置情報サービス

 Vyas氏は,モバイルコマースにおいても「全体を突き動かすのは位置情報だ」と語る。「ユーザー側にコントロールを与えるなど,プライバシーの問題には注意する必要がある」(Vyas氏)としながらも,位置情報に寄せる期待は高い。

 IDCの調査でも,「緊急用途」「予約などのコンシェルジェ」「支払い」「電話帳サービス」などの位置情報を利用したサービスについて,4割以上の人が興味があると回答している。

 Vyas氏はモバイルコマース普及のポイントとして,位置情報のほかに,電子サイフとマイクロペイメントを挙げた。マイクロペイメントとは,いわゆる携帯電話を使った小額課金で,デビットカードを端末に内蔵したりキャリアが決済したりする方法が考えられている。

 現在,ほぼゼロに等しい米国のモバイルコマース市場だが,「マイクロペイメントが導入され,キャリアがユーザーのロケーション情報を活用できる2002年以降には着実に伸び始める」とVyas氏は語る。

急拡大する米モバイルコマース市場

 モバイルコマースの市場規模は,2002年には30億ドル程度,2004年には200億ドルを突破するとIDCは予想している。うち60%がコンシューマ向けの市場だ。

 急成長する米モバイルコマース市場。しかし,日本はさらに先をいく。「2005年の段階でも,おそらく日本は米国の2倍の市場規模だろう。日本のキャリアが米国のキャリアの数歩先をいっているのが現状」(Vyas氏)。  実際,IDCの予測でもモバイルコマースの契約者は,2004年の段階で2900万人程度。日本では現在iモードだけで2390万の契約者を持つ(5月末現在)。

 現在でも米国市場ではアナログ携帯電話が残っており,高速度なデータ通信ネットワークを導入する際に足かせとなっているという。カラー画面を備えた携帯電話がほとんど売られていないことも,モバイルコマースの実現にはネックだ。卵が先か鶏が先が,壁紙や着メロなどのコンテンツビジネスが成り立っていないことも理由の1つかもしれない。

 「米国では(壁紙や着メロを)わざわざお金を払ってまで得ようと思う人はいない。実際のモノやサービスがモバイルコマースの中心となる」(Vyas氏)

 NTTドコモが3月に発表したカテゴリー別のiメニューサイトアクセス比率では,着メロや待ち受け画面などのエンターテインメント系でアクセスの73%を占める。取引系やデータベース系はわずか13%に過ぎない。

[斎藤健二,ITmedia]

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