AirH"「ネット25」はどのくらいお得?

25時間分のデータ通信料金を含んで5800円という低価格を実現した「ネット25」は,FOMAやPacketOneに比べるとどのくらいお得なのだろうか?

【国内記事】 2001年5月29日更新

 PHSらしい高速データ通信と低コストを両立させたのがフレックスチェンジ方式の「ネット25」だ。最大32Kbpsのパケット通信と最大64Kbpsの回線交換(PIAFS2.1)を組み合わせ,25時間分のデータ通信料を含んで5800円/月(年間契約1年めで4930円)というリーズナブルな利用料金を実現している。

 DDIポケットでは「NTT電話回線などの有線接続なみの通信コストを目指した」としており,ネット25の3分あたりの料金は11.6円。年間契約の場合,1年めでも3分あたり9.9円となり,まさに有線接続並みの通信コストだ。

 さらにネット25は課金単位時間が短く,有線接続よりもリーズナブルになる可能性も高い。

低コストの秘密はフレックスチェンジにあり

 ネット25がリーズナブルな秘密はまさにフレックスチェンジ方式にある。もともとインターネット接続中に実際にデータが送受信される時間は10〜20%程度とされており,回線交換でのデータ通信ではユーザーはDDIポケットに,DDIポケットはNTTに無通信時間の分までかなり余計に料金を払っていることになる。

 フレックスチェンジではこの余計な部分を切り詰めた。データ送受信量が少ないうちは有線区間はパケット通信とし,DDIポケットは時間あたりのアクセスチャージをNTTに支払わずに済む。データ送受信量が多いときは有線区間が割安になる回線交換に切り換える。

 ユーザーはどの状態でも時間単位で料金を支払うことになるが,その代わり従来の約3分の1の接続料金だ。さらにパケット通信なのか回線交換でのデータ通信なのかを一切関知する必要もない。フレックスチェンジ方式で可能になった有線区間の低コスト化を,従来の3分の1の接続料金という形でユーザーに還元したのがネット25だといえる。

 DDIポケットではパケット通信と回線交換でのデータ通信の切り換えのしきい値を公開していない。これは「既に回線交換のデータ通信で必要な無線区間のスロットが空いていない場合,パケット通信から回線交換でのデータ通信に切換えできないからだ」という。ただこの点は現状の無線区間のトラフィックをみる限り,あまり問題にはならないだろう。

AirH"は果たして安いのか

 AirH"は「つなぎ放題」「ネット25」とも従来のデータ通信プラン比較すれば割安感は強い。しかしAirH"を手放しで安いといえるのはかなりヘビーにデータ通信を行っている層であり,その多くはビジネスユーザーだろう。AIrH"がビジネスユーザーを強く意識していることはDDIポケットも明言している。

 ただしデータ通信料金がぐっと割安になったり,つなぎ放題が可能になればおのずと利用スタイルも変わる。分単位で接続時間を気にする必要も少なくなり,接続,切断を繰り返す必要性も減る。モバイル中はいつもインターネットにつながっている,そういうスタイルが現実になるのだ。

 また「ネット25」ではデータ量課金を採用していない点もメリットの1つだ。cdmaOneやFOMAでは高速なパケット通信サービスが実現されているが,それぞれ料金は0.1円/パケット,0.05円/パケット。これでは動画などを楽しむといった以前に,ホームページを見るにもまだまだ高い。ちょっと画像を含んだホームページを閲覧するだけで数10円かかるのだ。モバイルで1日数回ニュースサイトをチェックする。これだけでも「ネット25」のほうが割安になる可能性は高い。

 「ネット25」を基準に,5800円でどのくらいデータが送受信できるのか考えてみよう。比較対照はFOMAのパケット通信,64Kbps回線交換,cdmaOneのPacketOne64と割引プランとなるPacketPackを利用した場合だ。AirH"以外は通話端末とデータ通信を兼用することとし,基本料金は含んでいない。

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 「ネット25」では64Kbpsで実際にデータが送受信されるのが接続時間の20%,10%の場合も仮定した。図の通り,10%の場合でも,ネット25はほかのデータ通信サービスよりデータ送受信量が多い。

 FOMAの64Kbps回線交換は健闘しているように見えるが,接続中ずっと64Kbpsでデータが受信されていた場合の話だ。また一見低料金に感じるデータ量課金だが,データ伝送量あたりの料金にすると非常に高いのが分かる。もちろんつなぎっぱなしにできるという点はメリットであり,“メールの送受信だけ”と割切って利用するなら最低5800円/月の固定料金が必要となるネット25よりも割安になるだろう。

音声端末には導入されないAirH"

 AirH"は当面専用端末での使用となり,音声通話が可能な端末への導入は現時点では白紙だ。DDIポケットの場合,Eメールの送受信,コンテンツサービスともに時間課金で割高感を感じているユーザーも多く,パケット通信の導入で接続料金の低料金化やデータ量課金への移行を期待していた人はがっかりしているだろう。

 もちろん現行の30秒/10円(メール割引適用で30秒/5円)というEメール送受信料金が必ずしも高いわけではない。32Kbpsというデータ通信速度で複数のメールを一気に10円で送受信することもできるし,文字数の多いメールの送受信もスピーディだ。使い方によってはデータ量課金のiモードやEZweb@mailなどよりリーズナブルになる。

 しかしケータイでのEメールは1通ずつ送受信することが多い。こうなると1回のEメール送受信が最低でも5円となるDDIポケットでは一気に割高感が強くなる。簡単なメッセージのやりとりを5回行うと(送信,受信がそれぞれ5回)DDIポケットでは最低でも50円の料金が発生するが,iモードやEZweb@mail,J-フォンならその半分以下の料金で済む計算だ。

 DDIポケットでは,メール割引適用ユーザーのPメール,ライトメールの送信を無料としているが(元々受信は無料),これはDDIポケットユーザー間に限定される。今やケータイでのメールの主流は相手を選ばないEメールであり,ケータイ全体のシェアを考慮すると焼け石に水といえなくもない。

 もちろん今後Eメール送受信やコンテンツサービスがAirH"ベースになり,接続料金の低料金化やデータ量課金が期待できないわけではない。しかし現時点で未定としている以上,実現は早くて1年以上あとだろう。既に通話やEメール送受信にDDIポケットの端末を利用している人にとっては残念でならないはずだ。

 最大32Kbpsながらつなぎ放題,最大64Kbpsで有線接続並みの料金と,これまでに比較すると革新的ともいえる料金体系を実現したAirH"。記者説明会では「サービスが順調に推移すれば,さらなる利用料金の値下げもありえる」としており,今秋の128Kbpsパケット通信も含め今一番注目のデータ通信サービスである。

[坪山博貴,ITmedia]

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