KDDI,EZwebをオープン化──公式コンテンツ以外にも課金代行KDDIはブラウザフォンのネットワークのオープン化へ一歩を踏み出した。公式コンテンツ以外への料金回収代行から,ポータルサイトの開放,ISPへのネットワーク開放と多岐にわたる。
KDDIは6月14日,au携帯電話のインターネット接続サービス「EZweb」のオープン化に関する概要を発表した。以下の4点がオープン化のポイントとなる。
課金代行の判定は第三者機関がオープン化の1つとして,現在同社が選定した公式コンテンツのみに対して行われている情報料の料金回収代行を,公式コンテンツ以外にも広げていく。実施にあたっては,KDDI用の課金モジュールをコンテンツ提供者のサーバに埋め込み,課金に必要なデータを送受信する。 全ての非公式コンテンツが対象となるわけではなく,公序良俗に反していないことが条件となり,判定は総務省が推進している第三者機関に委ねられる。年内には第三者機関の活動が開始される見込みだ。 開始時期や料金,運用手順などは未定となっている。 ポータルの開放もまた,EZwebのメニュー内に「ポータルサイト」という項目を新たに設置し,その下にポータルサイトの一覧を載せる。2001年秋から実施予定だ。 EZwebでは,自分の好きなポータルのURLを携帯電話に登録することにより,EZwebボタンを長押しするなどの操作で直接ポータルサイトにアクセスできる,ワンクリックアクセス機能を従来から備えている。ちょうどPCのInternet Explorerでいう「ホームページの設定」のようなものだ。 ポータルサイトの一覧を設置し,ワンクリックアクセス機能と併用することで「他社のポータルへ,よりいっそう容易にアクセスすることが可能になる」(KDDI)としている。
ISPへのネットワーク開放現在のEZwebネットワークでは,必ずEZwebのゲートウェイサーバを経由して別のサーバへ接続している。“希望するISPには,EZwebのゲートウェイサーバを通すことなく,直接auネットワークに接続できるようにする”とうのが,今回の主旨だ。 これにより,PC向けのインターネット接続業者がEZweb向けのゲートウェイサービスを行うことも可能になる。ただし課金面,料金面の詳細については公開されていない。ゲートウェイサーバは各ISPが個別に設置するが,接続にかかる費用,接続開始時期は各ISPによって異なる。
オープン化で何が変わる?これまでブラウザフォンへのコンテンツ提供ネットワークでオープン化が叫ばれていたのは,次のような部分だ。
ケータイ向けのコンテンツビジネスを始めたいと思っても,サービスを軌道に乗せるのには大きな壁があった。あるコンテンツプロバイダの話を要約すると以下のようになる。 「コンテンツは用意できるが,ビジネスとして成り立たせるにはキャリアの公式サイトになるしかない。しかし公式コンテンツになりたくても,簡単にはキャリアが認めてくれない。多くのキャリアに交渉したくても,実質数社しか交渉先がない」 今回のKDDIの発表は,上記の課題をほとんどクリアするもので,かなり大胆なオープン化だといえる。ただし,NTTドコモは既に公式コンテンツの採用基準を公開しており(3月22日の記事参照),一部には最初にアクセスするサイトをあらかじめ設定できる端末も存在する。 KDDIはオープン化の意向を示したものの,公式コンテンツ以外への料金回収代行の際の手数料や,ISPへのネットワーク開放についての料金など具体的な部分は未定だ。しかし,他キャリアに先駆けて完全オープン化の姿勢を示したことになる。 [斎藤健二,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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