ドコモ,FOMAを接続するカーナビ計画――2010年で4000万ユーザー

NTTドコモは7月19日,東京ビッグサイトで行われた「Wireless Conference 2001」において講演を行い,携帯と融合したカーナビの姿について語った。

【国内記事】 2001年7月19日更新

 NTTドコモは7月19日,東京ビッグサイトで行われた「Wireless Conference 2001」において講演を行い,今後のITS(Inteligent Transport Systems)において通信事業者としてどう取り組んでいくかについて語った。

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MM企画部ITS事業推進室の黒川勢一室長

 黒川室長は始め,日本のITSにおける開発分野を紹介した上で「その中で通信事業者に適したものがある」と発言。以下のような事業に取り組んでいると語った。

1.ナビゲーションシステムの高度化
2.商用車の効率化
3.歩行者などの支援
4.緊急車両の運行支援

 1はカーナビの地図画面で,ドコモのパケット網を通して目的地を検索,検索したレストランなどにそのままハンズフリーで通話できるというもの。2はタクシーやトラックなどを,位置情報や交通状態などに関して基地局および衛星で管理するサービスだ。3は携帯電話の画面に地図を表示して道案内をするものであり,4は事故を起こした際などに最寄りの110,119番に自動で接続,救援機関にデータを送信するサービスだという。

 これらは現在,iナビリンクなどで実用化されている。

カーナビ市場に注目

 現在,携帯電話加入者数は6330万人。ドコモは8000万人の時点で飽和すると見ている。一方,双方向通信カーナビはどうか。「野村総合研究所の資料を参考に予測したところでは,2010年には4000万人の利用者が見込める」(黒川室長)

 現在カーナビ市場は日本が世界最大であり,年間150万台の勢いで伸びつつある。このカーナビと連動した,iモードカーナビを作るのだという。「ウィークデイは携帯として利用し,ウィークエンドにはカーナビとして使用する端末になる」(黒川室長)。

 既にiモード用として一定の数がそろっているコンテンツを,カーナビにも利用していきたい考えのようだ。車に乗せることで消費電力を気にせずに済む(シガーライターから充電できる)などの利点もあるという。

 ただし問題もある。移動通信端末は1〜2年で機種変更されるのに対し,カーナビは買い換え期間は5年以上。これによりうまく両者が融合できない可能性がある。また,ユーザーが車を乗り降りするたびに取り付け/取り外しするのが面倒になる可能性もある。

 「買い換え期間の違いは課題。取り付けについてはBluetoothやIrDAなどで,無線・光学のインタフェースが望ましい。ドアを開けた,あるいはエンジンをかけたと同時に携帯電話がカーナビに接続するようなシステムに持っていかなければならない」(黒川室長)

 ほかにも,カーナビなどの中にも携帯電話の機能を搭載し,契約者情報を記録したICカードであるUIMなどにより,1つの電話番号で端末を使い分ける方法が考えられるという。

FOMA対応カーナビはゲームも?

 今回実際に開始されているものとしてドコモは紹介したアプリケーションは,カーナビ画面から住所/緯度経度などの位置情報をメール本文に付けて送信するというもの。逆に相手がメールに記載した位置情報をカーナビに落として確認することもできる。

 ほかにも,FOMAをカーナビと融合させて,最新の地図情報のダウンロードに使ったり,カーナビ上で動くゲームのダウンロードに使用したりすることが考えられる。これにより,目的地や途中経過に合せた音楽をダウンロードしたり,後部座席でJava対応のゲームを楽しむことが可能だという。

 なおFOMA対応のカーナビだが,気になる価格はどれくらいだろうか。「10万円以下,できれば5万円台にしたい」(黒川室長)。通信料はIMTにより現行の価格設定より安くなるはずだ。今後登場する“次世代型”カーナビ,あなたははたして買いたいと思っただろうか。

[杉浦正武,ITmedia]

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