自動改札から携帯にコンテンツ配信──オムロン

定期券を改札口に入れると,ユーザーに合わせた情報がメールで携帯電話に。位置と時間と個人情報を組み合わせた情報プッシュサービスが開始される。

【国内記事】 2001年7月25日更新

 オムロンは7月26日,ぴあと提携し,自動改札機を利用して携帯電話にコンテンツを配信するサービス「goopas」(グーパス)の試験運用を9月29日から東急・東横線にて開始すると発表した。

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オムロン製の専用自動改札を定期券で通過すると,登録した携帯電話にメールが配信される

行き先近辺の情報を携帯電話に

 goopasは,定期券で自動改札機を通過した直後に,ユーザープロファイルに基づいて行き先周辺の情報が携帯電話にメールで配信されるサービス。

 定期券を利用するため,朝電車に乗ったときと降りたとき,夜電車に乗ったときと降りたときの1日4回が,情報配信のタイミングとなる。「朝,改札を通るときには“会社の近くでアフター5を楽しめるライブスポット情報”,金曜日の帰りには“週末のお出かけ情報”など」(オムロン)が提供されるという。

 それぞれの定期券に記されているシリアルナンバーを利用して,自動改札を通る際に認証が行われ,ユーザーごとにカスタマイズされた情報が提供される仕組み。ぴあの編集により,提供される情報は,年齢や職業,性別や趣味嗜好によって個人ごとにカスタマイズされて配信される。

 サービスを受けるには,あらかじめ携帯電話やPCからWebサイトにアクセスして登録しておく必要がある。9月上旬より受け付けを開始し,料金は無料だ。

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3年後には会員数100万人を目指す

 今回の試験運用でサービスが提供されるのは,東横線の渋谷から桜木町までの中目黒を除く22駅。会員数は1万人限定だ。本サービスは来年度からの予定で,「3年後には100万人の加入を目指す。東急だけでも100万人程度は(定期券利用者が)いる」とオムロン新規事業推進センタ新規事業開発部主幹である畑野晃一郎氏は自信を見せる。

 goopasのポイントになるのは,自動改札機と,そこから個人を認証してカスタマイズした情報を配信するサーバ。「首都圏ではJRを除く鉄道の自動改札で4〜5割のシェアを(オムロンは)持っている」と畑野氏は言う。今回は東京急行電鉄の協力により運用が行われるが,多くの鉄道会社でサービスを開始するためのシステムのインフラは整ってきている。

 今回の運用で試したい点は3つあると,オムロン新規事業推進センタ新規事業開発部主幹の藤本幸一氏は言う。

 1つ目は,プッシュ配信に対するユーザーの反応も含めた調査だ。あまり配信回数が多くなると嫌がられるのではないか,ということも考慮して1日4回の配信に決定したのだと言う。途中下車ではメールは配信されない。

 ターゲットとする携帯電話はiモードとJ-sky端末だというが,メール受信無料のJ-skyはともかく,配信ごとに受信料のかかるiモードでは,回数の考慮が必要だ。

 2つ目は広告主の需要。今回は資生堂やディーシーカード,日本コカ・コーラや明治製菓,森永製菓,さらに東急関連会社など大手20社が参加企業として名乗りをあげている。しかし,1回の配信についての広告料などは未定でその可能性を探る。

 3つ目はシステムのパフォーマンスだ。ユーザーごとに情報内容や広告が異なっているため「広告のマッチング処理に負荷がかかる可能性がある」(藤本氏)という。朝のラッシュ時に集中してメールが送信されるため,キャリアのメールシステムの負荷も懸念しているという。

[斎藤健二,ITmedia]

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