最小の無線LANカードは?──AIBOカードは出っ張らない無線LANを導入しようと決意したその日から,ずっと小さくて邪魔にならない無線LAN PCカードを探していた。その答えは意外なところに……
ノートPCに挿しても出っ張らない無線LANカードが欲しい! そう思ったことはないだろうか。 各社無線LANカードを発売しているが,その形はどれも似たようなもの。PCカードスロットから数センチほど,アンテナ部分が出っ張っている。「TinkPad s30」のように内蔵されていれば文句なしだが(5月23日),PCカード型でもすっきりと使いたいものだ。 ありました! 5ミリしか出っ張らない無線LANこのPCカード型の無線LANカードは,実はソニーのロボット「AIBO」用に発売されている「AIBOワイヤレスLANカード ERA-201D1」。AIBOに挿入して,無線LAN経由でAIBOを操作するためのものだ(「AIBO Shop」で2万円で販売されている。 ただし,この無線LANカードはあくまで“AIBO専用”であり,PCでは“動作しないこと”になっており当然保証もない。ソニーに問い合わせても,PCでの動作に関しては何ら回答はない。その点には注意してほしい。
PCでAIBO無線LANカードを動かそう本来がAIBO専用の無線LANカードがPCでも動作してしまう理由は,そのチップにある。IEEE802.11b準拠の無線LANカードは多くのメーカーから販売されているが,中で使われているチップはほとんどの場合,米Lucent Technologiesか米Intersilのもの。AIBO無線LANカードもIEEE802.11bに対応しており,米Lucent製のチップを採用している。 無線LANカードはチップが同一なら,ドライバに大きな差異はないようだ。Windows XPの無線LANサポートに関する記事でも,「Lucent製のチップでは動作,Intersil製チップセット採用のカードは現状では標準サポートされていないようだ」とチップごとに分類している。 AIBO無線LANカードでも,Lucentチップを使った無線LANのドライバを利用すれば動作してしまうのだ。 レジストリの書き換えが必要PCでAIBO無線LANカードを動作させるには,いくつかの手順がある。AIBO無線LANカードをPCカードスロットに挿入すると,ウイザードが立ち上がるので,まずはLucentチップを使った無線LANのドライバを選択してインストールしよう。筆者は手持ちの無線LANカードがLucentチップを使っていたので,そのドライバを利用した。 その後,Windows 2000ではレジストリの書き換えが必要になる。「regedit.exe」を立ち上げ,「AIBO」で検索をかけると以下の画面が出てくるはずだ。 ここで「DesiredSSID」の項目を,アクセスポイントで設定した値に書き換える。インストールしたドライバにもよるが,これだけでまずは動作するはずだ。 また,Windows 98/Meではレジストリを書き換えずともコントロールパネルから設定が変更できる。 ここまで読んで方法を理解できなかった方は,残念ながらAIBO無線LANカードを利用することをお勧めしない。ソニーも筆者もインストールに関する質問には返答しかねるので,試されたい方は自己責任で行ってほしい。 いくつかの問題もあるが……AIBO無線LANカードを試すにあたっては,いくつか注意しておくべきポイントがある。 まずパッケージには無線LANの電波強度やSSIDを設定するユーティリティは用意されていない。AIBO無線LANカードは,“AIBOに内蔵させるために小型化を図った”とされている。筆者が利用した限りでは,通常の無線LANカードと受信状況が異なるようには感じなかったが,場合によっては感度が低下する可能性もある。 また,出っ張った部分が垂直に上に伸びているので,ノートPCのPCカードスロットの形状によってはうまく挿さらない可能性もある。筆者の「バイオノートSR」では無事に利用できたが,「ThinkPad X21」ではカード自体が刺さらなかった。「ThinkPad s30」では利用可能だった。 いくつかの問題もあるが,アンテナが飛び出さず,すっきりとした外観で無線LANが利用できるのは魅力的。価格は2万円と通常の無線LANカードに比べると倍程度になってしまうが,それだけの価値はあるように思う。自分のリスクで設定できる方なら,試してみるのはどうだろうか。 [九条誠二,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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