携帯電話にも利用可能? 書き込み速度が高速になったマルチメディアカード

日立製作所は書き込み速度を同社従来品の3倍または6倍に向上したというマルチメディアカードを製品化した。128M/64M/32M/16Mバイト品がラインナップされる。

【国内記事】 2001年9月10日更新

 日立製作所の半導体グループは9月10日,デジタルカメラや携帯音楽プレイヤーなどのフラッシュカード用途向けとして,書き込み速度をより向上した「マルチメディアカード 高速シリーズ」を製品化したと発表した。64M/32M/16Mバイト品を9月11日より,また128Mバイト品を10月1日よりサンプル出荷する。

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 書き込み速度としては,128M/64Mバイト品では2Mバイト/秒,32M/16Mバイト品で1.0Mバイト/秒を実現している。これは同社の従来品の3倍から6倍に当たるという。価格は「従来品とそれほど変わらない」(日立製作所)。マルチメディアカードの標準化団体「MMCA」が今年6月に規格化した仕様「System Specification Version3.1」に対応した業界初の製品だという。

 ちなみに2Mバイト/秒とは,「たとえば300万画素クラスのデジタルカメラで撮影された500Kバイト程度の画像データを,0.25秒でカードに読み込むことができる」(日立製作所)速さだという。

スマートフォンにも応用可能

 マルチメディアカードには,今後どのようなデバイスへの利用が考えられるのだろうか。日立製作所が挙げるのは,デジタルビデオカメラやハンドヘルドPC,それに,音楽ダウンロード機能付き携帯電話やスマートフォンなどだ。SDカードやメモリスティックが挿さる携帯電話はよく聞くが,マルチメディアカードに対応した携帯電話というのも市場にはちゃんと存在する。

 「独Siemensでは,既にマルチメディアカードスロットを搭載した携帯電話を開発している。日本でも,現在日立製作所のSMMC(セキュアマルチメディアカード=著作権保護のためコピー防止機能などを付けたマルチメディアカード)が,DDIポケットが提供する携帯電話による音楽ダウンロードサービス“Sound Market”対応カードとして採用されている」(日立製作所)

 今後次世代携帯電話で通信速度が向上すると,音楽データやアプリなどをダウンロードする機会も増えるだろう。そうした時に,マルチメディアカードなど,なんらかのかたちでのストレージが携帯電話にとって重要な位置を占める可能性はある。

 同社は現状では2Mバイト/秒といった性能は携帯電話には必要ないとしつつも,「将来的に(携帯電話が)大容量化したときにはこれだけの性能がきいてくる」と主張している。ダウンロード機能を搭載した携帯端末が次に求めるものは,それを保存する容器としてのストレージなのかもしれない。

[杉浦正武,ITmedia]

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