携帯のメモリにもインテル──来年は256Mビット

PDAや携帯電話などの高機能化に伴い,需要が急速に拡大しているフラッシュメモリ。インテルは読み出し速度を向上させた多値メモリ「StrataFlash」の新製品を投入する。

【国内記事】 2001年9月26日更新

 国内でのインテルの注力点はモバイル。Pocket PC用のCPUとしてStrongARMプロセッサが主流になってきただけでなく,携帯機器用のメモリにも強力な製品を投入する。

 インテルは9月26日,開発者向け技術フォーラム「インテル・デベロッパ・フォーラム 2001 Fall」にてフラッシュメモリの新製品「3V シンクロナス インテルStrataFlashメモリ」(以下,K3)を発表した。

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携帯のメモリ容量,来年には128Mビット以上に

 インテルのStrataFlashは「いわゆるNOR型の多値技術を使った大容量メモリ」(インテル通信半導体営業本部モバイルデバイス営業推進部長の漆原秀樹氏)。1つのセルの中に通常の倍である2ビット入れることができる。

 今回発表された「K3」は,多値技術を用いた製品の3代目に当たり,0.18μmプロセスで製造される。高速な読み出し速度と,最大256Mビットといった大容量が特徴だ。

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 StrataFlashは,携帯機器を中心としたさまざまな機器に採用されている。既に東芝のPocket PC「GENIOe」や,ソニー製,三菱電機製の携帯電話にも使われているという。上の円グラフは2001年の1月〜12月の割合を示している(一部インテル推定)。「携帯向けは今年からだが,既にこれだけの割合を占めている」(漆原氏)。

 携帯電話での採用が進んだのは,Javaの搭載が始まったことも関係しているようだ。ビット単価が安いNAND型に比べ,速度で勝るといわれているNOR型のフラッシュメモリは,「(StrataFlashは)NOR型なのでプログラムの記憶に適している」(漆原氏)という。

 また携帯電話に搭載されるフラッシュメモリの容量が急激に増大しているのも理由の1つだ。漆原氏によると,昨年は32Mビットが主流だった携帯電話用フラッシュメモリだが,昨年秋には48Mビット,今年の春では64Mビット,夏には96Mビット,2002年には128Mビットとも256Mビットとも言われているという。まさにPocket PCに迫るメモリ容量だ。そんな中「(容量とパフォーマンス)の両方を満たすものとしてStrataが注目された」(漆原氏)という。

速度4倍が特徴

 K3は66MHzシンクロタイプのバースト動作をサポートしており,「一般のフラッシュメモリよりも4倍高速」(漆原氏)なのが特徴。「単にシンクロバーストモードだけでなく,16ワードの取り込みに対応している」(漆原氏)。16ワード取り込み時には読み出し速度は92Mバイト/秒に達し,業界標準フラッシュメモリの4倍に当たる計算だ。

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 またI/O電圧も3Vに加え,今後主流になると見られている1.8Vにも対応している。

 多値メモリとしては初めて0.18μmプロセスが導入されており,64Mビットから256Mビットまでラインナップされる予定。128Mビット品は2002年第2四半期から,256Mビット品は2002年の第4四半期から量産開始される。価格は1万個時で,64Mビット品が1200円,128Mビット品が2400円,256Mビット品が3600円。

[斎藤健二,ITmedia]

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