CASSIOPEIA“ラジェンダ”「BE-500」発売前徹底レビュー

メールはマルチアカウントに対応，フォルダ分類もサポート

　「ラジェンダ」に搭載されるメール機能はマルチアカウントに対応している。アカウントの作成で設定したアカウント情報はそれぞれ，郵便受けマークのアイコンがついて表示される。また受信箱の中でもフォルダを作成して受信するメールをフォルダごとに分類して保存することも可能だ。

　「ラジェンダ」のメールソフトは添付ファイル機能に対応しているが，PocketWordやPocketExcelが搭載されていないため，これらのデータを閲覧するためには「Quick View Plus」という同梱のCD-ROMに入っているソフトをインストールする必要がある。このソフトを入れれば，Microsoft Excel，Word，PowerPointの各ファイルを表示させることが可能になる。

本体設定も簡単操作で

　本体の設定画面を見てみよう。「ラジェンダ」では初心者がつまずきやすい本体設定についても，さほど難しくない操作で行えるようになっている。設定を変更するには起動画面のメニューリストから「設定」を開けばよい。

　まずは，バッテリーをオートオフするための時間の設定などができる「パワーマネジメント」設定だ。この画面で時間を指定すれば，その時間内に操作が行われなかった場合，自動的に電源がオフになる。

　次に「ユーザー辞書」設定だ。ここでは自分がよく使う変換を辞書に登録して管理できるようになっている。

　使っているうちになんとなくタップ位置がずれてきたと感じた場合には「タップ位置補正」で修正し直そう。

　所有者の情報については「オーナー情報」画面に入力しておく。

　「ラジェンダ」では，画面の色合いを簡単に変更できる。「画面デザイン」を開いて，そこからデザインパターンを選択すると，あらかじめ設定された色合いのセットに簡単に変更できる。

PIMも消せる，アプリケーションをカスタマイズして自分だけのラジェンダに

　「ラジェンダ」には大きな特徴として「自由なカスタマイズ」が挙げられる。通常のほかのWindows CE搭載デバイスと異なり，このマシンはOSもアプリケーションもフラッシュROMという部分に書き込まれている。このフラッシュメモリに書き込まれているアプリケーションについては，ユーザーが自由に削除できる。

　つまり自分の好きにアプリを組み合わせて自由なコンセプトのマシンにできるのだ。例えば「メール」「ブラウザ」だけを残したインターネット専用端末にしてもよし，「予定表」「連絡先」「メール」だけにしたメール機能つき手帳にしてもよし，音楽再生と動画再生だけを入れたマルチメディア端末にしてもよし，といった具合である。

　バックアップなど，重要なアプリは削除できないようになっているが，今まで削除できなかったソフトまで消してしまうことができるのはとても便利だ。筆者は「電卓」「ToDo」をあまり使わない。また機種によっては「連絡先」を使わないこともある。これらのものを消してしまい，もっとほかのデータを入れて自分に合った使い方で活用できる。

　消してしまった標準アプリケーションは，本体に同梱されるCD-ROMから再度インストールすることが可能だ。また，PCを持っていなかったりPCと同期させないという場合にはCFメモリカードにバックアップを取っておけば復旧させられる。一度何もしない状態でバックアップをとっておいて，緊急時のリストア用カードとして保存しておいてもいいだろう。

楽しさを感じさせるPDA初心者向け入門機，あとは対応アプリケーションの登場待ちか

　まだ評価版ということで，動画再生や音楽再生の機能，ブラウザソフトについては触れずにレビューした「ラジェンダ」。しかし，これらの機能を省いて見ても，「軽い」「簡単」「快適な操作性」という3拍子が揃ったマシンであることは間違いない。

　「ラジェンダ」は，発売価格が3万4800円前後と，ほかのカラーモデルのPDAと比べて低価格でありながら，機能面は充実したマシンであるといえる。マルチメディア機能の完成度については追ってレビューする予定だが，電子手帳+αのデバイスに関心のあるPDA初心者にはお勧めだ。また，今までほかのデバイスを使ってきたが，あまり複雑な機能は必要なく「機能を限定して持ち歩きたい」と感じているユーザーにも合っている。

　製品版のレビューでは，本体のインターネット，マルチメディア機能に加えて周辺機器なども含めたレポートを行う予定だ。

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[小田嶋絵里，ITmedia]

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