ドコモ,迷惑メールに新対策──宛先不明メールのブロックもiモード宛の迷惑メールは上昇の一途だ。iモードセンターに届くメールは1日に約9.5億通。うちユーザーに届くメールは1.5億通に過ぎない。約8億通におよぶ“宛て先不明メール”が遅延などを引き起こしている。
NTTドコモは11月6日,複数項目にわたる迷惑メールへの新たな対策を発表した。その中には「大量の宛先不明メールをiモードセンターでブロックする」という項目も含まれ,総務省に約款変更の申請を行った。
主な対策の内容と時期は以下の通り。
1日8億通におよぶ,大量の宛先不明メールをブロック今回行われる迷惑メール対策として大きな効果が期待されるのが,iモードセンターでの受信ブロックだ。 ドコモはメールの内容を閲覧できないため,迷惑メールかどうかの判断は難しい。しかし「(これまでの受信メール対策の)結果として分かったのは,宛先不明のメールが多いこと。1日,8億通にもおよぶ宛て先不明メールが(送信され)ネットワークに影響を与えている」(ドコモの立川敬二社長)。 同報送信で多くのユーザーに一斉に送られ,不明の宛先が多く含まれているメールを“迷惑メール”と見て,これをサーバでブロックしようというのが狙いだ。 先週,横浜地裁が下した仮処分命令から(10月30日の記事参照),同社では大量の宛先不明メールを送信するのは「正当な通信ではないという司法判断もいただけた」(総務部法務室長の平野晋氏)と判断,宛先不明メールを大量に含む同報メールを一括で受信ブロックするために必要な約款変更の申請を総務省に行った。 時期は「できたら今月いっぱいくらいに(総務省に)OKをもらってブロックを開始したい」(iモード事業本部長の榎啓一氏)。
実在しない宛て先がどれくらいあれば“著しい”のかは,迷惑メール送信業者への抜け道を塞ぐ意味からも明らかにされなかったが,「会社の同僚に同報メールする場合のように,20件のうち2件が宛先不明,というような場合は問題ない。メールマガジンの送付などでも問題ない値にしている」(榎本部長)。 指定ドメイン受信機能も追加また,これまで「インターネットからのメールの一括拒否」だけだった拒否・受信設定を,2002年1月からドメインも指定できるようにする。 ユーザーは拒否したい,または受信したいドメインを指定することで,「会社からのメールだけ受けたい,というユーザーは会社のドメインを指定することで,(迷惑メールを)避けられる」(榎本部長)ようになる。
2003年春にはメールの選択受信機能もさらに現状,メールの着信とともに本文まですべてがダウンロードされてしまうのに対して,FOMAで採用されているような選択受信の機能を2002年度中に追加する予定だ。 ユーザーはメールのタイトルや送信者を見て,必要なメールのみを受信できるようになる。ただしこの場合の受信料に関する詳細は検討中だという。 ただし,メールの選択受信は簡単に実現できるものではなく,「サーバ,および端末機の大改造になる。今,着手したところで,iモードサーバのオープン化と同じ時期に開始したい」と榎本部長は言う。2003年の春頃に出る端末にその仕様を盛り込み,その後は標準的な機能にしていく考えだ。
迷惑メールは根絶できるか?一連の迷惑メール騒動で,300億円程度の損失を被ったとドコモは試算している。選択受信機能も含めた迷惑メール対策にはトータルで10億円程度の費用がかかる見込みだ。 ドコモでは,今回の対策で迷惑メールがどの程度減少するかは試算していないが,「かなり効果があるだろう」(榎本部長)と推測している。 立川社長は「今後,(総務省と)法的規制も話していきたい。(横浜地裁の)仮処分判決にもとづいて,有線系の方とも対応を話していきたい」と語っている。 [斎藤健二,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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