「hp jornada 568」ファーストインプレッション(4/4)

 バックアップ電池を搭載したjornada 568であっても,やはり日ごろからのデータのバックアップは大切なことである。そんなバックアップを簡単にサポートしてくれるのが「hpバックアップ」だ。

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起動するとバックアップに必要な情報が一括で表示される

 どのデータをバックアップする必要があるのか,それに必要なメモリ容量はどれくらいなのかといった情報が一画面で表示されている。また復元についても,データだけを復元するのか,完全復元を行うのかなどの項目から選択可能で,バックアップツールとしての完成度,使いやすさは秀逸だ。

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データだけを復元する場合にはデータベースのみ復元を選択すれば時間もかからない

 また今回は試せなかったが,別売のオプションである「Pocket camera」をCFスロットに差し込んだときに起動する「hpポケットカメラ」というツールも付属する。画像の撮影や音声コメントを録音して記録したり,スライドショー表示にも対応。またこれで撮影した画像はメールに添付してその場から送信することも可能だ。

 これらの内蔵されるhpオリジナルアプリケーションとは別に,CD-ROMで添付されるアプリケーションも用意されている (11月12日の記事参照) 。買ってすぐに使えるアプリが付いてくることも,Pocket PCの初心者ユーザーには心強い。

PDAに求められる機能を追求したマシン

 これから発売されるデバイスも含めて,最近は本体にカードスロットが搭載されるマシンが増えてきた。Pocket PCでは,CFカードスロットとSD/MMCスロットの「デュアルスロット」搭載は日本製デバイスの場合,かなり標準的になってきた。しかし,本体にスロットが搭載されるのは便利な半面,本体サイズが大きくなってしまったり,バッテリーの持ちが悪くなってしまう結果につながりかねない。

 そんな事情にもかかわらず,なぜデュアルスロットを採用するのかといえば,「CFカード型PHSカード」が普及しているからだ。これを使えば簡単にワイヤレスによる手のひらサイズのインターネット接続マシンができあがる。しかし,このような通信カードが普及しているのは日本くらい。jornada 568のCF TypeI採用は,このような事情があるのだろう。

 この部分で「手のひらモバイラー」に評価されなかったとしても,別の部分では評価の高いデバイスだと筆者は感じている。

 評価ポイントの第一は,バッテリーを交換可能にしたことである。カシオ計算機製デバイスは,交換できるバッテリーを昔から採用していた。またザウルスもバッテリーは交換可能である。Pocket PCは液晶輝度を上げたり,通信に利用しているとあっというまにバッテリーが尽きてしまう。

 一度バッテリーが切れたPDAは「ただの荷物」になってしまう。ビジネスシーンでいきなりバッテリー切れではお話にならない。交換が可能であること,長時間バッテリーがオプションで発売されること,そして元々バッテリー寿命が非常に長いことは,PDAが根本的に必要とする機能だったのではないかと感じるのだ。

 Palm OSを搭載したマシンに人気が集まった理由も,実はこの「バッテリー寿命」という部分が大きかった。Pocket PCの場合,バッテリーの改善でまかなえないのなら,jornada 568のように交換可能にしたり,バックアップ電池でデータを保護したり,本体のカードスロットを減らしてもバッテリーの持ちを優先するということも大切なのではと思うのだ。

 どのCFカード型PHSカードでも通信できるというのは便利な上,選択肢も広がる。しかし,バッテリーの持ちという基本的な機能の改善を図って登場するマシンについては高く評価したいところ。jornada 568がCF TypeIスロットであるということだけで評価しないユーザーもいるかもしれないが,それを補う魅力を持つこのマシンに惹かれるユーザーも多いだろう。最軽量で豊富なメモリを内蔵,バッテリーの持ちもよく,つなぎ放題のAirH" card petit (TDK製のRH2000P) が使える。これで十分なユーザーにはお勧めだ。

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[小田嶋絵里,ITmedia]

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