Javaアプリはどうやって公開する?──スパイシー・ベクターインタビュー

J-フォンのJava仕様が公開され,一般の開発者が作成したソフトも来年1月のパケット対応端末では動作させられるようになる。一般のJavaアプリ公開大きな役割を果たす,「コンテンツ・アグリゲータ」の1社,スパイシー・ベクターに話を聞いた。

【国内記事】 2001年11月28日更新

 来年1月に登場するパケット対応端末から,一般に作成されたJavaアプリにも対応するJ-フォン。端末内の情報にもアクセスできるなど,豊富な機能を備えているだけに,悪意のあるアプリが出回らぬよう,公開にあたっては「コンテンツ・アグリゲータ」と呼ばれる第3者のチェック機関が用意される。

 当初,Javaアプリの収集,審査,管理を行うコンテンツ・アグリゲータは2社。そのうちの1社,スパイシー・ベクターの山田元康社長に,一般Javaアプリについて聞いた。

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スパイシー・ベクターの山田元康社長(左)と,スパイシー・ベクターの小原聖誉取締役(右)

ZDNet:Javaアプリの公開により,ユーザーはどんなメリットを受けるのでしょう?

山田社長:J-フォンのJavaアプリでは,ネットワークも自由につなげ,位置情報も取得できます。位置情報が取得できれば,今いる位置に応じて地図を表示したりすることも可能です。(さまざまな制限のある)iアプリとは異なり,Javaアプリでは善意の人であればいいアプリをみんなに提供できます。

ZDNet:スパイシー・ベクターは,作者の管理からチェック,ダウンロードサイトの運営まで行うわけですが,かなりの負荷になりますよね。作者の方は登録から公開までどのくらいの日数がかかるのでしょうか?

山田社長:開発者には,オープン作者とオフィシャル作者の2つの区分が用意されます。オープン作者は,登録して次の日からもう開発を開始できます。オフィシャル作者は,契約書や身分証明書や住所確認といった審査が入ります。

 ですので,まずとっかかりはオープン作者として開発していただいて,本当にいいアプリを作りたいとなったら契約してオフィシャル作者になっていただきたい。

 契約といっても,基本的には身分認証を取るのが目的なので,囲い込みたいとか最終的に会員からお金を取りたいということではありません。

ZDNet:オープン作者とオフィシャル作者で,作成できるJavaアプリの機能に違いはあるのですか?

山田社長:違います。オフィシャル作者はネットワーク機能,位置情報の取得,着信履歴の取得,メールの着信履歴の取得などがJavaアプリから可能です。ただし,これらの機能を組み合わせて使うことはできせん。

 これらの機能を組み合わせは,J-フォンの公式プロバイダでないと使えません。個人情報の漏洩を防ぐためにこの区分を設けているわけです。

ZDNet:では機能の違いとしては,J-フォンの公式サイトのプロバイダ,一般のオフィシャル作者,オープン作者の3種類になるんですね。オープン作者の場合は,どこまで機能を利用できるのですか?

山田社長:オープン作者の場合,(上記のような端末内のデータを利用する機能以外の)3Dポリゴンなどの機能を自由に使えます。

ZDNet:身分認証後にも,作成されたアプリケーションがバグなどによって意図しない動作をするかどうか,確認する作業があるわけですが。

山田社長:アプリケーションの確認は,専用のツールを使って短期間で完了します。禁止されている組み合わせを使っていないか,禁止されているAPIを使っていないかが自動的にチェックされるわけです。作者は確認用にソースを提出する必要はなく,JARファイルと呼ばれるパッケージされたファイルで確認は可能です。

ZDNet:オープン作者やオフィシャル作者の登録料金はどうなるのでしょうか?

山田社長:オフィシャル作者の場合,事務手数料を若干いただく予定です。具体的には数千円,2000円から5000の間になる予定です。オープン作者は登録料無料を考えています。

 実際の登録は12月中に始める予定です。

ZDNet:最後に,どのくらいの一般Javaアプリの登録を見込んでいますか?

山田社長:年間で2000本程度を見込んでいます。

[聞き手,斎藤健二,ITmedia]

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