Java搭載携帯でFlashを再生しよう!──KLab,「K-tai Flash」携帯のディスプレイでFlashが再生できたら……。そんな夢を実現するJavaアプリケーションが開発された。
インターネットのWebでは,MacromediaのFlashが花盛り。NTTドコモやJ-フォン,ソニーのホームページにFlashが多用されているのは,読者の皆さんもよくご存知だろう。Macromediaによると,Flashの再生プレーヤーの普及率は全オンラインユーザーの97.4%に達しているという。 そんなWebのスタンダードであるFlashコンテンツを,携帯で再生するアプリケーションが開発された。マクロメディアとの共同マーケティングによりケイ・ラボラトリーが開発した「K-tai Flash」は,携帯でFlashコンテンツを扱うソフトウェアだ。 Java版とARMネイティブ版を用意K-tai Flashに含まれるのは,携帯のJava上で動作する「Flash対応 K-tai Player Java版」と,携帯のハードに組み込んで使う「Flash対応 K-tai Player Native版」。Java版はiアプリであるDoJa版と,MIDP版が開発済みだと,ケイ・ラボラトリーのRomain Piquois研究員は説明する。 「2Dスプライトや3Dポリゴンの機能を持っているJ-フォンのJava向けにも実装を進める」(Piquois研究員) iアプリ版のK-tai Playerでは,プレーヤーのエンジン部分はわずか6Kバイト。データ部を組み込んでも,iアプリのサイズ制限である10Kバイトに十分収まる。 再生品質はフレームレートにして秒間2〜5フレーム。少々ゆっくりしているが,十分アニメーションとして鑑賞できる出来映えだ。 もう1つのK-tai Player Native版は,C言語で書かれたARM7のネイティブアプリケーション。携帯電話のベースバンドチップのコアに多く採用されているARM7向けに作ることで,端末ハードウェアへの組み込みを狙っている。 こちらはROM 35Kバイト,RAM 80Kバイトとある程度の容量を必要とするが,「1フレーム50〜53ポリゴンのコンテンツを再生できる。フレームレートも秒間6〜15フレームを実現する」(Piquois研究員)といい,Java版に比べてパワフルだ。
Flashコンテンツを変換K-tai Playerでは,もちろんPC用のFlashファイルを直接再生できるわけではない。Piquois研究員は「専用のツールで変換して,データのチューニングを行う」と説明する。 実際のところは「既存のPC向けFlashコンテンツを流用できるというより,携帯向けに作ることになるだろう」(Piquois研究員) Java版のプレーヤーは,PCのFlash Playerが持っている機能をすべて実現しているわけではない。「(Flashコンテンツの)すべてのベクタの動きは変換できる。ただしアクションスクリプトはまだこれから」(Piquois研究員)。 アクションスクリプトに関しては,サブセットのような形で実装できるようマクロメディアと協議しているもよう。MIDIファイルの再生や携帯のバイブレータを利用できるバージョンについても,「来年の第1四半期にはリリースしたい」と言う。 Native版では,アンチエイリアス処理や半透明,シェーディングもサポートする。また音との同期も実装する予定だ。 「一般ユーザー向けはあまり考えていない」ケイ・ラボラトリーは携帯電話向けFlashコンテンツ配信の実用化を目指し,まずは12月1日から,コンテンツプロバイダーにJava版のK-tai Playerを提供する。 「ネットワーク上からコンテンツをダウンロードして再生することも可能」(Piquois研究員)だが,当初はプレーヤーにコンテンツを組み込んだ形で,コンテンツごとにケイ・ラボラトリーがJavaアプリケーションを作成する。 Native版は,端末メーカーや通信キャリアと交渉中。端末にK-tai Playerが組み込まれれば,ユーザーはFlashコンテンツをあたかもGIF画像であるかのように表示させることができるようになる。 オーサリング環境がFlashだということもあり,一般の製作者がコンテンツを作成する場合にも魅力的だが,それはまだ先のことになりそうだ。「一般ユーザー向けはあまり考えていない。当面は,コンテンツプロバイダと端末メーカーが提供先になるだろう」(Piquois研究員) 現在,携帯で表示できる画像の種類はGIFやPNGなどが中心。簡易的なアニメーションならGIFアニメを利用して表示できる機種もあるが,制限も多く,ファイル容量も小さいとはいえない(NTTドコモiモードのページ参照)。 「K-tai Playerを使えば,GIFの代わりにFlashを使えるようになる」と,Piquois研究員は将来展望を語る。ベクタデータを活用できるFlashでは,コンテンツの作り方次第でファイルサイズも小さくなり,インタラクティブな動作も可能。将来的には音との同期もできるだろう。 Java版を提供することで,1000万台を数えるJava対応端末すべてで利用できるほか,もし端末に組み込まれればかなりの高速化も期待できる。オリジナルフォーマットとは違い,PCのWebで実績あるFlashだけに,コンテンツの製作者にも困らなそうだ。 [斎藤健二,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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