総務省の統計によると、5月末時点の日本のブロードバンドは1000万加入の大台をついに突破。3年ほど前までは、ISDN回線を利用した64Kbpsの常時接続(現在のフレッツ・ISDN)の登場に沸き立っていたことを思うと、隔世の感がある。
そのブロードバンド普及の立役者となったのがADSLだ。今回の調査でも、全回答者に占めるユーザーの割合が72.6%と高ポイントをマーク(図1)。昨年10月に実施した前回の調査と比べて10.7ポイント上昇している。これは、各社が実施した加入キャンペーンによるところが大きい。昨年の秋以降、Yahoo! BBが実施した街頭でのモデム配布を皮切りに、競合他社も無料キャンペーンを繰り広げた結果であろう。
利用者の割合が増加したのはADSLだけではない。CATVインターネット(以下CATV)も、約2ポイント上昇と、派手さはないが着実に利用者を増やしている。そして、注目すべきは光ファイバーだ。今回の調査では全ユーザーの5.3%と、前回と比較して倍以上に伸びている。NTT東西のBフレッツなどの提供エリアが拡大されたことが主な要因だろう。また、このアンケートを実施した4月以降に、各事業者が割引キャンペーンを続々と実施していることから、今後も光ファイバー利用者の割合はますます増えるものと思われる。
一方、前回25.2%だったナローバンドは、今回9.6%とついに1割を割り込み、増加した各ブロードバンドのあおりを受けた形だ。
図1 現在利用している回線の種類は何ですか? 今回の調査ではADSLが7割を超え、前回よりも10ポイント以上上昇。光ファイバーは前回の倍に。一方、ナローバンドは1割以下に激減
●参考:前回調査時*2002年10月2〜15日に実施