News 2000年7月3日  6:45 PM 更新

アクセスなど4社,情報家電向けASP新会社を設立

 ACCESS,ジャストシステム,プラザクリエイト,メッツの4社は7月3日,非PC向けのAPS事業を行う新会社(名称未定)を合弁で設立すると発表した。資本金は1億円で,出資比率は,ACCESSが60.1%,残り3社が各13.3%。新会社は7月下旬に設立され,2001年3月よりサービスを開始する予定。ACCESSは,携帯電話や情報家電向けの組み込みブラウザ「NetFront」シリーズで国内トップのシェアを持つ会社。3社とは既に提携関係にあるが,合弁会社を設立することにより,NetFrontベースのASP事業の普及促進を図る。

 新会社では,ポータルサイトを立ち上げ,情報家電や携帯電話などの非PC機器を対象に,アプリケーションのワンストップサービスを行う。NetFrontを実装したデバイスから,ジャストシステムやメッツが提供するアプリケーションが利用可能になるという。なお,NetFront搭載製品は現在,ゲーム機やパームサイズPC,ならびにセットトップボックスなど,国内外のメーカーから70機種1000万台以上が出荷されている。

「(ハードウェアの)購入後にソフトウェアをインストールすることを想定していない非PC機器では,ASP方式のサービス提供が非常に重要となる。あらゆる端末から,全てのデータにアクセスできる環境を構築する」(アクセス代表取締役の荒川亨氏)

非PC向けASPモデルのApplicationBed

 合弁会社を共同で設立する3社は,以前から情報家電分野でアクセスと提携関係にある。ジャストシステムは,日本語変換ソフト「ATOK」とJavaベースのワープロソフト「一太郎Ark」を,ACCESSの情報家電向けJava準拠仕様モジュール「JV-Lite2」に対応させると表明。メッツは,グラフィック関連ソフト「G.CREW」ならびに「PhotoCrew」のNetFront対応版の開発に取り組んでいる。また,D.P.Eチェーン運営のプラザクリエイトは,ACCESSなど5社と合弁で画像のネット流通サービスを行う新会社を設立した。

 新会社の具体的なサービス内容はまだ未定だが,アクセスの荒川亨氏によれば,「通信機能を搭載したデジタルカメラからダイレクトにASPポータルアクセスして画像の修正を行い,プラザクリエイトのD.P.Eサービスで出力する」といったことが可能になるという。

 また新会社では,アプリケーションの配信のほかに,ASP事業における課金・決済手段の提供や非PC向けアプリケーションの開発支援,ならびにアプリケーションの販売代行などを行う。同社では,これらのシステムを統合して非PC向けASP事業のビジネスプラットフォーム「ApplicationBed」として展開する計画だ。同プラットフォームは当初,フロントエンドのブラウザにNetFrontを採用するが,将来的には,あらゆるベンダーが参加できるように,オープンなものにしていく計画だという。

関連リンク
ACCESS
ジャストシステム
プラザクリエイト
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[中村琢磨,ITmedia]

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