News 2000年7月6日  9:55 PM 更新

ぷららとマイクロソフトが業務提携。MSNはポータル事業に専念へ

 ぷららネットワークスとマイクロソフトのMSNは7月6日,お互いの事業を移管し,ぷららはISP事業者,MSNはポータル事業者として,それぞれの業務に専念することを発表した。

 これにより,MSNのISP事業基盤はぷららに移管され,MSNをISPとして利用しているユーザーは,11月30日をメドにぷららの会員となる。詳細な計画は発表されていないが,MSNのインターネットアクセス会員は7月31日を最後に受け付けを終了。その後,段階的にぷららの接続アカウントに移行する。なお,MSNは移行サポートセンターを7月7日から設置しユーザーからの質問に答える。

 一方,ぷららは現在47万人の接続会員を有している。MSN会員の受け入れ体制を整え,さらなる事業拡大を図るため,来年6月までにすべての料金区域にアクセスポイントを拡大。全ユーザーが市内通話でダイヤルアップできる体制を目指す。

 ぷららはオンラインショッピングモールやコミュニケーションサイト,ビジネス情報サイトなどのコンテンツサービスとインターネット接続サービスを融合させた,新タイプのISPとして登場したが,今後ぷららのコンテンツ部門はMSNに移管されることになる。ぷららは独自のコンテンツ展開を行わず,MSNの開発するポータルサイトに自社の情報を加えた「MSN ぷららバージョン」をトップページで提供する。

新MSNへ

 MSNは昨年,コンシューマグループ副社長のRick Belluzzo氏によって,コンシューマー向けにインターネットを通じてアプリケーションサービスを提供するポータル事業者への転換を発表。その後,オンラインコミュニティサービスや個人認証サービスの「Passport」,中小企業向けポータル「bCentral」など数々の新サービス開始していたが,国内ではその一部が提供されていたに過ぎなかった。

 しかし今回,国内MSNがポータル事業に専念することを発表したことにより,米Microsoftの戦略に組み込まれた新MSNにより近いものへと変わっていくことになるだろう。マイクロソフトによると,今回の提携は,国内の人的リソース不足を解消するため,MSNの中核事業であるポータル事業にリソース集中させ,コンテンツの質を高める狙いがあるという。

 また,bCentralについても,国内での提供を目指して開発が進められているもようだ。bCentralは,中小企業向けにインターネット上でアプリケーションを提供するポータルサイトだが,6月22日に行われたForum 2000では「.NET」構想の一部として紹介されていた(6月23日の記事参照)。

 MSNポータルについても,「ドットネットの中でコンシューマーにアプリケーションを提供するサービス事業者として位置付けられる」とForum 2000の中でBelluzzo氏が説明を行っていた。Belluzzo氏によると,将来のMSNは,コンシューマー向けサービスを,PC,インターネットアプライアンス,WebTV,ならびにPocket PCなど,あらゆるプラットフォームから利用可能になるという。

MSN 移行サポートセンター
TEL : 0120-06-0196
受付時間 : 午前 9 時から午後 9 時まで (年中無休)

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[本田雅一,ITmedia]

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