News 2000年7月7日 11:55 PM 更新

フレッツ・アイ,ADSLを後目に大躍進(4/4)

フレッツ・アイ,既知の問題点

 従来のIP接続サービス実験開始からフレッツ・アイに至るこの半年以上の間,いくつかの問題点も浮き彫りになってきた。新しいサービスにつきものと言えばそれまで。中には,時間的制約(時間課金)の呪縛から実行できなかったアプリケーションが,フレッツ・アイならばゆっくり落ち着いて試せるので,ユーザーからの不具合報告が数的に目立ってきたものもある。別の見方をすれば,常時接続的(!)環境がやっと日常化しつつあるプラス面でもある。この点は“フレッツ・アイ効果”と評価できる。

 まず,フレッツ・アイの入り口で門前払いされるケース。つまり,つながらないこともある。たとえば,Macの「Open Transport/PPP」はダメで,「Free PPP」を使えば大丈夫,という事項も報告されている。これはTAでの例。

 接続IDが長すぎて途中までしか記憶されないISDNルータもあるとか。接続IDの文字数は,いったん地域IP網を通ってプロバイダで認証されるので,大幅に長くなる。プロバイダによっては接続ID文字列中に「@」(アットマーク)が2つもある変則的なIDもある。これはファームウェアのバージョンアップで対応するしかないようだ。

 また,衛星インターネットの上り回線にフレッツ・アイを使おうとするユーザーは,現在のところ全滅だと聞いている。ISDNのアクセスには,今はISDNルータを使うのが一般的だが,こんな時こそTAを使ってみてはいかがだろう。

 というのも,「Net Meeting」は,ISDNルータでの利用は無理だが,TAならばOKなのだ。この時,PCとの接続はRS-232CかUSBになるが仕方ない。TAならば,マシンには直接外部から貰ったIPアドレスが割り当てられる。これにより音声やビデオが片方向しか通らないなどの問題は解決する。

 ISDNルータがこの時ダメな理由は,単に「Net Meeting」がNAT(アドレス変換)に対応していないからだ。一般にフレッツ・アイは1つのIPアドレスしか割り当ててくれない。複数のマシンで同時に使うためには,NATやIPマスカレードを利用するしかない。これらは内部に対してプライベート・アドレスを複数作り出す。しかしアドレス変換がアダになって「Net Meeting」がうまくできないという例を,多数聞いている。

次回予告
 次回は具体的なサーバ設置例や無料ドメイン名割り当て法,アプリケーションの活用例などを取り上げます。お楽しみに。

参考URL
東西NTTの提供するISDN定額制サービス「フレッツ・アイ」
http://www.ntt-east.co.jp/teigaku/pbd.html
http://www.ntt-west.co.jp/ipnet/ip/index.html

TA・ルータの接続情報
http://www.ntt-east.co.jp/teigaku/tec/index.html

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