News 2000年7月10日 05:30 PM 更新

ソニー対Connectix,特許侵害訴訟の再提訴で論争は次段階へ(1)

ConnectixのPlayStation用エミュレータをめぐる争いで,ソニーがいったん取り下げた特許侵害訴訟を再提訴。係争中のもう1件の訴訟も9月に口頭弁論が行われる予定だ。

 特許侵害訴訟がいったん撤回された後,再提訴されたことで,Sony Computer Entertainment AmericaとConnectixの広範にわたる法廷闘争が再び動き始めたようだ。ソニーがZDNNに語ったところでは,今秋にも審理が開始される見通しだ。

 ソニーでは,Connectixを相手取ってカリフォルニア州サンフランシスコの連邦地裁に2件の訴訟を起こしていたが,6月29日,そのうちの1件の特許侵害訴訟をいったん取り下げた(7月1日の記事参照)。2件の訴訟はいずれも,MacintoshやWindowsでソニーのPlayStation用のゲームが実行できるConnectixのソフトウェアパッケージ「Virtual Game Station(VGS)」をめぐって争っているもの。

 この特許侵害訴訟に関しては,Connectixが訴えの却下を求めて仮処分を申請しており,ソニーが訴訟を取り下げたのは,担当のCharles Legge判事がこの仮処分申請について判断を下す前日のことだった。しかしソニーは同日晩,当初11項目に関して特許侵害を主張していた内容を見直して,6項目の特許侵害に絞ってあらためて提訴した。

 再提訴の結果,この裁判はまず,カリフォルニア州オークランドの執行裁判所に割り振られたが,ソニーではLegge判事の法廷に戻して審理を行うよう求めている。もしこの要求が認められれば,次はLegge判事が口頭弁論の期日を指定することになる。

 だが,同判事はまず,再度の仮処分申請について判断を下す必要に迫られるかもしれない。Connectixの社長兼CEO(最高経営責任者),Roy McDonald氏は,「数週間以内にも,あらためて(訴え却下の)申し立てを行う可能性が高い」と予告しているからだ。

 これに対し,サンフランシスコの法律事務所Townsend, Townsend & Crewのパートナーで,ソニーの弁護人を務めているJames Gilliland氏は,「この秋にも審理が開始されるものと確信している」と話している。

知的財産権訴訟と特許訴訟

 ConnectixのVGSをめぐっては,Mac版が最初に出荷されたわずか1週間後の1999年1月,ソニーがConnectixを相手取って知的財産権侵害の疑いで訴訟を起こし,こちらは現在係争中。今回の特許訴訟はこれに次ぐ2件目の訴訟となる。知的財産権訴訟の方は,9月に口頭弁論が予定されており,ここでLegge判事が陪審による審理を行うかどうかを決定する。

 知的財産権訴訟は,著作権侵害,商標の希釈化,業務機密の濫用を問題にしているという点で,今回の特許侵害訴訟とは異なる。だが,「ソニーはPlayStationに,海賊版ソフトが利用されることを防ぐための機能を組み込んでいるが,特にこれと比べるとVGSでは,PlayStation用ゲームの海賊版利用防止措置が不十分だ」というソニーの主張は知的財産権訴訟にも絡んでくる。

 「どんなソフトウェアであれ,十分な海賊版防止対策が施せるとはソニーは考えていない」(Gilliland氏)

 ソニーは,自社ブランドのゲームと,サードパーティデベロッパーへのライセンス料の両方から収益を得ているため,ゲームの海賊版に関しては特に神経質になっている。

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