News 2000年7月21日 09:50 PM 更新

“全部入り”のスーパードッチーモに加えたい機能

 携帯電話を買い換えた。今回はスーパードッチーモの「N821i」だ。iモードを使い始めてから,実に3台目のNEC端末となる。渡米中に発表され,その週に発売になったので,入手の手配ができずにもどかしい思いをした。日本に戻ってから,あちこちの店を回ってみたが,予想通り売り切れ店ばかりで大変だった。新規用のパッケージが残っている店はあっても,機種変更用のパッケージがないのだ。この製品を買うユーザーのうち,新規契約がそれほど多いとは思えない。この製品に限ったわけではなく,ここまで普及した携帯電話なのだから,新規,機種変更のパッケージを分けて売るというビジネススタイルは再考の時期にきているのではないだろうか。

 結局,ダメモトで問い合わせてみたドコモショップに在庫があり,一般量販店よりは多少高めの価格ではあったが,無事に入手することができた。今まで使っていた「N502i」は,購入後それほど日がたっていないので,回収されてしまった。PHSの継続使用期間が長かったので,最安の価格での機種変更が適用された。

 ぼくはこれまで,パンツの右ポケットにN502iを,左ポケットにPCカード部分をむき出しにした「パルディオ611S」を入れて日常を過ごしていた。iモードはあまりにも便利だが,ハイパートークといえども,個人的にはその音質に耐え難いものがあり,国際電話より高い電話料金にも抵抗を感じることから,音質とデータ通信の速度,経済性のためにPHSを併用していた。都心での移動が基本的に地下鉄であるという点でも,PHSがカバーするエリアはありがたかった。

 パルディオ611Sは,かつてのNTTパーソナルが64Kbpsデータ通信の実験サービスを開始したとき,モニターに応募してもらった端末だ。フリップの部分がコンパクトフラッシュタイプのデータカードとなっているため,ノートパソコンにアダプタを装着しっぱなしにしておけば,ワンタッチでデータ通信ができるという優れものだ。当時は画期的だと思って使っていたが,さすがに今となっては,大きく重く感じる。が,代わりになる新端末がちっとも出てこない。だからもう,2年近く使った今,見かけは本当にボロボロだ。このあたりを見ても,ドコモはPHSを諦めているんじゃないかといった想像をしたくなってしまう。

「N821i」(左),「N502i」(中),「パルディオ611S」(右)

便利なところ,不便なところ

 さて,肝心のN821iだ。端末が1つになったのはやはり嬉しい。105グラムと,今まで使っていた98グラムのN502iより7グラム重くなってしまったが,112グラムだった611Sを携帯せずに済むようになったことを考えれば,誤差の範囲だと思っておこう。

 メーカーも同じだから,見かけも似ている。ただ,ドッチーモであるということから,携帯とPHSのモードを切り替えるために「モード切り替えボタン」が必要となり,iモード電話の特徴である「iボタン」がエンターキーに相当するボタンと兼用されている。その分,使い勝手は悪くなっているが,モードの切り替えは,脇のボタンなどに持っていくことはできなかったのだろうか。

 また,N502iには,とても便利な「メールボタン」が付いたことを,以前この連載でも高く評価した(2月10日の記事を参照)が,それはN821iにも引き継がれている。しかし,N502iでは,1秒以上このボタンを押すと,「センター問い合わせボタン」として機能していたのに,N821iでは,パルディオEメールのメニュー表示になってしまった。これも,ひとつのボディに「iモードメール」と「パルディオEメール」という2種類のメール端末機能を持たせたことの弊害だ。ちなみに,普段は着信履歴を表示する「左方向キー」を1秒以上押しっぱなしにすると,問い合わせが行われる。ちょっとの違いだが,慣れるまでには時間がかかるだろう。

 同時待ち受けが可能だが,iモードの使用中に携帯は割り込んで着信しても,PHSの着信では相手に「圏外または電源オフ」のメッセージが流れる。iモード接続のタイムアウトは60秒が標準設定だが,これを90秒にしたり,タイムアウトしないようにすることはできても短くすることができない。例えば,iモードメールを着信すると,実際に受信している時間に加え,30秒間は,PHSの着信ができないということなのだ。ぼくの場合,この端末に届くメールは1日約50通だが,その受信中にぼくに電話をかけてしまう運の悪い方が少ないことを祈るのみだ。

 持ち歩きは身軽になったが,データ通信は不便になった。PHS64K,PDCの双方で使えるPCカードを別途購入し,ケーブル接続での通信に逆戻りだ。でも,iモードメールを使うようになってから,屋外でパソコンをインターネット接続する機会は激減しているので妥協する。欲をいえば,PCカードではなく,ドッチーモをサポートしたUSBケーブルタイプのアダプタが欲しいところだが,今のところ,その手の製品は見あたらない。

 N821iから電話をかける場合,あらかじめ,どのモードを優先するかを設定しておく。一般的にはPHS-携帯,携帯-PHS,PHSのみ,携帯のみのどれかとなる。もちろん,これからかける電話に関して,その場でモードを切り替えられるし,電話帳に,その電話をどのモードでかけるのかを設定しておけるので,モードをほとんど意識することなく使えるのは便利だ。ただ,電話帳には,一件につき複数の電話番号が登録できるのに,設定できるモードは一件につき1つだけで,電話番号ごとにモードを設定することはできない。一般加入電話番号と携帯電話番号など,複数の電話番号に対してモードを指定してかけ分けたいなら,電話帳に対して複数件のデータとして登録する必要がある。この点は,多少不便に感じる。

ドッチーモの次は……

 すべての人がドッチーモを必要としているわけではないし,誰にでも勧められるものでもない。でも,今回の買い物はそれなりに満足している。もちろん,ひとつの契約と電話番号ですべてを満たすものがあるのが理想だ。最初にドッチーモが出たときに,iモードが利用できないことにガッカリして,「ゼンブ」というのが欲しいと言っていたのだが,それが,スーパードッチーモとして実現された。これで電話の持ち主はモードを意識しなくて済むようになった。次は,電話をかける側が,ひとつの電話番号にダイアルすれば,そのときつながる安い方の回線に接続する,携帯ポータルのようなサービスを望みたい。もちろん,キャリアを超越した端末があれば素晴らしい。

[山田祥平,ITmedia]

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