News | 2000年7月24日 01:40 PM 更新 |
PCプロセッサ市場におけるIntelとAMDのデスマッチは既に1年近く前から続いているが,終結は全く見えてこない。
AMDの前回の新チップ発表は1カ月前,Intelは約2カ月前だが,早くも両社の新チップ投入合戦の第3ラウンドのゴングが鳴ろうとしている。
つまり,2社の闘いはこの第3四半期も続くということだ。この四半期に最初のパンチを食らわせるのはIntelで,近く,クロックを引き上げた新たなデスクトップ用チップを発表する。
Intelは,1.1GHzのPentium IIIプロセッサを7月31日に発表する。実際には1133MHz動作のこのチップは,クロック周波数の観点では若干有利に立つが,当初は限定量しか出荷されない。(Intelの1GHz Pentium IIIは,同社によれば第3四半期中に徐々に出荷量を拡大するとのことで,情報筋では第3四半期半ばに量販に至ると予測している。)
だがAMDも負けてはいない。同社は1.1GHzのAthlonプロセッサの投入準備を進めており,情報筋によると,発表は8月半ばだという。
AMD内部筋は,発表こそ数週間の遅れをとるが,AMDの1.1GHzチップとこれを搭載したシステムは発表と同時に本格出荷が開始されるとして,出荷面での優位性を強調している。
AMDの1.1GHzチップは,「性能を強化したキャッシュメモリ」,すなわち256Kバイトの統合型キャッシュを搭載する。プロセッサコアはThunderbird。
AMDは同時期に750MHz版のDuronもリリースする。
昨年来,IntelとAMDはチップ価格の改定でも競い合っている。熾烈なメガヘルツ競争を繰り広げる両社だが,同時に価格の面でも強烈なパンチを出し続けている。
例えばIntelはこのほど,定期的な価格引き下げの一環として,一部のデスクトップ用Pentium IIIの値下げを行った。
1GHz Pentium IIIの価格は990ドルのまま据え置かれているが,800MHz Pentium IIIが最も下げ幅が大きく385ドルから294ドルへと24%値下げされた。
また866MHz版のPentium IIIは17%値下げされて465ドルに,933MHz版は10%下がって669ドルとなった。Pentium III Xeonも9〜12%値下げされた。
Intel広報担当者の説明では,同社ではこうした値下げを予定前倒しで実施しており,平均で1月に1度の割合で値下げするようになってきている。
AMDもこうしたIntelの動きに対抗,1.1GHz Athlon投入を前に値下げに踏み切ろうとしている。現在,1GHz Athlonの価格は990ドル,950MHz版は759ドルだ。