News 2000年7月26日  0:00 AM 更新

FIC販売,Be IA搭載のインターネットアプライアンスを発表

 エフ・アイ・シー販売と矢野経済研究所(YRI)は7月25日,台湾FICのインターネットアプライアンス「SMART BLUE」の販売に関する業務提携を発表した。FICは製品の開発と生産を行い,YRIはマーケティングおよび販売を担当する。国内ではまず,広告配信を組み合わせたソリューションとして,ホテルやマンションデベロッパーに訴求する構えだ。

画像 SMART BLUEは,OSに米Be.incの「Be IA」を採用した省スペースデスクトップ型のIA。HDDを持たないことによるメンテナンスフリーのハードウェア,電源オンから10秒以内のクイックな起動といった点が特徴だ。CPUにはNational Semiconductorの「Geode」(GXLV/233MHz)を使用し,32Mバイトのメモリをオンボードで搭載。ストレージとして,8Mバイトのコンパクトフラッシュが内蔵されている。通信インタフェースとして56Kbpsモデムと10/100BASE-Tポートを設け,このほかに,PS/2,VGA出力,2つのUSBポートなどを持つ。S端子,コンポジット端子も用意されているため,TVに画面を映すことも可能だ。

 搭載されるBe IAには,Webブラウザとして「Opera」が採用されている。Operaは,HTML4.0,SSL2/3,XMLといった機能をサポート。また,Macromedhia Flash 4.0やRealPlayer G2 6.0を搭載し,動画のストリーミング再生やMP3再生にも対応しているという。

固有IDでワン・トゥー・ワンマーケティング

 SMART BLUEでは,顧客ごとにUIをカスタマイズ可能なほか,起動画面には必ず広告が表示される仕組みになっている。また,端末には固有のIDを与え,これを利用してサーバから広告を配信。ホテルやマンションの各部屋に置かれた端末の画面切り換えもサーバ側で任意に行えるため,広告主と端末利用者を結びつけるワン・トゥー・ワンマーケティングが可能になるという。「管理者はその端末がどこにあるかが分かっている。例えばホテルなら,その周囲にある店舗のバナーを表示するなど,ピンポイントで広告を配信できる」(YRI)。また,広告収入の一部をホテルやマンションデベロッパーに還元し,これをエンドユーザーの利用料減額やマンションの管理費削減に繋げることもできるという。「ホテルは顧客に対して(インターネットという)新しいサービスを提供できる上,広告収入も見込める」(YRI)。YRIでは,既に全国の広告主やターゲットユーザーのデータベース化を進めており,「今後1年間で1万台の販売を目指す」(YRI)としている。なお,FICとYRIでは,このビジネスモデルで特許を出願中だ。

 SMART BLUEの単価は,15型CRTとキーボード・マウス込みで6万9800円。同日販売を開始している。

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[芹澤隆徳,ITmedia]

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