News | 2000年8月02日 0:35 AM 更新 |
携帯インフラとコンピュータエンタテインメントの巨人同士が手を組んだ。NTTドコモとソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は8月1日,iモード携帯電話とプレイステーションを組み合わせたネットワークサービスの開発に向けて覚書を交わしたことを発表した。これにより,iモードには新しいゲームコンテンツが,プレステには待望のインターネット接続がもたらされることになる。
国内978万のユーザーを抱え,「今週末には1000万ユーザーを突破するのではないかと期待している」(NTTドコモ)というiモードと,全世界で7400万台以上が普及しているプレイステーションとの組み合わせは強力だ。NTTドコモゲートウェイビジネス部長の榎啓一氏は,「iモードサイトのページビューのうち,60%をエンターテイメント系が占めている。両社はお互いにマーケットを持ち,かつユーザー層が重なっている」と提携のメリットを強調した。
両社はまず,プレステの人気ソフト「どこでもいっしょ」をiモード上でプレイできるようにする。iモード版の「iモードもいっしょ」(仮題)は,従来の「ポケットステーション」でプレイする場合と同じように,携帯電話上でキャラクターの育成が可能になるほか,9600Kbpsのパケット通信機能を使ってプッシュ型のメッセージサービスやiモードメールによる名刺交換といった機能を実現できるという。2000年冬に携帯電話向けサービスを開始する予定だが,両社はiモード携帯電話とプレイステーションのコントローラポートを接続するケーブルを共同開発し,2001年春までに「iモードもいっしょ」と連携できるパッケージソフトも発売する。
このケーブルには,プレステ用のコンパクトHTMLブラウザが同梱される予定であり,“iモード用サイトのみ”という限定付きながら,プレステのインターネット接続が実現することになる。
SCEの久多良木健社長は,「この発表を機に,デベロッパー向けにコントローラポートのライブラリを提供し,対応ソフトの開発をすすめる」と話している。 デモンストレーションに使われた競馬ゲームでは,iモードの通信機能を利用して対戦も可能になることが示された。ユーザーはiモード端末で馬を調教し,プレイステーションと接続してデータをダウンロード。ネットワークから他ユーザーのパラメータだけを落としてきてレースができる。リアルタイムの通信対戦ではないが,Playstation.comなどのiモードサイトと連携すれば,応用範囲は広がりそうだ。久多良木氏によると,今回の提携には,年末にもドコモが発売する予定のJava対応端末や,2001年春に登場する「IMT-2000」(W-CDMA)を前提としたサービスの共同研究も含まれているという。ただし,今回の発表会では将来のサービス内容にほとんど触れられず,また「iモードもいっしょ」がJava対応になるのか? という質問に対しても「現段階では未定だが,Javaには魅力を感じている」(久多良木氏)と曖昧な答え。さらに,ゲームサービスを提供することになるソフトウェアベンダーの収益構造に関しても「検討中」(同氏)とするにとどまり,ロードマップの不透明さを感じさせた。
関連リンク
ソニー・コンピュータエンタテインメント
NTTドコモ
[芹澤隆徳,ITmedia]
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