News 2000年8月22日 11:06 PM 更新

「デジカメの高画素化は400万画素で打ち止め」オリンパス社長が”宣言”

 コンシューマー向けとしては初めて400万画素CCDを搭載したデジタルカメラ「CAMEDIA E-10」を発表し,実画素数の競争でまた一歩リードしたオリンパス光学工業。だが8月22日に開かれた新製品発表会では,岸本正壽社長が「もう高画素追求は打ち止めかな」と発言して報道陣を驚かせた。銀塩画質の凌駕を目標に画素数競争を繰り広げてきた業界のリーダーは今何を考えているのか。

 岸本社長は発表会で,「デジタルカメラは高画質,高画素をずっと追求してきた。しかしE-10の400万画素CCDなら大伸ばしにしても十分満足頂けるレベルだ。高画素競争もこの辺で打ち止めかと思う」と述べた。

 オリンパスは1996年10月,81万画素という当時としては驚異的な高画素CCDを搭載した「C-800L」でデジタルカメラ市場に参入して以来,一貫して高画素競争を引っ張ってきたリーダー的存在だ。そのオリンパストップによる高画素競争の「終結宣言」とも受け取れる発言は,会場に詰めかけた報道陣の間でも話題となった。

 背景には,高画素化が単純に画質のアップに結びつかないというCCDの特殊事情がある。確かに画素数はここ数年で飛躍的に増加したが,CCDの面積は画素数ほどの伸びを見せておらず,画素ピッチは高画素CCDほど小さくなってきている。「実のところ,1/1.8インチの300万画素より1/2インチの200万画素のほうが画質が良かったりする」(オリンパスDI事業推進部の小島佑介部長)という不思議な現象は,画素ピッチの小ささが引き起こすノイズの増加や感度低下が原因だ。画素ピッチの小ささから,300万画素機ではF11以下に絞り込めないという弊害も起きている。

 これを解決するにはCCD自体の面積を抜本的に大きくするしかない。だが面積が大きくなれば1枚のシリコンウエハーからとれる数も減る上,歩留まりも低下するなどコスト高はどうしても避けられない。そのため大型CCDを搭載できるデジタルカメラは高価なプロ機に限られているのが現状だ。

 E-10で採用された2/3インチ400万画素CCDは,オリンパスが開発費を負担してまでCCDメーカー(社名は非公開)と共同開発したという自信作。画素ピッチは,現行の1/1.8インチ334万画素CCDの画素ピッチを約0.5ミクロン上回る3.9ミクロンだという。

 小島部長は「実は2/3インチ500万画素も選択肢としてあった。しかし画素ピッチが3.9ミクロンより微細化すると,どうしてもノイズが増えてしまう。画質面と価格などのベストマッチングを考えると,400万画素は1つの分岐点だろう」と話す。その上で「他社から500万画素機も出てくるかもしれない。しかしオリンパスとしては400万画素が最適だと考えている」と強調した。

 岸本社長は「500万や600万画素は民生機には過剰。これからは操作性やデザイン,付加価値の世界に入っていく」と一方的な「勝利宣言」とも取れるコメントで今後の方向性を示した。だがハイエンドモデルについては,CPUの動作クロックと同様に画素数が強力なセールスポイントになっているのも事実だ。「スーパーCCDハニカム」を擁する富士写真フイルム,業界を驚かせた高画素CMOSセンサーを持つキヤノンなど,ライバルメーカーがオリンパスに対しどんな回答を突きつけるのか注目される。

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[小林伸也, ITmedia]

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