News：ALi，DDR SDRAM対応チップセットを国内発表

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2000年8月24日　08:05 PM 更新

ALi，DDR SDRAM対応チップセットを国内発表

ALiは，業界初のDDR SDRAM対応チップセットを国内発表した。普及が進まないRDRAMに代わり，次世代メモリの本命はDDRになるのか。

　台湾Acer Laboratories Inc（ALi）は8月24日，DDR（Double Data Rate）SDRAMに対応したPC用チップセット「Aladdin Pro 5」と「ALiMAGiK 1」を国内発表した。同社によると，DDR SDRAM対応チップセットは業界初。DDR SDRAMは，現在主流のSDR（Single Data Rate）SDRAMの2倍以上のメモリ帯域を実現でき，次世代メモリの有力候補とされている。

　同製品は今年6月の「COMPUTEX TAIPEI」で同社が出展していたもの（6月6日の記事参照）。Aladdin Pro 5はPentium IIIとCeleron用チップセットで，Slot 1とSocket 370に対応する。ALiMAGiK 1はAthlonとDuron向けで，Slot A/Socket Aをサポートする。

　対応メモリは，クロックが100MHzでデータ転送レートが200MHzのDDR200と，クロックが133MHzでデータ転送レートが266MHzのDDR266。スロットの物理形状が同じPC66/100/133のSDR SDRAMのDIMMモジュールも利用できる。ただしDDRとSDRでは仕様が異なるため，DDR用スロットにSDRを差し込んでも使用できない。DDR用とSDR用の両搭載は可能だが，「コストが高くなるため，現時点ではマザーベンダーから両搭載の要望はきていない」（ALi）という。

　そのほか，AGPx4とUltra ATA/100をサポート。ノートPC用の「Mobile Aladdin Pro 5」と「Mobile MAGiK 1」も用意され，Mobile MAGiK 1はAMDの省電力技術「PowerNow！」にも対応する。

　既にサンプル出荷を開始しており，2万個出荷時のサンプル価格は，Aladdin Pro 5が33米ドル，ALiMAGiK 1が31米ドルとなっている。10月にも量産出荷が開始され，ほぼ同時に台湾IWillらからマザーボードが発売されるという。

次世代メモリの本命はDDR？

　次世代メモリをめぐっては，米Rambusがパテントを持つRDRAMが最有力視されていた。ところが現在主流のSDR SDRAMに比べて高価格な点がネックとなり，普及がほとんど進んでいないのが現状だ。

　東京・秋葉原のショップ店頭では8月24日現在，PC100/133の128MバイトDIMMが1万5000円前後なのに対し，RIMMは比較的安価なPC700の128Mバイトタイプが2万8000円程度と2倍近い。実勢価格は発売当初から3分の1程度安くなったとはいえ，「SDRAMとの価格差に見合う性能アップは期待できない上，またRIMM対応マザーがリコール騒ぎでミソを付けたi820チップセット搭載品しかなく，ユーザーも手が出せないようだ」（ショップ筋）。

　そこで次世代メモリの有力候補として急浮上してきたのがDDR SDRAMだ。RDRAMに並ぶ性能を持ちながら，SDR SDRAMと生産設備などを共用でき，低コストで製品を投入できると見られているためだ。ここに至ってRDRAM一辺倒だった米Intelも重い腰を上げ，米国で開催中のIDFでは，Pentium 4向けメモリとしてDDR SDRAMを「評価中」と明らかにした（8月22日の記事参照）。

　DDR SDRAMの仕様策定を担当しているJEDEC（Joint Electron Device Engineering Council）の役員会会長でAdvanced Memory International Inc（AMI2）社長のDesi Roden氏は発表会に出席し，「DRAMで重要なのは価格。DDR SDRAMは現在の生産設備を流用でき，低コストで生産できる」とRDRAMに比べ低価格な点を強調した。また韓国Samsung Electoronicsの担当者によると，既に128MバイトのDDR SDRAM搭載DIMMモジュールの生産を開始し，近く256Mバイト品の生産もスタートするという。

　ただしDDR SDRAM搭載のDIMMモジュールの価格が実際にどうなるのかははっきりせず，SDR SDRAMのDIMMスロットとの互換性もないため，リプレースがスムーズに進むかはどうかは予断を許さない。リリース当初の価格が高ければ，RIMMと同様の悪循環に陥る可能性もある。とはいえ「9社のチップセットベンダー，8社のマザーボードベンダー，4社のCPUベンダー」（Roden氏）が採用するというDDR SDRAMが，次世代メモリの本命の座に近づいているのは間違いなさそうだ。

関連リンク
ALi
JEDEC

[小林伸也， ITmedia]

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