News | 2000年9月11日 05:22 PM 更新 |
セイコーエプソンは9月11日,腕時計型のPDA「リストモバイル Chrono-Bit」(クロノビット)を発表した。スケジュールやアドレス帳といったPIMデータを管理でき,PCと接続してOutlookなどと同期することも可能だ。外装にステンレスを採用した上位モデル(5万9800円)とプラスチックの普及モデル(3万9800円)が用意される。発売は10月6日。
表示部に96×64ドットのモノクロSTN液晶ディスプレイを採用。PIM機能はスケジュールとToDoリスト,アドレス帳の3つを備えた。文字入力は本体外周に装備した回転ベゼル式キーボードとボタンで行う仕組みで,単漢字変換辞書とJIS第一・第二水準の漢字フォントを内蔵している。RAMは512Kバイトを内蔵(システム用に64Kバイト使用)し,スケジュールは最大400件,ToDoリストとアドレス帳は各最大300件程度まで保存できるという。
このほか世界時計や電卓,バイブレーションで指定時間を知らせるタイマー機能などを搭載する。電源はリチウムイオン充電池を内蔵。1回の充電で約3週間の連続使用が可能としている。
PCとの接続用として充電器兼用のシンクロステーションが同梱される。インタフェースはシリアルで,対応OSはWindows 95/98/NT 4.0/2000。マイクロソフトのOutolook 97/98/2000,ロータスのノーツ R4.6/R5,ロータスオーガナイザーとPIMデータを同期させることができる。またPCのテキストデータを転送できる「メモ帳」機能や,Chrono-Bitの時計画面をPC上でカスタマイズするといったことも可能だ。
製品ラインアップは,シルバーステンレスの外装とバンドの「WM-550S」(5万9800円),シルバーステンレス外装に合成皮革バンドの「WS-550L」(同),プラスチック外装にウレタンバンドの「WM-510B」(3万9800円)の3モデル。発売開始記念モデルとして,ステンレスにイオンプレーティング加工を施した「WM-550X」(5万9800円)を限定2000台で販売する。同社では2000年度,全モデル合計で5万台の販売を予定している。
主な仕様は以下の通り。
製品名 | WM550X/S/L | WM510B |
表示 | 96×64ドットマトリックスSTN液晶(ELバックライト付き) | |
操作部 | サイドボタン×4,フロントボタン×2,回転ベゼル式キーボード×1 | |
内蔵メモリ | RAM:256Kバイト(システムに64Kバイト),フラッシュROM:1Mバイト | |
電源 | リチウムイオン充電池 | |
防水性能 | 日常生活用防水 | |
サイズ | 41.6(長さ)×12.7(厚さ)ミリ | 42.5(長さ)×13.1(厚さ)ミリ |
重さ | WM-550X/S:113グラム,WM-550L:83グラム | WM-510B:57グラム |
価格 | 5万9800円 | 3万9800円 |
腕時計型PDAとしては,同じセイコーグループのセイコーインスツルメンツがPCアーキテクチャを採用した「Ruputa」を1998年に発売しているが,広く普及するには至っていない。Chrono-Bitがヒットするかどうか,そのポイントは価格だろう。
例えばステンレスモデルの5万9800円に対し,発売されたばかりのソニー「Clie」カラー液晶モデルが実売5万4800円程度。またプラスチックモデルの3万9800円に対しては,ハンドスプリングの「Visor」(実売2万9800円),パームコンピューティングの「m100」(同1万9800円)といったより低価格な売れ筋商品が立ちはだかる。「ジャスト腕時計サイズ」(セイコーエプソン)という他製品にはない小型軽量さのメリットを,どうユーザーにアピールしていくかが課題になりそうだ。
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