News：日立，「ITコンベンション 2000」でCrusoe搭載製品を公開

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2000年9月26日　11:50 PM 更新

日立，「ITコンベンション 2000」でCrusoe搭載製品を公開

日立が年末にも出荷を開始するCrusoe搭載ノートは，「カームシルバー」と呼ばれる銀色のきょう体になりそうだ。

　日立製作所は，9月26日に開幕したプライベートショウ「Hitachi ITコンベンション 2000」の中で，Crusoeを搭載するノートPCとインターネット端末を公開した。これらの製品は，9月7日に開発を表明したもので，11月には出荷が始まる予定だ。

　Crusoe搭載のB5ノートPCは，従来モデル「Prius note 220FX」と同じきょう体を使ったものが3台展示されている。6月の「PC Expo」（6月28日の記事を参照）に出展されていたのはグリーンとブルーの2台だったが，今回グリーンはなし。代わりに，「カームシルバー」と呼ばれる銀色のきょう体が登場した。同社では，「決定ではないが，より製品に近い状態」と話しており，シルバー系の色を使う方向が有力のようだ。

　展示機に搭載されているCrusoeは，TM 5600の600MHz版だが，これも最終決定ではないという。「220FXと大きく違うのは，クーリングファンがないこと。そしてバッテリー寿命だ」（同社）。そのバッテリー寿命だが，展示機の横に置かれたフリップには「バッテリー　約1.5倍（？）」と書かれている。最後の“？マーク”に少々弱気な印象を受けるが，同社では標準バッテリーで約1.5時間（従来は1時間），大容量バッテリーなら約3時間（従来は2時間）の連続駆動を目標に調整中だとしている。

　製品発表は10月末～11月。CD-ROMドライブとDVD-ROMドライブの2モデルが用意され，価格は20万円前後（CD-ROMタイプ）になる見込みだ。

Bluetooth対応も可能なインターネットアプライアンス

　ノートPCの隣には，Mobile Linuxを搭載するインターネットアプライアンスが展示されている。写真のようにデスクトップとして使用することもできるが，本体を取り外せばペンコンピュータになるポータブルタイプのアプライアンスだ。また，液晶ディスプレイの右側には，プログラム起動ボタンやカーソルキーも用意されており，ペンを使わなくても操作できるという。ただし，カーソルキーは，上下左右の移動のみで，斜めには動かない。これは，「キーボードの方向キーを割り当てているため」（同社）。周辺機器やドライバ類がまだ少ないLinuxでは，こうした“当たり前”の操作を実現するにも一苦労だ。

　一方で，本体のインタフェースは豊富に用意された。外部FDDやCD-ROMを接続するシリアルポートに加え，USB×2，10BASE-T，モデム，PCカードType II×2（Type IIIとして使用可能）さらに4ピンのIEEE 1394ポート（iLINK）までを装備。その上，「内部にはBluetoothモジュールを導入するスペースもある」（同社）という。もっとも，IEEE 1394やBluetoothは将来的な需要を見越したもので，最初の製品に搭載するかどうかは微妙なところだ。

　CPUは，TM 3000系のチップを使う。「恐らく，300～400MHzのものを搭載するはずだが，アプライアンスという性格上，スペックを詳しく公表する予定はない」（同社）。気になるバッテリー寿命は，「大容量バッテリーで6時間が目標だ」。

　日立は，「FLORA-ie」を新しいブランド名として，インターネットアプライアンス事業に取り組む構えだ。当初のラインアップは，前述のポータブルタイプに加え，液晶デスクトップタイプの2種類。デスクトップ型のほうは，K6-2を搭載した完全なWindowsマシンだが，レガシーインタフェースを省き，また独自ソフトの「FLORA-ie ナビゲーション」を使って初心者でも簡単に利用できるようにする。さらに，Windows Terminalのクライアントソフトをプリインストールしており，管理が容易なクライアントマシンとして，企業や教育機関にも訴求するという。

　一方のポータブルタイプは，主にISP向けの専用端末として販売される。同社では「いくつかのプロバイダから問い合わせを受けている」としており，正式発表と同時にパートナーが公表される可能性もありそうだ。

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日立製作所

[芹澤隆徳，ITmedia]

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