News 2000年9月27日 10:19 PM 更新

エプソン,エレコムなど2社を訴える,プリンタ用インクカートリッジ販売差し止め要求

 セイコーエプソンは,同社のインクジェットプリンタ用インクカートリッジに関わる特許を侵害したとして,同社互換インクカートリッジを販売するエレコムと製造元のエステー産業に対し販売と製造の差し止めを求める訴えを9月25日付けで東京地裁に起こした。

 エプソンが販売と製造の差し止めを求めているのは,エステー産業が製造し,エレコムが7月から販売しているインクカートリッジ6製品。エプソンによると,これらの製品はカートリッジ内のナトリウムイオンを特定濃度以下にすることで,長期間放置されてもインクの詰まりを防止するという同社の特許(特許番号第2696828号)を侵害しているという。同社では「第三者機関に鑑定を依頼した結果,6製品が明らかに当社の技術特許を侵害していることが分かった」としている。

 これに対し,エレコムでは「訴状が届いていないのでコメントできない。現在,特許を侵害した事実も含めて調査中」と話している。

訴訟に至る“本当の”理由

 エプソンは1998年10月,インクジェットプリンタ用インクカートリッジの構造に関する特許を侵害したとして,今回と同じく製造元だったエステー産業と販売会社に対し,販売と製造の差し止めを求めて東京地裁に提訴していた。この訴訟は,両社が製造と販売を中止し,和解金を支払うことで今年1月に和解が成立した。

 関係者によると,エステー産業は和解後,エプソンの特許に抵触しないインクカートリッジを新たに開発。エレコムはこれまで,カラープリンタ用詰め替えインクなどを販売していたが,インクジェットプリンタ市場の急速な伸びに目を付け,エステー産業が製造したエプソン互換カートリッジの販売を開始した。

 ところがこれに対し,エプソン側がエレコムを訪れ,「エステー産業の製品はエプソンの特許を侵害している」などと警告。今回の提訴は,エレコムが事実確認を含め調査を開始した矢先の出来事だったという。

 インクジェットプリンタは,PCとデジタルカメラの急速な普及に合わせ,出荷台数も拡大の一途をたどっている。その一方,メーカー間のし烈なシェア争いで本体価格はほぼ限界まで下がった。そのため,各社とも本体は採算スレスレまで値下げし,インクカートリッジを始めとする消耗品で利益をあげるという“携帯電話式ビジネスモデル”に頼っているのが現状だ。

 このため,純正品より低価格な互換カートリッジには各メーカーとも神経をとがらせている。エプソンの新型インクカートリッジにはインク残量情報などを記録するチップが内蔵されているが,「本当の目的は互換カートリッジの閉め出しなのでは」という見方もあったほど。エプソンは「エプソン製以外のカートリッジも散見されるが,自社開発した技術特許などの知的財産を保護する活動を積極的に進めていく」としており,プリンタ事業の“生命線”確保に向け互換カートリッジメーカーへの風当たりが強まりそうだ。

関連リンク
▼ セイコーエプソン
▼ エレコム

[小林伸也, ITmedia]

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