News | 2000年9月28日 09:17 PM 更新 |
日本ビクターは9月28日,20GバイトのHDDとS-VHSビデオデッキを1つにしたハイブリッド録画機「HM-HDS1」を発表,11月上旬に出荷を開始する。追っかけ再生や録画中の同時再生といったハードディスクレコーダーの使い勝手に,S-VHSの持つメディアの保存性・可搬性を加え,ビデオデッキの新しい使い方を提案する。また同時に,BSデジタルハイビジョン対応のD-VHS機「HM-DH30000」を,12月上旬に投入することも明らかにしている。
ハードディスクレコーダーは,HDDの複数ヘッド・高速アクセスといった特徴を活かし,録画済みの番組を巻き戻すことなく再生したり,既に録画が進んでいる番組を同時に最初から観る「追っかけ再生」といった使い方ができる。AV指向のPCでは既にポピュラーな機能となっているが,国内の民生用録画機としては,ソニーが6月に発表した「Clip-On」(6月22日の記事を参照)に続く2機種目だ。ただし,メディアを取り出すことのできないハードディスクレコーダーに対しては「友達とテープを交換できないようなビデオは国内では売れない」という声も根強く,各社はVHSやDVDメディアとのコンパチブル録画機を計画中。そうした意味で,今回発表されたHM-HDS1は,日本型PVR(パーソナルビデオレコーダー)の先駆けと言えるのかもしれない。
HM-HDS1のHDD部は,MPEG2形式で約7時間の録画が可能なSPモード,約10時間のLPモード,約14時間のEPモード,約20時間のSEPモードという,4つのモードを搭載している。水平解像度は,SP/LPモードで約520本とS-VHS並み,EPモードで約400本とVHS並みになる。
録画部を2つ搭載したことで,録画済みコンテンツのコピーも可能になった。HM-HDS1では,HDDに記録した映像を再生しながら「から/まで」ボタンで録画開始と終了を指定し,S-VHSに記録できる「簡単編集マルチダビング」機能を搭載。また,録画済みコンテンツのサムネイルを指定するだけでS-VHSにコピーする「番組保存ナビ」なども用意された。「テレビ情報を一時的にHDDに蓄積し,必要なものをテープにダビングして保存するなど,“タイムコントロール機能の進化”を開発コンセプトにした」(日本ビクター)。
HM-HDS1の主な仕様は以下の通り。
製品名 | HM-HDS1 |
録画方式 | MPEG1 Layer2(HDD),S-VHS |
HDD容量 | 20Gバイト |
入出力端子 | AV入力×2,AV出力×2,S映像入力×1,S映像出力×2,BSデコーダー端子×1 |
本体サイズ | 435(幅)×385(奥行き)×124(高さ)ミリ |
重量 | 7.4キロ |
価格 | 18万8000円 |
HM-DH30000は,BSデジタルハイビジョン放送に対応したHSモードを搭載するリファレンスモデル。また,1125iと750p対応のHDデコーダーに加え,D4/D3端子を搭載したことで,BSデジタルチューナーを介さずに高精細なハイビジョン映像を出力できるようになった。
製品名 | HM-DH30000 |
録画方式 | D-VHS(MPEG1 Layer2) |
入出力端子 | i.LINK×2,光デジタル音声出力,AV入力×3,AV出力×2,S映像出力×2,S映像入力×2,D1/2/3/4映像出力×1 |
本体サイズ | 455(幅)×345(奥行き)×105(高さ)ミリ |
重量 | 6キロ |
価格 | 23万5000円 |
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