News 2000年10月2日 11:01 PM 更新

キヤノンがBJプリンタのラインアップを一新,今年は高解像度・高速印刷

キヤノンがBJプリンタのラインアップを一新。2400×1200dpi対応モデルや,PCカードスロット搭載モデルなどが登場。

 キヤノンは10月2日,カラーインクジェットプリンタ「Wonder BJシリーズ」の新機種8製品を発表した。10月6日より順次販売を開始する。今回新たにラインアップに追加されたのは,A4対応

の「BJ F850」をベースに機能強化を図った「BJ F870」と「BJ F870PD」,ならびにシリーズ最速の印刷速度を実現したA4対応機「BJ S600」の3製品。残りの5製品は,従来モデルの価格を引き下げたもの。

 BJ F870は,従来比2倍の密度でインクドロップを吐出することで,2400×1200dpiの高解像度印刷を実現したフラッグシップモデル。最小インクサイズは4ピコリットルのままだが,階調表現が33階調から49階調に向上したほか,新開発の高発色インクを採用することで,普通紙でも耐光性がアップしたという。さらに,ヘッドの駆動周波数を向上させ,BJ F850と比べて約1.5倍の高速化を実現。印刷速度は,A4フルサイズで約0.5枚/分,ハガキサイズの場合は約1.3枚/分となっている。

 BJ F870PDは,PCカードスロットを装備するBJ F870の姉妹機。メディアスロット一体型のプリンタについて「汎用性がない」と否定的な考えを示していたキヤノンだが(1999年10月7日の記事参照)ついに一体型を投入する。PCカードスロットには,アダプタを装着することで,コンパクトフラッシュカード,メモリースティック,SDカード,マイクロドライブ,マルチメディアカードなどを読み込むことができる(書き込みにも対応)。また,本体には,用紙や印刷形態を指定できる液晶操作パネルを搭載し,PCを介さないでプリントすることも可能だ。

 価格は,BJ F870が5万9800円(10月6日発売),BJ F870PDが6万9800円(12月上旬発売予定)。また現行のF850については,名称を「F860」と変更し,価格を5万9800円から5万4800円に引き下げる。

シリーズ最速のBJ S600

 BJ S600は,4色インクの新開発印刷エンジンを搭載する。「シアン」「マゼンダ」「イエロー」の各色2色合計16個のノズル配列を左右対称に配置することで1パス双方向印刷を実現し,「高速出力を達成するとともに,従来は取り除くことができなかった色むらやスジの発光を抑えることができる」(同社)という。なお印刷速度は,モノクロが15枚/分,カラーが10枚/分,A4フルサイズのフォト画像印刷が2.5枚/分となる。解像度は,BJ F870シリーズと同じ2400×1200dpi,最小インクドロップは5ピコリットル。

 価格は4万9800円で,11月上旬より販売を開始する。

 また,今回よりラインアップに追加された「BJ F660」(A4対応),「BJ F360」(A4対応),「BJ F6600」(A3対応)の3機種は,それぞれ,「BJ F620」「BJ F300」「BF F6100」の後継機種。印刷解像度は1440×720dpiのままだが,新たに高発色インクと顔料ブラックインクを採用したほか,デザインがホワイトとグレーのツートンカラーに変更されている。またBJ 660については,プレミアムモデルとしてソニーの「バイオ」と同じ薄紫色のカラーリングを施した「BJ F660V」を設定した。

 価格は,BJ F660が4万4800円,BJ F360が3万9800円,BJ F6600が6万9800円,BJ F660Vが4万6800円。10月6日より販売を開始する。

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[中村琢磨, ITmedia]

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