News 2000年10月2日 11:03 PM 更新

富士ゼロックス,デザイン重視の低価格機などインクジェットプリンタ3機種を発表

富士ゼロックスは,コンシューマー向けからSOHO向けまで3機種のインクジェットプリンタを発表。先行各社が激しくシェアを争そう市場に本格参入する。

 富士ゼロックスは10月2日,インクジェットプリンタ3機種を発表した。ラインアップは,コンシューマー向けにデザインを重視した「Jet Wind E40」と,SOHO向けの「Jet Wind B70」,プリンタとスキャナの複合機「WorkCentre 2150J」。価格はすべてオープン。同社では,今後も成長が見込まれるインクジェットプリンタ市場に本格的に参入し,2001年に国内シェア10%の獲得を目指す。

Jet Wind E40

 Jet Wind E40はホームユース向けの低価格機。「マシュマロキュート」をキーワードとし,曲線と白色を基調とした女性向けデザインに仕上げた。主に給排紙トレーのカラーバリエーションとして「パールオレンジ」,「アッシュグレー」,「パールホワイト」の3種類を用意し,「おしゃれな雑貨や文具と同様に利用してもらえれば」(同社)としている。

 インクは6色フォトインク(Y/M/LM/C/LC/K)を使用。プリントスピードは前機種の「Jet Wind 500C」と比べ約20%向上したという。またプリント時の振動をコントロールすることで,稼働音を42dBに抑えた。

 発売は10月6日。店頭での実売価格は2万円前後になる見込みだ。

主な仕様は以下の通り。
製品名 Jet Wind E40
プリント方式 サーマルインクジェット
解像度 最高2400×1200dpi
印字ヘッド 208ノズル(ブラック)/各色64ノズル(カラー)
用紙サイズ A4,B5,A5,B6,レター,リーガル,官製はがき
用紙種類 普通紙,官製はがき,専用紙(コート紙,光沢紙,OHP),アイロンプリント紙
インタフェース パラレル,USB
対応OS Windows 95/98/Me/NT 4.0/2000,Mac OS 8.1以降
サイズ 445(幅)×240(奥行き)×199(高さ)ミリ
重量 3キロ
価格 オープン

Jet Wind B70

 Jet Wind B70は,SOHOなど小規模オフィス向けの製品。経済性に配慮し,インクカートリッジを各色ごとに交換可能な独立インクシステムを採用。必要なカートリッジの交換だけで済むようにした。また通常の印刷モードに加え,2倍以上の速度で印刷可能な「エクスプレス」モードを搭載。さらにプリンタドライバの改良でファーストプリントまでにかかる時間を短縮したという。

 発売は10月6日で,実売予想価格は3万5000円前後。またJet Wind B70に10/100BASE-TX対応のプリントサーバを同梱したモデル「Jet Wind B70N」も同時に発売する。こちらは実売で5万円前後になる見込み。

 主な仕様は以下の通り。

製品名 Jet Wind B70
プリント方式 サーマルインクジェット
解像度 最高1200×1200dpi
印字ヘッド 320ノズル(ブラック)/各色104ノズル(カラー)
用紙サイズ A4,B5,A5,B6,レター,リーガル,官製はがき,バナー紙,アイロンプリント紙
用紙種類 普通紙,官製はがき,専用紙(コート紙,光沢紙,OHP,光沢はがき),バナー紙,封筒,アイロンプリント紙
インタフェース パラレル,USB,10/100BASE-TX(B70Nのみ)
対応OS Windows 95/98/Me/NT 4.0/2000,Mac OS 8.5.1以降
サイズ 474(幅)×380(奥行き)×219(高さ)ミリ
重量 6.9キロ
価格 オープン

WorkCentre 2150J

 WorkCentre 2150Jは,カラーインクジェットプリンタとカラーフラットベッドスキャナの機能を1台にまとめた複合機。今年2月に発売された「WorkCentre 1150J」の上位機種で,コピーのスピードアップや機能強化が図られた。

 PCに接続しなくてもカラーコピー機として利用でき,コピースピードはモノクロで毎分6枚,カラーで毎分2.5枚(エコノミーモード時)。プリンタ機能としては,B70と同様に高速印刷が可能なエクスプレスモードを搭載。スキャナ部分は,1150Jが読み取りセンサーとしてCISを搭載していたのに対し,2150JではCCDを採用し,読み取り台に密着させにくい原稿でもピントの良好なスキャンが可能になっている。また標準添付ソフト「DocuWorks 3.0E」を利用することで,スキャンしたテキスト文書などをPCでファイリングできる。

 発売は12月。実売価格は10万円を切る程度になると予想される。

主な仕様は以下の通り。
製品名 WorkCentre 2150J
プリント方式 サーマルインクジェット
プリント解像度 最高1200×1200dpi
印字ヘッド 320ノズル(ブラック)/各色104ノズル(カラー)
原稿/用紙サイズ A4,B5,A5,B6,レター,リーガル,官製はがき
読み取り解像度 600×600dpi(入力:各色10ビット,出力:各色8ビット)
インタフェース パラレル,USB
対応OS Windows 95/98/Me
サイズ 480(幅)×404(奥行き)×285(高さ)ミリ
重量 11.3キロ
価格 オープン

 なお,Jet Wind B70とWorkCentre 2150Jは,富士ゼロックスとシャープ,米Xeroxが発表した),インクジェットプリンタエンジンを共同で開発,生産するという提携(3月15日の記事参照に基づく最初の製品となる。

 インクジェットプリンタ市場は,既にセイコーエプソンやキヤノン,日本ヒューレットパッカードなどが先行してし烈なシェア争いを繰り広げているが,同社では「この市場は年平均13%の勢いで伸びており,今後はPC周辺機器以外でも用途が見込める」と有望視。一般コンシューマーやSOHOなど,各ユーザー層向けに機能を明確にした商品を投入することで,一定のシェアを確保していく考えだ。

 同社では初のネット直販サイト「bSTORE」を開設したほか,ユーザーサポート用コールセンターを拡充。インクジェットプリンタ市場への本格参入に合わせ,ユーザーとのOne to One体制を強化していく。

関連記事
▼ シャープ,富士ゼロックス,Xeroxが提携――インクジェットプリンタなどを共同開発

関連リンク
▼ 富士ゼロックス
▼ bSTORE

[小林伸也, ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.