News 2000年10月11日 04:26 PM 更新

文書に対する単一のアクセス方法を提供する「Tahoe」

MEC2000で発表された文書管理サーバの「Tahoe」。Windows GUIに統合され,さまざまな文書に容易にアクセスできるTahoeは,米Lotusの「Reven」と競合するものになりそうだ。

 米Microsoftは,米ダラスで開催中の「Microsoft Exchange & Collaboration Solution Conference 2000」(MEC2000)で,文書管理サーバの「Tahoe」を発表した。これまでTahoeに関して,Exchangeの機能を補完する関連製品との位置付けで見る報道もあったが,実際に登場したTahoeは単独で動作し,Exchangeとは無関係に社内外の情報を収集し,カタログ化する文書管理サーバ製品である。また同時に,文書を探し当てるための,社員向けポータルのサーバにもなる。Tahoeは,製品ライフを終えようとしている「Site Server」に代わる製品と捉えることもできるだろう。

 Tahoeの機能を大きく分類すると,

 1. さまざまなデータストアから情報を収集する機能

 2. 文書のバージョンや更新の権限,文書属性などを管理する文書管理機能

 3. 収集した情報をカタログ化し,高速な全文検索を実現する機能

 4. それらの機能をWebブラウザから簡単に利用できるようにする機能

の4つに分けることができる。

 Tahoeは,インターネットのWebサイト,Notesデータベース,一般的なファイル,Webフォルダ,WebDAVプロトコルでアクセス可能なイントラネットのWebサイトから,設定に基づいて常に最新のカタログを作成する機能を持つ。

 また,さまざまなストアにアクセスするためのプラグインやプロトコルハンドラに加え,文書フォーマットをTahoeで扱えるインターネット準拠の文書に変換する「iFilter」により,上記以外の情報ソースに対しても拡張性を持つ。このため,長い間企業内で運用されてきた文書を,ひとまとめにして管理できる。

 文書管理の面では,Windowsとの統合が全面に押し出されている。たとえば,文書のチェックイン,チェックアウトは,「Explorer」のメニューから行うことが可能。また,文書を登録するときに入力する文書属性や,自動的に行われるバージョン管理の情報は,ファイルのプロパティダイアログから閲覧できるようになっている。つまり,特別なクライアントソフトを必要としない。

 なお,管理されている文書はWebベースのポータルページから全文検索が行えるほか,Explorerや「Office 2000」,Webフォルダからもアクセスできるようになる。Windows上でファイルを扱うかのように操作できるため,ユーザーは文書管理システムの存在をあまり意識しなくてもいい。

 Tahoeは,米Lotusが提供を予定しているナレッジマネージメント製品プロジェクトの「Raven」ともよく似た機能を持っており,今後,機能面や検索精度など,多くの面で比較されることになりそうだ。なお,Beta 2では英語語,日本語,ドイツ語に対応しているが,来年の第1四半期には正式版がイタリア語,スペイン語,フランス語についてもサポートする。正式版は来年第1四半期に出荷を開始する予定だ。

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[本田雅一, ITmedia]

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