News 2000年10月19日 10:46 PM 更新

USB2.0が普及するのは2001年夏──米In-system DESIGN

最大480Mbpsのスピードを実現するUSB2.0。対応製品がエンドユーザーの手元に届くのはいつなのだろうか? USB-ATAPIブリッジチップを開発する米In-system DESIGNに「WORLD PC EXPO 2000」の会場で話を聞いた。

 米In-system DESIGNは,「WORLD PC EXPO 2000」でATAPIとUSB2.0のブリッジチップを出展し,評価ボードによるデモンストレーションを行っている。この「ISD-300」は,既存のATAPIデバイスをUSB2.0に変換するためのもの。新しいインタフェースが世に出るときには必須のアイテムであり,その出荷状況が規格の普及スピードを左右する。同社では,最大480Mbps(60Mバイト/秒)の転送レートを持つUSB2.0が「来夏にも一般的に使われるようになる」と話している。


展示されていたUSB2.0対応のGIGAMOドライブ

 In-system DESIGNのブースには,富士通のGIGAMOドライブや松下電器産業のDVD-RAMドライブなど,4つのストレージ製品にブリッジを搭載した試作機が展示されている。同社のデザインマネジャー,David Luke氏は,まずファイルコピーのデモを見せてくれた。15MバイトのデータをUSB1.1とUSB2.0のMOドライブでHDDにコピーすると,USB1.1では25〜30秒かかるが,USB2.0ではわずかに2〜3秒で済む。「このシステムではMicrosoftのベータ版ドライバを使用しているが,毎秒15Mバイト程度は出ている。ドライバが完成すれば,この2〜3倍は早くなるだろう」(Luke氏)。

 


米In-system DESIGNのDavid Luke氏とDavid Boldwin氏

 またLuke氏は,「Microsoftは,2001年第1四半期中にWindows 2000のサービスパックで(USB2.0の)ドライバを入れてくる。また,夏頃にはWhistlerとともにWindows 98やMeのサービスパックも出てくるだろう」と予想する。一方,Intelも来年後半にもチップセットにUSB2.0のコントローラを統合する計画を明らかにしている(4月28日の記事を参照)が,その時期は意外と早そうだ。「来年の夏には出てくるはず。その頃には,今のUSB1.1と同じように,USB2.0を搭載したPCが当たり前になっているだろう」(Luke氏)。

 さらに,同社はUSB2.0対応機器のコストを下げるため,廉価版チップの計画を持っているという。ISD-300は0.35μメートルプロセスで製造するが,これを0.25μメートルにシュリンクした「ISD-400」を6月を目処に投入する見込みだ。「パフォーマンスを維持してコストを下げるため,パッケージを小さくする」(プロダクトマネジャーのDavid Boldwin氏)と言う。なお,両チップの製造はNECエレクトロンデバイスに委託する。

 In-system DESIGNは,ISD-300のサンプル出荷を11月中旬〜末に開始。ラスベガスで11月に行われる「COMDEX/Fall」には実物を展示する予定だ。2001年1月にはボリューム出荷に移行し,周辺機器メーカーなどに提供する。既に富士通が同社のGIGAMOドライブに採用することが決定しているほか,「松下電器やリコーなど,多くのメーカーと交渉中だ。また,実際に対応製品がエンドユーザーの手元に届くのは,2月から3月頃になる」(Boldwin氏)という。今年のCOMDEXでは,USB2.0対応周辺機器が大きな話題になりそうだ。

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関連リンク
▼ In-system DESIGN INC.

[芹澤隆徳, ITmedia]

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