News 2000年10月30日 10:11 PM 更新

ネットでアニメーターを目指せ──東京ムービーが「アニメ塾」を開講

老舗アニメ制作プロの東京ムービーが,ネットを利用したアニメーター養成通信教育をスタートさせる。

 「ルパン三世」などを手がけるアニメ制作プロダクションのトムス・エンタテインメント東京支店東京ムービー事業本部(東京ムービー)は10月30日,インターネットを利用してアニメーターを養成する「アニメ塾」を2001年2月に開講すると発表した。ネットで教材をダウンロードし,作画して送り返すとプロのアニメーターが添削して結果を返してくれる仕組みだ。

 アニメ塾は,ネットを利用したアニメーター養成の通信教育だ。受講者はまずテストを受け,4段階で実力を診断された上で,初級/中級/上級の3コースに分かれて受講する。課題は東京ムービー社内の教育用に実際に使用されており,初級の「正面歩き」から,上級者の「ゴリラの石投げ」まで各コース20種類以上のテーマが用意されている。

 ダウンロードした課題に基づき,受講者はPCと手書きタブレット,アニメーション作成ソフトを使って短い動画を制作。これをメールに添付して送ると,関連会社のテレコム・アニメーションフィルム所属のアニメーターが添削して結果を返信する。これを繰り返して課題をすべてこなしたらコース修了の認定証が与えられる。「パンダコパンダ」や「カリオストロの城」といった宮崎駿作品で作画監督を担当した大塚康夫氏が塾長を務める。受講料は1コース年間5万円。

 対象となるのはアニメーター志望者やアニメ制作に興味があるアマチュア,また本格的に学びなおしたいプロ。ネットを利用することで,いつでも好きな時間に講座を受講できる点がメリットだとしている。当面の会員目標は300〜600人。

 「未来少年コナン」などの作品に関わった,テレコム・アニメーションフィルムの竹内孝次社長は,「アニメの制作現場もデジタル化が進み,紙とペンの役割は薄れつつある。しかしアニメ的な動きを表現する技術やセンスは必要」と話す。上級者講座を修了すれば「東京ムービーの試験にも合格できる実力なのは間違いない」(竹内社長)とのこと。

関連リンク
▼ 東京ムービー

[小林伸也, ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.