News 2000年10月30日 05:21 PM 更新

ソニー,決算発表後に悪材料噴出,下期の見通し不透明に

 中間決算を発表したばかりのソニーに,セガのドリームキャスト値下げ,コンパックに供給していたリチウムイオン電池のリコールなどの悪材料が噴出している。

 ソニー(6758)の下期の業績に暗雲が垂れ込めてきた。決算発表直後に悪材料が噴出している。

 セガ・エンタ−プライゼスの北米,欧州での攻勢に加え,コンパックに供給してきたリチウムイオン電池のリコールなど,業績への影響が懸念されるからだ。

 リチウムイオン電池のリコール問題については,基板部分の不具合が原因で業績への影響は軽微と見られる。しかし,セガ・エンタ−プライゼスの「ドリームキャスト」の大幅な価格引き下げの影響は深刻だ。

 北米での価格を149.95ドルに一挙に50ドル,同様に欧州でも149.99ポンドに50ポンド引き下げた。クリスマス商戦を意識したもので,同時に年末までに新たに20タイトルを投入。ハードとソフトの充実度を前面に打ち出し,ソニー「PlayStation」に対し巻き返しを図る。

 すでに9月から開始したオンラインゲームでは1万人の登録会員を集めた。今期は500万台のハードの売り上げと300万人の登録会員を集める計画だ。

 このため,セガでは今期に新価格適用による185億円の営業損失を計上。背水の陣で世界最大のゲーム市場である北米で起死回生を狙う。

 これらの悪材料は,先週26日にソニーが中間決算を発表した直後に起きたこと。ソニー側は,「リスクとしては認識してきたが,下期の業績予想には織り込んでいない。また,影響は小さいと考えている」と回答。

 さらに,セガに対抗して,「PlayStation2」などのハードの価格の引き下げについても,現段階では考えていない模様。

 ZDIIでも,ソニーの下期からの業績回復を期待してポジティブな評価をしたが,今期の最終黒字100億円の達成が微妙なことから見直さざるをえない。

 具体的な見通しについては,セガの動向に左右されるため,来月1日に開かれるセガの決算説明会の後にもレポートしたい。

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[林田英樹, ITmedia]

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