News 2000年10月31日 11:15 PM 更新

ソニーとジャスト,「エアボード」専用ネットサービスを共同開発

ソニーとジャストシステムは,TVとネットを同時に利用できる新製品「エアボード」専用のネットサービスを共同で開発した。

 ソニーとジャストシステムは10月31日,ソニーの“パーソナルITテレビ”「エアボード」向けのネット接続サービスを共同開発したと発表した。エアボードはTV番組の視聴とネット接続をワイヤレスで行えるソニーの新製品(9月28日の記事参照)。12月1日の発売と同時に専用サービス「エアボードネット」をスタート,テレビ番組と連動したコンテンツを提供する。面倒な設定をしなくても接続が可能な仕組みを採用しており,家電感覚でネットを利用できる手軽さを売りに,これまでネットに手を出せなかった非PCユーザーの需要を開拓する。

 エアボードネットを利用するには,まず同梱のはがきによる郵送か,オンラインで入会を申し込む。郵送の場合は後日,エアボードに組み込まれた専用接続ソフトを起動し,あらかじめ設定した本人確認ワードを入力してボタン一発で送信すれば,ネット接続に必要な項目をダウンロードし,自動的に設定してくれる仕組みになっている。

 コンテンツは,番組名をタップすることでチャンネルを切り替えられる電子番組表や,番組を見ながらチャットや掲示板への書き込みができるコミュニティ機能など,TV番組とインターネットを同時に楽しめるエアボードの特徴を生かしたもの。次世代のデジタル放送では,番組内容そのものがネットと連動する点が目玉だが,エアボードネットでは,TV番組とネットコンテンツがそれぞれ独立したまま連動する。「番組とネットは別々だが,ユーザーにとっては密接に結びついているという画期的な試み」(ジャストシステムの浮川和宣社長)だ。


エアボードで表示したエアボードネットのトップページ

 このほか,天気予報サービスと連動したスケジュール管理機能付きカレンダーや,ニュース,レシピ,エンターテイメント情報サービスなども用意されている。基本的には「オープンなプラットフォーム」(ソニー)を目指しており,APIを公開してコンテンツプロバイダーなどに参加を呼び掛けていく。将来はオンラインバンキングやショッピングも視野に入れている。

 料金は月額1950円の固定制。ジャストネットのインフラを利用し,全国147カ所のアクセスポイントから接続できる。

 ソニーホームネットワークカンパニープレジデントの高篠静雄氏は,「PCと異なる一発接続を武器に,PCと異なるライフスタイルを作っていきたい。AVとITを融合させ,さらにサービスに結びつけるというソニーの考えを具現化したものだ」とエアボードネットの狙いを語った。

 ソニーではエアボードの販売目標10万台のうち,約8割がエアボードネットを利用すると見込んでいる。

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[小林伸也, ITmedia]

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