News | 2000年11月7日 11:38 PM 更新 |
三洋電機の新社長に就任した桑野幸徳氏が11月7日,同社内で会見した。桑野社長は「世界シェアトップの電池や,システムLSI,ディスプレイの3つのキーコンポーネントを軸に選択と集中を進め,企業価値を高めていきたい」と抱負を述べた。
同社をめぐっては,太陽光発電システムの生産販売子会社が,一部製品に出力不足の太陽電池モジュールが混入していたにもかかわらず,これを隠したまま1年半にわたって販売していた事実が発覚。近藤定男前社長が責任を取って先月に退任し,桑野氏が11月1日付で取締役から社長に昇格した。桑野社長は会見で,「私の第1の仕事は信頼回復」と述べた。
桑野社長は技術畑の出身。社長就任前は同社セミコンダクタカンパニー社長を務め,不振だった半導体事業を連結黒字化へと建て直した実績がある。
今後の方針については,「キーデバイスとデジタル,環境の3領域に事業を集中する」と表明。特にキーデバイスやデジタル分野については,携帯端末の普及をにらみ,ニッケル水素充電池や,同社が世界に先駆けて実用化した低温ポリシリコンTFT,また次世代ディスプレイとして有望視されている有機ELなど,同社が得意とするコンポーネントをコア事業と位置付け,資源を集中させることで競争力を向上させていく考えを示した。
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