News 2000年11月9日 08:59 PM 更新

日本HP,ハンドヘルドPC「jornada 720」を発表

jornada最新機種「jornada 720」が登場。OSが最新版にアップデートされたほか,CPUや駆動時間が向上。音楽再生などマルチメディア機能も強化された。

 日本ヒューレット・パッカードは11月9日,Windows CE搭載のハンドヘルドPC「hp jornada 720」を発表した。「jornada 690」の後継機種で,OSは最新版の「Windows Powered Handheld PC2000 日本語版」を搭載。小型軽量な本体デザインは継承しながら,CPUの動作クロックや連続駆動時間の向上,マルチメディア機能の強化などが図られている。発売は12月9日を予定し,価格はオープン。市場想定価格は9万円台。

 jornada 720は,ハーフVGA(640×240ピクセル)の液晶ディスプレイやキーピッチ13.2ミリのキーボードなど,外観デザインはjornada 680/690とほぼ同じだが,ハード/ソフトともに改良が施されている。

 ハード面ではCPUが変更された。690がSH-3/133MHzを搭載していたのに対し,720はStrongARM/206MHzを採用。同社によると「690と比べ約2倍のデータ処理速度を実現できた」という。また省電力化にも貢献し,連続駆動時間は1時間延びて約10時間となった。ただしWindows CE機を使いこなすためにはフリー/シェアウェアを活用するのが一般的だが,StrongARM用のソフトはSH-3用に比べて少ないのが痛いところだ。

 またPCカードスロットとCFカードスロットに加え,スマートカード(ICカード)スロットが追加された。現状では実用性は低いが,将来スマートカードが普及すれば用途は広がりそうだ。またPCとの接続に利用するクレードルが,シリアルからUSBへと変更され,大容量のソフトをインストールしたり,ファイルをやり取りする際に,大幅な転送時間の短縮が可能になる。

 ソフト面では,新OSとともに「Windows Media Player」を搭載。MP3とWindows Media Audio形式の音楽ファイル再生に対応し,本体のステレオヘッドフォンジャックを通して聴くことができる。また画像ビューアーソフト「Kodak Picture Shot」がバンドルされており,デジタルカメラで撮影した画像を閲覧したり,画像をメールに添付して送信したりといったことが可能だ。

 同社では「ハンドヘルドPCのユーザーはビジネスユースやパワーユーザーが中心だったが,マルチメディア機能を搭載したことで幅広いユーザーのニーズに応えたい」としている。1年間の販売目標は5万台。

 主な仕様は以下の通り。

製品名 jornada 720
CPU StrongARM SA1110/206MHz
メモリ 32Mバイト
ディスプレイ 6.5型バックライト付きカラーSTN液晶(640×240ピクセル,6万5000色),タッチスクリーン
キーボード キーピッチ:13.2ミリ,キーストローク:1.5ミリ
モデム 56Kbps
インタフェース PCカードスロット×1(Type II)×1,CFカード(Type I)スロット×1,スマートカードリーダースロット×1,シリアル×1,赤外線×1,モジュラー×1,ステレオヘッドフォン×1
OS Windows Powered Handheld PC2000
電源 リチウムイオン充電池(連続約10時間駆動)
サイズ 189(幅)×95(奥行き)×34(厚さ)ミリ
重量 510グラム(標準バッテリー込み)
価格 オープン

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